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69. 竜の口とか謎の女とか?
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「お、お、おじいちゃんっっっ!」
病室に飛び込むと、ベッドにあぐらをかいていたおじいちゃんが顔を上げた。
「おゥ、志麻か。さっきの話の続きを……」
「それどころじゃないっ!! 大先生から話は聞いたんだからね!?」
「ああ?」
あたしは一気にベッドまで突き進むと、枕をボフン! と殴った。
「どんな重病かと思ったら、じ、痔だったんでしょ、病気って!!」
「ぬっ、痔のこと喋りやがったかあのヤブ医者……!」
おじいちゃんは一瞬怯んだけど、クワッ! と目を剥いた。
「知られちまっちゃしようがねえ。ああそうだよ、俺ァ痔だよ! その何が悪いってんでィ!」
「何で開き直ってんの!? っていうか、いくら酷くても痔で死ぬわけないでしょ、何よ余命三ヶ月って!? 何で騙したのよーっ!」
「馬鹿言ってんじゃねえ! 痩せても枯れてもこの雲竜銀蔵、可愛い孫のおめえを騙すわきゃねえだろうが! 医者の野郎が『あと三ヶ月以内に手術しないと取り返しがつかないことになる』ってぬかしやがったんでイ!」
「じゃあ手術受けたらいいじゃない! 何で受けなかったのよ!!」
「てやんでェ、あんなふざけた手術受けられるわきゃねェだろうがっ!!」
「ふ、ふざけた手術?」
「ストーマを作る手術のことだよ」
斯波さんが横からおずおずと補足してきた。額に浮かんだ汗をせかせかと拭きながら早口で説明してくれる。
「ストーマっていうのは人工肛門のことで……つまり、お腹に穴をあけてそこから排泄できるようにすることなんだけど……」
「見ろっ、志麻!」
いきなりおじいちゃんが浴衣をはだけた。とても70代とは思えないくらい引き締まった上半身が露になる。
おじいちゃんの背には見事な雲と、そこから降りて来る竜の刺青が彫られていた。背筋をうねるように長くとぐろを巻いた竜は、ちょうど横腹のあたりから前を睨んで大きく口を開けている構図になっている。顎から覗く牙は、今にも襲い掛かってきそうな迫力だ。
「この彫り物はよォ、俺の誇りそのものなんでぇ」
「う、うん、知ってるけど」
頷くと、おじいちゃんの顔がクワッ! と般若になった。
「それをあの医者!! こともあろうに『手術部位はこの竜が口を開けているあたりがちょうどいいです』とぬかしやがった!」
「えっ、それってつまり、竜の口のところに……」
「俺の大事な竜の口をケツの穴にするなんてェ手術、受けられるわきゃねェだろうが!」
「いやオヤジ、お医者さんもそういうつもりでは……それに一時的な処置で、いずれきちんとふさぐ処置をすると」
「てやんでェ、一時もヘチマもあるかってんだ! 何が『ちょうどいい』だ、寝ぼけやがってあのバカ医者め!」
斯波さんのフォローも効果なしで、おじいちゃんの怒りは最高潮のド迫力だ。この勢いで院長先生を怒鳴りつけたのかと思うと、確かにヘロッヘロになったのもわかる気がする。
「三ヶ月以内に手術しなかったら最悪命に関わります、なんてこの俺に脅しかけやがってよォ! 上等でェ、俺の竜の口がケツになるくれェなら俺ぁスパッとこの世とおさらばしてやるってェ話よ!!」
「えええっ、何言ってんのおじいちゃん!? そこは手術してよ!?」
「馬鹿言ってんじゃねえ、この竜は俺と苦楽を共にしてきた切っても切れねェ相棒よ。竜が死ぬときゃ俺が死ぬときでェ」
おじいちゃんは腕を組んでフンッ、と鼻を鳴らした。
「何それ……でも結局、大先生が矯正手術しちゃったんだよね? ストーマは……?」
あたしはおじいちゃんの脇腹を見た。竜が大きく口を開いているところには穴が開いているような様子はない。
「うん、それがね。大先生が帰ってきてくれてオヤジの容体を診て、ストーマなしで済むようなんとかしてみるって、すぐに手術にとりかかってくれたんだ」
「そうなんだ! さすが大先生」
奇跡の腕はいまだ健在らしい。
「ケッ、最初っからあの野郎が居りゃよかったんだ。どこほっつき歩いてたんだか知らねェが、戻って来ンのが遅ェんだよ。寝ぼけた青二才に任せやがって」
おじいちゃんはブスッとしたままだったけど、あたしはやっと心からほっとした。
「良かった……じゃあ本当におじいちゃん、死なないんだね。ホントに……良かったあ」
思わず涙交じりの声になってしまう。
おじいちゃんと斯波さんが揃ってものすごく居心地悪そうな顔になった。
斯波さんが勢い良く手を合わせると頭を下げた。
「ごめん、志麻ちゃん! ずっと黙ってて……本当にごめん」
「いいよ、斯波さん『は』悪くないから。おじいちゃんに口止めされてたんでしょ」
「うっ」
軽く睨むと、おじいちゃんは口をもごもごさせた。たっぷり視線をキョロキヨロさせてから、ぎくしゃくと口を開く。
「あ、あー……心配かけちまってすまなかった、志麻」
「絶対許さない」
「ぐっ」
あたしは手を広げて、おじいちゃんにギュッと抱き着いた。
「うおっ」
「もう二度とあたしを置いて死んじゃうなんて言わないで。絶対ダメだから」
「……志野と同じこと言うんだなァ」
おじいちゃんはしみじみ言って、あたしの頭を撫でた。
「分かったよ。俺が悪かった、出来るだけ長生きするさ。だから志麻、おめえも間違っても俺より先に死ぬんじゃねえぞ」
「……うん」
ずっ、と後ろで鼻をすする音がした。顔を上げると、斯波さんがもらい泣きしていた。
「何だ斯波、気の利かねぇ野郎だな。邪魔すんじゃねえ」
「す、すみませんオヤジ。でも……なんか感極まっちゃいまして」
ハンカチで顔を拭いて、ついでに派手に鼻をかんだ斯波さんはにっこり笑った。
「とにかく、万事丸く収まってよかった。志麻ちゃんも本当に済まなかったね、お見合いとか散々振り回しちゃって」
「や、それはまあ……別にいいんだけど」
確かに婚活では色々あったけど、おかげで自分の気持ちにも気づけたし。朱虎の方の気持ちは……ちょっとまだ分かんないけど。
「……あ、そうだ!」
あたしはハッと飛び上がった。
しまった、色々ありすぎて朱虎のことが頭から吹っ飛んでた!
「なんでェ、どうかしたか?」
「う、うん、ちょっとね」
思い出すと心配で落ち着かない。朱虎はあの後無事だったんだろうか。
お医者さんに連絡したいけど、スマホは壊れて使い物にならない。
「おじいちゃん、斯波さん、あたしそろそろ帰るね」
あたしは慌てて立ち上がった。とにかくいったん帰って着替えたりもしたい。
「なんでェ、もう帰っちまうのか」
「もう面会時間終わっちゃってるよ。それにおじいちゃん、明日には退院するんでしょ」
「おうよ、久しぶりのシャバだぜ。……うん? そういや朱虎は何してやがんでェ」
「へっ」
思わず変な声が出てしまった。
実は蓮司さんにケンカ売りに行って、イタリアマフィアに撃たれました。
……なんて言ったら、一体どうなっちゃうのか怖すぎる。
朱虎はあれでもうちの組の幹部だ。絶対おじいちゃんは激怒するに決まってる。
最悪、イタリアマフィアとの抗争突入!?
それはヤバい! でも、一体なんて言えばいい!?
「え、えーと……」
「ああ、朱虎なら今日は人に会う用事があると言ってましたよ」
あたしを遮り斯波さんがさらりと言った。
こっちに軽く目配せしてくれる。あたしが困ってるのが分かって、助けてくれたんだ。
さすが斯波さん、よく気が回る。
密かに感動していると、おじいちゃんがニヤリと笑った。
「人に会う……ははあ、さてはあの女だな。あの野郎、やるじゃねェか」
「……は? 誰?」
病室に飛び込むと、ベッドにあぐらをかいていたおじいちゃんが顔を上げた。
「おゥ、志麻か。さっきの話の続きを……」
「それどころじゃないっ!! 大先生から話は聞いたんだからね!?」
「ああ?」
あたしは一気にベッドまで突き進むと、枕をボフン! と殴った。
「どんな重病かと思ったら、じ、痔だったんでしょ、病気って!!」
「ぬっ、痔のこと喋りやがったかあのヤブ医者……!」
おじいちゃんは一瞬怯んだけど、クワッ! と目を剥いた。
「知られちまっちゃしようがねえ。ああそうだよ、俺ァ痔だよ! その何が悪いってんでィ!」
「何で開き直ってんの!? っていうか、いくら酷くても痔で死ぬわけないでしょ、何よ余命三ヶ月って!? 何で騙したのよーっ!」
「馬鹿言ってんじゃねえ! 痩せても枯れてもこの雲竜銀蔵、可愛い孫のおめえを騙すわきゃねえだろうが! 医者の野郎が『あと三ヶ月以内に手術しないと取り返しがつかないことになる』ってぬかしやがったんでイ!」
「じゃあ手術受けたらいいじゃない! 何で受けなかったのよ!!」
「てやんでェ、あんなふざけた手術受けられるわきゃねェだろうがっ!!」
「ふ、ふざけた手術?」
「ストーマを作る手術のことだよ」
斯波さんが横からおずおずと補足してきた。額に浮かんだ汗をせかせかと拭きながら早口で説明してくれる。
「ストーマっていうのは人工肛門のことで……つまり、お腹に穴をあけてそこから排泄できるようにすることなんだけど……」
「見ろっ、志麻!」
いきなりおじいちゃんが浴衣をはだけた。とても70代とは思えないくらい引き締まった上半身が露になる。
おじいちゃんの背には見事な雲と、そこから降りて来る竜の刺青が彫られていた。背筋をうねるように長くとぐろを巻いた竜は、ちょうど横腹のあたりから前を睨んで大きく口を開けている構図になっている。顎から覗く牙は、今にも襲い掛かってきそうな迫力だ。
「この彫り物はよォ、俺の誇りそのものなんでぇ」
「う、うん、知ってるけど」
頷くと、おじいちゃんの顔がクワッ! と般若になった。
「それをあの医者!! こともあろうに『手術部位はこの竜が口を開けているあたりがちょうどいいです』とぬかしやがった!」
「えっ、それってつまり、竜の口のところに……」
「俺の大事な竜の口をケツの穴にするなんてェ手術、受けられるわきゃねェだろうが!」
「いやオヤジ、お医者さんもそういうつもりでは……それに一時的な処置で、いずれきちんとふさぐ処置をすると」
「てやんでェ、一時もヘチマもあるかってんだ! 何が『ちょうどいい』だ、寝ぼけやがってあのバカ医者め!」
斯波さんのフォローも効果なしで、おじいちゃんの怒りは最高潮のド迫力だ。この勢いで院長先生を怒鳴りつけたのかと思うと、確かにヘロッヘロになったのもわかる気がする。
「三ヶ月以内に手術しなかったら最悪命に関わります、なんてこの俺に脅しかけやがってよォ! 上等でェ、俺の竜の口がケツになるくれェなら俺ぁスパッとこの世とおさらばしてやるってェ話よ!!」
「えええっ、何言ってんのおじいちゃん!? そこは手術してよ!?」
「馬鹿言ってんじゃねえ、この竜は俺と苦楽を共にしてきた切っても切れねェ相棒よ。竜が死ぬときゃ俺が死ぬときでェ」
おじいちゃんは腕を組んでフンッ、と鼻を鳴らした。
「何それ……でも結局、大先生が矯正手術しちゃったんだよね? ストーマは……?」
あたしはおじいちゃんの脇腹を見た。竜が大きく口を開いているところには穴が開いているような様子はない。
「うん、それがね。大先生が帰ってきてくれてオヤジの容体を診て、ストーマなしで済むようなんとかしてみるって、すぐに手術にとりかかってくれたんだ」
「そうなんだ! さすが大先生」
奇跡の腕はいまだ健在らしい。
「ケッ、最初っからあの野郎が居りゃよかったんだ。どこほっつき歩いてたんだか知らねェが、戻って来ンのが遅ェんだよ。寝ぼけた青二才に任せやがって」
おじいちゃんはブスッとしたままだったけど、あたしはやっと心からほっとした。
「良かった……じゃあ本当におじいちゃん、死なないんだね。ホントに……良かったあ」
思わず涙交じりの声になってしまう。
おじいちゃんと斯波さんが揃ってものすごく居心地悪そうな顔になった。
斯波さんが勢い良く手を合わせると頭を下げた。
「ごめん、志麻ちゃん! ずっと黙ってて……本当にごめん」
「いいよ、斯波さん『は』悪くないから。おじいちゃんに口止めされてたんでしょ」
「うっ」
軽く睨むと、おじいちゃんは口をもごもごさせた。たっぷり視線をキョロキヨロさせてから、ぎくしゃくと口を開く。
「あ、あー……心配かけちまってすまなかった、志麻」
「絶対許さない」
「ぐっ」
あたしは手を広げて、おじいちゃんにギュッと抱き着いた。
「うおっ」
「もう二度とあたしを置いて死んじゃうなんて言わないで。絶対ダメだから」
「……志野と同じこと言うんだなァ」
おじいちゃんはしみじみ言って、あたしの頭を撫でた。
「分かったよ。俺が悪かった、出来るだけ長生きするさ。だから志麻、おめえも間違っても俺より先に死ぬんじゃねえぞ」
「……うん」
ずっ、と後ろで鼻をすする音がした。顔を上げると、斯波さんがもらい泣きしていた。
「何だ斯波、気の利かねぇ野郎だな。邪魔すんじゃねえ」
「す、すみませんオヤジ。でも……なんか感極まっちゃいまして」
ハンカチで顔を拭いて、ついでに派手に鼻をかんだ斯波さんはにっこり笑った。
「とにかく、万事丸く収まってよかった。志麻ちゃんも本当に済まなかったね、お見合いとか散々振り回しちゃって」
「や、それはまあ……別にいいんだけど」
確かに婚活では色々あったけど、おかげで自分の気持ちにも気づけたし。朱虎の方の気持ちは……ちょっとまだ分かんないけど。
「……あ、そうだ!」
あたしはハッと飛び上がった。
しまった、色々ありすぎて朱虎のことが頭から吹っ飛んでた!
「なんでェ、どうかしたか?」
「う、うん、ちょっとね」
思い出すと心配で落ち着かない。朱虎はあの後無事だったんだろうか。
お医者さんに連絡したいけど、スマホは壊れて使い物にならない。
「おじいちゃん、斯波さん、あたしそろそろ帰るね」
あたしは慌てて立ち上がった。とにかくいったん帰って着替えたりもしたい。
「なんでェ、もう帰っちまうのか」
「もう面会時間終わっちゃってるよ。それにおじいちゃん、明日には退院するんでしょ」
「おうよ、久しぶりのシャバだぜ。……うん? そういや朱虎は何してやがんでェ」
「へっ」
思わず変な声が出てしまった。
実は蓮司さんにケンカ売りに行って、イタリアマフィアに撃たれました。
……なんて言ったら、一体どうなっちゃうのか怖すぎる。
朱虎はあれでもうちの組の幹部だ。絶対おじいちゃんは激怒するに決まってる。
最悪、イタリアマフィアとの抗争突入!?
それはヤバい! でも、一体なんて言えばいい!?
「え、えーと……」
「ああ、朱虎なら今日は人に会う用事があると言ってましたよ」
あたしを遮り斯波さんがさらりと言った。
こっちに軽く目配せしてくれる。あたしが困ってるのが分かって、助けてくれたんだ。
さすが斯波さん、よく気が回る。
密かに感動していると、おじいちゃんがニヤリと笑った。
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「……は? 誰?」
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