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42. とりあえずとか激おことか
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振り向くと、環はまだ蓮司さんを睨んでいた。むしろ目つきが更に凶悪さを増している気がする。
「終わってないって……蓮司さん、本当は警察のままでヤクザになってなかったって言ってるじゃない。家族にも秘密にしなきゃいけないから仕方なかったって」
あたしの言葉に、環は軽く眉を上げた。
「公安の内偵か。そんなことは見当がついていた」
「ええ!?」
「根っからクソ真面目なこの男が警察を辞めるはずがない。それが偽名を使って新興の極道組織にわざわざ入る時点で別の目的があることは明確だ。ならば公安の密偵は真っ先に思いつくだろう」
「いや、フツー思いつかないって」
思わず突っ込んでしまったけど、法律関係の一家に育ったら出てくる発想なんだろうか。
「そこまで分かってるなら、何でまだ怒ってるの?」
「何故そんな状況でわざわざ志麻と見合いするんだ」
「えっ?」
突然見合いの話が飛び出して、あたしは瞬いた。
「潜入調査の最中、しかも大詰めに差し掛かっている時期に志麻と見合いすることはどう考えても不必要なリスクだろう」
「や、それはうちのおじいちゃんがいきなり強引に持ち掛けたから……」
「この男ならうまく断れたはずだ」
環は蓮司さんを鋭くねめつけた。
「……確かに、断ろうと思えば断れた」
蓮司さんは刺すような視線を受けて、小さく息を吐いた。
「けれど、『獅子神蓮司』という男は野心家で搦手を好むというパーソナル設定なんだ。そんな男が雲竜銀蔵の孫娘との見合い話を持ち掛けられて断るのは不自然だ。だからとりあえず見合いは受けておくべきだと思っ……」
「とりあえず?」
環の声が低くなった。もはや地獄から響いてくるようだ。
「とりあえずで志麻と見合いしたというのか。本当に結婚する気はなかったと?」
「――ああ。こちらから断ると角が立つし、志麻さんの方から僕を嫌ってもらって断られるのが一番穏便だと思ってね」
「えっ、そうだったんですか」
ということは、あのチクチクした嫌味とか長々と薀蓄語るのはわざとあたしに嫌われるためだったのか。
ショックなような納得したような、妙な気分だ。
「なるほど。自身の任務と正体の隠蔽のため、形ばかりの見合いを乗り気を装って受け、志麻に対してわざと不快な言動を行って断らせるよう仕向けたわけだ」
蓮司さんは僅かに眉をひそめたけど、頷いた。
「まあ……言葉は悪いがそうなるな。ただ、実際は思惑と異なることも多くてね。というか……」
ダン! と環が思いっきり拳をテーブルに叩きつけた。
あたしの心臓が飛び上がる。
「あまりふざけるなよ」
短く言い捨て、環はあたしの手を掴むと立ち上がった。
「た、環……?」
「志麻、この男との見合いは即刻断れ」
環はあたしの手を掴んだまま、蓮司さんを絶対零度の視線でねめつけた。
「いいか、最後の情けで正体については黙っておいてやるが、金輪際志麻に近づくな。魂に刻んでおけ、この腐れ外道」
「た、環、落ち着いて……! その人、あなたのお兄さんだからね!?」
いや、お兄さんだからこそこんなに怒ってるんだろうか。
前に『兄とはほとんど干渉しない』とか言ってたけど、やっぱり危ない仕事についていることを黙っていられたのがよほどショックだったんだろう。
しかも、あたしとのお見合いで更にリスクが高まってしまった。
そう考えると、ずきりと胸が痛んだ。
こんなに環が怒ってるのは、あたしのせいだ。
「行くぞ、志麻。これ以上この男と話すことなどない」
「待って環! あの、ごめん」
「はあ?」
環は眉を跳ね上げてあたしを振り返った。
「何故君が謝る?」
「だって……環の言うとおりだと思って。蓮司さんは危ない仕事の最中なのに、あたしとのお見合いなんてリスク抱え込ませちゃってたなんて……知らなかった」
「君が知らないのは当たり前だろう、この男が隠していたんだから」
「それはそうだけど。でも、もとはと言えば、おじいちゃんがお見合いを無理やり押し付けたのがいけないんだよ。蓮司さんだって好きでわざわざリスクを上げたわけじゃないんだから……。いくらお兄さんが心配だからって、そんなに怒らないで上げて」
環はまじまじとあたしの顔を見た。
「……いや、私は兄の心配などしていないが」
「え?」
「違うよ、志麻さん」
環の代わりに、あたしの後ろから声がした。
「環が怒ってるのは君のためだ」
「……え?」
振り返ると、蓮司さんが苦笑に近い表情を浮かべている
「僕が志麻さんを騙して見合いしたことについて怒ってるんだよ。そうだろう、環」
「他に何がある」
ぽかんとするあたしをよそに、環は苛立たしげに言った。
「貴様がヤクザになっていようがスパイしていようが、そんなことはどうでもいい」
ついに『貴様』呼びになった……!
「だが、立場を利用して私の友人を騙したことは許しがたい」
環はキッと蓮司さんを睨んだ。
「志麻はこう見えて純粋なんだ。今だに星占いを毎日気にしたり、運命の人に出会える恋のおまじないをしたりするくらい夢見る乙女だというのに、その純情を弄ぶような真似をしたんだぞ、分かっているのか」
「ひえっ、環やめて……! それバラさないで!」
蓮司さんはあたしをちらと見ると微笑んだ。こんな状況なのにどきりとする。
「それは可愛らしいな。また違う一面を見られた気分だ」
「ヘラヘラするな気色悪い。志麻を見るな。汚れる」
環があたしを抱きしめるようにして蓮司さんの視線から隠した。
「とにかく、貴様の思惑通り見合いは志麻の方から断る。この場で話したことは忘れてやるから貴様はつつがなく巨悪を仕留めて手柄を立てて、速やかに志麻の前から姿を消せ。それでいいな?」
「いや、良くない」
蓮司さんは首を横に振った。環が眉を跳ね上げる。
「ああ?」
「……確かに、当初の予定は志麻さんから嫌われて見合いを断ってもらうことにしていた。難しくはないはずだったよ、雲竜志麻と言えば我がままですぐに癇癪を起こす甘えたお嬢様だと有名だからね」
「待ってくださいそれ有名なんですか? ほんとに?」
地味にショックな自分の評判を知ってしまった……。
間違いなく噂の出どころは朱虎だろう。あんな顔してあちこちであたしの愚痴を言いまくってるのか、あいつ……!
「けど、会ってみたら全然違った」
イライラしていると、蓮司さんが優しく言った。
「確かに激しいけど、理屈がないわけじゃない。むしろ感情豊かで信念があって、すごく魅力的な女の子だと分かった」
「えっ、それはちょっと褒めすぎ……」
切れ長の瞳がじっとあたしを見つめる。何だか居心地が悪くてもじもじしていると、さっと環があたしを庇った。
「おい、女子高生を視姦するんじゃないこの変態。強制わいせつ罪で訴えるぞ」
「見るくらいいいだろう」
「良くない。とっとと結論を言え」
蓮司さんは息を吐いた。
「分かった。――志麻さん。今まで身分を偽って、君に嘘をついていたことを謝りたい。本当に申し訳なかった」
「い、いえ、仕方ないことでしたから……」
「その上で、改めて君に結婚前提での交際を申し込ませてくれ」
「……は?」
環越しにあたしを見つめ、蓮司さんははっきりと言い切った。
「僕と結婚して欲しい」
「終わってないって……蓮司さん、本当は警察のままでヤクザになってなかったって言ってるじゃない。家族にも秘密にしなきゃいけないから仕方なかったって」
あたしの言葉に、環は軽く眉を上げた。
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「ええ!?」
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「いや、フツー思いつかないって」
思わず突っ込んでしまったけど、法律関係の一家に育ったら出てくる発想なんだろうか。
「そこまで分かってるなら、何でまだ怒ってるの?」
「何故そんな状況でわざわざ志麻と見合いするんだ」
「えっ?」
突然見合いの話が飛び出して、あたしは瞬いた。
「潜入調査の最中、しかも大詰めに差し掛かっている時期に志麻と見合いすることはどう考えても不必要なリスクだろう」
「や、それはうちのおじいちゃんがいきなり強引に持ち掛けたから……」
「この男ならうまく断れたはずだ」
環は蓮司さんを鋭くねめつけた。
「……確かに、断ろうと思えば断れた」
蓮司さんは刺すような視線を受けて、小さく息を吐いた。
「けれど、『獅子神蓮司』という男は野心家で搦手を好むというパーソナル設定なんだ。そんな男が雲竜銀蔵の孫娘との見合い話を持ち掛けられて断るのは不自然だ。だからとりあえず見合いは受けておくべきだと思っ……」
「とりあえず?」
環の声が低くなった。もはや地獄から響いてくるようだ。
「とりあえずで志麻と見合いしたというのか。本当に結婚する気はなかったと?」
「――ああ。こちらから断ると角が立つし、志麻さんの方から僕を嫌ってもらって断られるのが一番穏便だと思ってね」
「えっ、そうだったんですか」
ということは、あのチクチクした嫌味とか長々と薀蓄語るのはわざとあたしに嫌われるためだったのか。
ショックなような納得したような、妙な気分だ。
「なるほど。自身の任務と正体の隠蔽のため、形ばかりの見合いを乗り気を装って受け、志麻に対してわざと不快な言動を行って断らせるよう仕向けたわけだ」
蓮司さんは僅かに眉をひそめたけど、頷いた。
「まあ……言葉は悪いがそうなるな。ただ、実際は思惑と異なることも多くてね。というか……」
ダン! と環が思いっきり拳をテーブルに叩きつけた。
あたしの心臓が飛び上がる。
「あまりふざけるなよ」
短く言い捨て、環はあたしの手を掴むと立ち上がった。
「た、環……?」
「志麻、この男との見合いは即刻断れ」
環はあたしの手を掴んだまま、蓮司さんを絶対零度の視線でねめつけた。
「いいか、最後の情けで正体については黙っておいてやるが、金輪際志麻に近づくな。魂に刻んでおけ、この腐れ外道」
「た、環、落ち着いて……! その人、あなたのお兄さんだからね!?」
いや、お兄さんだからこそこんなに怒ってるんだろうか。
前に『兄とはほとんど干渉しない』とか言ってたけど、やっぱり危ない仕事についていることを黙っていられたのがよほどショックだったんだろう。
しかも、あたしとのお見合いで更にリスクが高まってしまった。
そう考えると、ずきりと胸が痛んだ。
こんなに環が怒ってるのは、あたしのせいだ。
「行くぞ、志麻。これ以上この男と話すことなどない」
「待って環! あの、ごめん」
「はあ?」
環は眉を跳ね上げてあたしを振り返った。
「何故君が謝る?」
「だって……環の言うとおりだと思って。蓮司さんは危ない仕事の最中なのに、あたしとのお見合いなんてリスク抱え込ませちゃってたなんて……知らなかった」
「君が知らないのは当たり前だろう、この男が隠していたんだから」
「それはそうだけど。でも、もとはと言えば、おじいちゃんがお見合いを無理やり押し付けたのがいけないんだよ。蓮司さんだって好きでわざわざリスクを上げたわけじゃないんだから……。いくらお兄さんが心配だからって、そんなに怒らないで上げて」
環はまじまじとあたしの顔を見た。
「……いや、私は兄の心配などしていないが」
「え?」
「違うよ、志麻さん」
環の代わりに、あたしの後ろから声がした。
「環が怒ってるのは君のためだ」
「……え?」
振り返ると、蓮司さんが苦笑に近い表情を浮かべている
「僕が志麻さんを騙して見合いしたことについて怒ってるんだよ。そうだろう、環」
「他に何がある」
ぽかんとするあたしをよそに、環は苛立たしげに言った。
「貴様がヤクザになっていようがスパイしていようが、そんなことはどうでもいい」
ついに『貴様』呼びになった……!
「だが、立場を利用して私の友人を騙したことは許しがたい」
環はキッと蓮司さんを睨んだ。
「志麻はこう見えて純粋なんだ。今だに星占いを毎日気にしたり、運命の人に出会える恋のおまじないをしたりするくらい夢見る乙女だというのに、その純情を弄ぶような真似をしたんだぞ、分かっているのか」
「ひえっ、環やめて……! それバラさないで!」
蓮司さんはあたしをちらと見ると微笑んだ。こんな状況なのにどきりとする。
「それは可愛らしいな。また違う一面を見られた気分だ」
「ヘラヘラするな気色悪い。志麻を見るな。汚れる」
環があたしを抱きしめるようにして蓮司さんの視線から隠した。
「とにかく、貴様の思惑通り見合いは志麻の方から断る。この場で話したことは忘れてやるから貴様はつつがなく巨悪を仕留めて手柄を立てて、速やかに志麻の前から姿を消せ。それでいいな?」
「いや、良くない」
蓮司さんは首を横に振った。環が眉を跳ね上げる。
「ああ?」
「……確かに、当初の予定は志麻さんから嫌われて見合いを断ってもらうことにしていた。難しくはないはずだったよ、雲竜志麻と言えば我がままですぐに癇癪を起こす甘えたお嬢様だと有名だからね」
「待ってくださいそれ有名なんですか? ほんとに?」
地味にショックな自分の評判を知ってしまった……。
間違いなく噂の出どころは朱虎だろう。あんな顔してあちこちであたしの愚痴を言いまくってるのか、あいつ……!
「けど、会ってみたら全然違った」
イライラしていると、蓮司さんが優しく言った。
「確かに激しいけど、理屈がないわけじゃない。むしろ感情豊かで信念があって、すごく魅力的な女の子だと分かった」
「えっ、それはちょっと褒めすぎ……」
切れ長の瞳がじっとあたしを見つめる。何だか居心地が悪くてもじもじしていると、さっと環があたしを庇った。
「おい、女子高生を視姦するんじゃないこの変態。強制わいせつ罪で訴えるぞ」
「見るくらいいいだろう」
「良くない。とっとと結論を言え」
蓮司さんは息を吐いた。
「分かった。――志麻さん。今まで身分を偽って、君に嘘をついていたことを謝りたい。本当に申し訳なかった」
「い、いえ、仕方ないことでしたから……」
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