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37. 迷惑とか赤いピアスとか
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「……別の病院に移った?」
病院の受付で、あたしは間抜けな声を上げた。
「はい。早瀬巳影さんは、今朝転院されました」
「えっ、何でですか? もしかして、急に具合が悪くなったとか!?」
思わず身を乗り出して聞くと、事務の人は困ったような顔になってそわそわし始めた。
「あ、いえ、そのー……今、担当の者を呼んでまいりますので、そちらでお待ちください」
早口で言うと、逃げるように行ってしまう。
「ミカ、大丈夫かなあ……昨日帰るときは結構元気そうだったのに」
何となく落ち着かない気持ちになりながら、あたしは長椅子に腰掛けた。
待合室の壁にかかった時計は夕方の四時を指している。学校が終わってすぐにミカの様子を見に来たから、あたしは制服のままだった。
スマホが鳴った。開くと朱虎からのメッセージだ。
《今日は部活動は休みでしょう。どこにいるんですか、迎えに行きます》
「何で部活休みだって知ってんの……」
朝のイライラが蘇ってくる。
駄目だ、今は朱虎の顔見たくない。
《友達と遊んで帰るから迎えはいらない》
《友達いたんですか》
思わずスマホをぶん投げたくなるのを我慢して、スマホの電源を切って鞄に突っ込む。
「いないよ! 悪かったな、バカ!」
「コラ。病院内ではお静かに」
誰もいないと思って叫んだのに、すぐ近くで声がした。慌てて振り返ると、白衣に銀の眼鏡をかけたお医者さんっぽい人が立っていた。かなり大きくて、思わず見上げてしまう。
胸には「一柳」と書いてあるネームプレートが付いていた。
「あっ、すみませんっ」
「いーえ。早瀬巳影くんの身内の方?」
「は、はい」
「さっきも説明したんだけどねえ。ま、いいけど」
お医者さんはさっさと踵を返した。そのまま大股で歩いていってしまう。
「え? あ、ついてこいってこと?」
あたしは一拍遅れて、慌てて追いかけた。
てっきりどこかの会議室にでも行くのかと思ったのに、お医者さんは何故か屋上へと向かった。『関係者以外立ち入り禁止』と書かれたドアをくぐると、コンクリート打ちっぱなしのだだっ広い空間には何もなくて、青空が広がっている。
お医者さんは隅にぽつんと置かれたベンチに腰掛け、煙草を咥えて火をつけた。
「……あ、あのー」
ぷかー、と煙を吐くお医者さんに、あたしはこわごわ声をかけた。
「んあ? ……あ、ゴメン。どーしても一服したくて」
お医者さんはがしがしと頭をかくと、「座ったら?」と言った。
何だこの人……?
全体的に、ものすごくいい加減な雰囲気がすごい。白衣もくしゃっとしてるし、髪も寝癖がついてる。
しかもよく見たらこのお医者さん、耳に赤いピアスしてる! え、アリなの?
これ、着いてきて良かったんだろうか。
あたしは鞄をしっかり前抱きにして、そろそろとベンチの端っこに座った。
「……」
「……」
そのまま無言の時間が流れた。煙がぷかぷかと漂って、青空に溶けていく……。
「って、説明は!?」
「昨日から寝てない」
「へっ」
予想外の言葉が唐突に飛び出して、あたしは瞬いた。
「それだけじゃない。飯食ったのも、昨日の昼が最後だったかな。まー飯はいいや、とにかく今は眠い」
お医者さんはあくびすると、がしがしと頭をかいた。
「い……忙しかったんですか」
「そう。急患が立て続けに来てね、僕はインターンだからこき使われてんの」
インターンって何だろ?
「お、お疲れ様です」
「病院なんてそんなもんだよ。人の命にかかわるからね。……だから、ヤクザの面倒までいちいち見てられないんだ」
「えっ」
突然放り込まれた言葉に、ドキリとした。
「早瀬巳影が転院したのは、身体的な問題じゃなくヤクザの関係者だから。うちでは受け入れできないので、それ関連の病院に移ってもらった。以上」
お医者さんはため息をつくと煙草をねじり消した。
一瞬呆気に取られたけど、じわじわと言葉の意味が頭に沁みてくる。
そうか、身元引受人を朱虎にしてたから……ミカも雲竜組だと思われたのか。
「そ、そうですか。それはどうも……」
「これ説明するの三度目なんだけどね。身元引受人のお兄さんに電話で話したのに、さっきやたら綺麗な顔した男の人が来て」
やたら綺麗な顔……獅子神さんだろうか。
「で、次は君だ。何度も同じこと聞きに来るって、プレッシャーでもかけてるの?」
何だかすごく嫌味な言い方だ。
カチンと来て、あたしはお医者さんを睨んだ。
「そんなことしません!」
「あっそ。でもこっちはスタッフが怯えちゃっていい迷惑なんだよ。少しはわきまえて欲しいもんだ」
「そっ……」
つい言い返しかけた言葉を、あたしは飲み込んだ。
おじいちゃんがよく言ってる。「ヤクザってな結局外道なんだ。カタギにゃ必要以上の迷惑かけちゃいけねえ」って。
そんなつもりなかったけど、あたしがうろうろすることで病院の人が怯えちゃうのは、「必要以上の迷惑」だ。
大きく深呼吸する。ざわざわしている気持ちを何とか押し込めて、あたしは立ち上がった。
「……ごめんなさい」
頭を下げたあたしに、お医者さんがぴくりと眉を上げる。
「プレッシャーをかけたいとか、そんなつもりは本当にないです。ナースさんにも、怖い思いさせてごめんなさいって伝えてください。あと、ミカを助けてくれてありがとうございました。失礼します」
早口で言うと、あたしはお医者さんの反応を見ずに背を向けて歩き出した。
とにかくさっさとその場から立ち去りたかった。
ていうか、朱虎は転院したこと知ってたんじゃないの? 教えてくれればよかったのに。
「あ、ちょっと……」
待てよ、そういえば朝、ミカがどうとか言ってたな。それってもしかして転院のこと?
腹が立ちすぎて全然聞いてなかった。
「ちょっと待って、君」
あれ? そういえば、ミカが移った病院ってどこ?
それだけは聞いておかなきゃ。
「ちょっと」
「すみません、転院先――」
振り向いたあたしに、いつの間にかすぐ後ろに来ていたお医者さんが突っ込んだ。
「うわっ!」
「きゃあっ!?」
突き飛ばされた格好になって、後ろへバランスを崩す。
ヤバい、この姿勢でこけたら頭打つ――!
思わずぎゅっと目を閉じた瞬間、ぐいっと引っ張られた。ぼすっ、と顔面が柔らかいものに当たる。
「っと、危ない」
あたしはお医者さんに抱きしめられる格好になっていた。
「ふわ! す、すみません」
「いや、僕が悪かった。大丈夫?」
声は直に耳に響いた。身長差のせいで、ちょうど胸のあたりに顔をうずめる格好になっている。
朱虎に抱きしめられたときと同じくらいだ。
このお医者さん、朱虎と同じくらい大きいんだ。でも、朱虎と違ってこの人からは消毒薬の匂いがする。
「あ、あの、大丈夫です」
あたしはぎくしゃくと顔を上げた。
「助けてくれてありがとうございます」
「いや……ん?」
お医者さんがふと怪訝そうな顔になった。あたしの顔を覗き込む。
「何か君、見覚えが……」
「え?」
「あ! そうだ、お見合いしてたお嬢様!」
「……はい?」
思わずぽかんとしたあたしの前で、お医者さんは眼鏡を取って髪をかきあげてみせた。
「分かんないかな。この前、バーで会ったろ」
「ば、バー……?」
「君は知らないうちにアルコールを飲まされそうになってた」
赤いピアスがきらりと光って、あたしはハッとした。
「あっ……あの時助けてくれたバーテンさん!?」
「おっと。バーのバイトは内緒なんだ」
唇に指をあてて、お医者さんはニヤリと笑った。
病院の受付で、あたしは間抜けな声を上げた。
「はい。早瀬巳影さんは、今朝転院されました」
「えっ、何でですか? もしかして、急に具合が悪くなったとか!?」
思わず身を乗り出して聞くと、事務の人は困ったような顔になってそわそわし始めた。
「あ、いえ、そのー……今、担当の者を呼んでまいりますので、そちらでお待ちください」
早口で言うと、逃げるように行ってしまう。
「ミカ、大丈夫かなあ……昨日帰るときは結構元気そうだったのに」
何となく落ち着かない気持ちになりながら、あたしは長椅子に腰掛けた。
待合室の壁にかかった時計は夕方の四時を指している。学校が終わってすぐにミカの様子を見に来たから、あたしは制服のままだった。
スマホが鳴った。開くと朱虎からのメッセージだ。
《今日は部活動は休みでしょう。どこにいるんですか、迎えに行きます》
「何で部活休みだって知ってんの……」
朝のイライラが蘇ってくる。
駄目だ、今は朱虎の顔見たくない。
《友達と遊んで帰るから迎えはいらない》
《友達いたんですか》
思わずスマホをぶん投げたくなるのを我慢して、スマホの電源を切って鞄に突っ込む。
「いないよ! 悪かったな、バカ!」
「コラ。病院内ではお静かに」
誰もいないと思って叫んだのに、すぐ近くで声がした。慌てて振り返ると、白衣に銀の眼鏡をかけたお医者さんっぽい人が立っていた。かなり大きくて、思わず見上げてしまう。
胸には「一柳」と書いてあるネームプレートが付いていた。
「あっ、すみませんっ」
「いーえ。早瀬巳影くんの身内の方?」
「は、はい」
「さっきも説明したんだけどねえ。ま、いいけど」
お医者さんはさっさと踵を返した。そのまま大股で歩いていってしまう。
「え? あ、ついてこいってこと?」
あたしは一拍遅れて、慌てて追いかけた。
てっきりどこかの会議室にでも行くのかと思ったのに、お医者さんは何故か屋上へと向かった。『関係者以外立ち入り禁止』と書かれたドアをくぐると、コンクリート打ちっぱなしのだだっ広い空間には何もなくて、青空が広がっている。
お医者さんは隅にぽつんと置かれたベンチに腰掛け、煙草を咥えて火をつけた。
「……あ、あのー」
ぷかー、と煙を吐くお医者さんに、あたしはこわごわ声をかけた。
「んあ? ……あ、ゴメン。どーしても一服したくて」
お医者さんはがしがしと頭をかくと、「座ったら?」と言った。
何だこの人……?
全体的に、ものすごくいい加減な雰囲気がすごい。白衣もくしゃっとしてるし、髪も寝癖がついてる。
しかもよく見たらこのお医者さん、耳に赤いピアスしてる! え、アリなの?
これ、着いてきて良かったんだろうか。
あたしは鞄をしっかり前抱きにして、そろそろとベンチの端っこに座った。
「……」
「……」
そのまま無言の時間が流れた。煙がぷかぷかと漂って、青空に溶けていく……。
「って、説明は!?」
「昨日から寝てない」
「へっ」
予想外の言葉が唐突に飛び出して、あたしは瞬いた。
「それだけじゃない。飯食ったのも、昨日の昼が最後だったかな。まー飯はいいや、とにかく今は眠い」
お医者さんはあくびすると、がしがしと頭をかいた。
「い……忙しかったんですか」
「そう。急患が立て続けに来てね、僕はインターンだからこき使われてんの」
インターンって何だろ?
「お、お疲れ様です」
「病院なんてそんなもんだよ。人の命にかかわるからね。……だから、ヤクザの面倒までいちいち見てられないんだ」
「えっ」
突然放り込まれた言葉に、ドキリとした。
「早瀬巳影が転院したのは、身体的な問題じゃなくヤクザの関係者だから。うちでは受け入れできないので、それ関連の病院に移ってもらった。以上」
お医者さんはため息をつくと煙草をねじり消した。
一瞬呆気に取られたけど、じわじわと言葉の意味が頭に沁みてくる。
そうか、身元引受人を朱虎にしてたから……ミカも雲竜組だと思われたのか。
「そ、そうですか。それはどうも……」
「これ説明するの三度目なんだけどね。身元引受人のお兄さんに電話で話したのに、さっきやたら綺麗な顔した男の人が来て」
やたら綺麗な顔……獅子神さんだろうか。
「で、次は君だ。何度も同じこと聞きに来るって、プレッシャーでもかけてるの?」
何だかすごく嫌味な言い方だ。
カチンと来て、あたしはお医者さんを睨んだ。
「そんなことしません!」
「あっそ。でもこっちはスタッフが怯えちゃっていい迷惑なんだよ。少しはわきまえて欲しいもんだ」
「そっ……」
つい言い返しかけた言葉を、あたしは飲み込んだ。
おじいちゃんがよく言ってる。「ヤクザってな結局外道なんだ。カタギにゃ必要以上の迷惑かけちゃいけねえ」って。
そんなつもりなかったけど、あたしがうろうろすることで病院の人が怯えちゃうのは、「必要以上の迷惑」だ。
大きく深呼吸する。ざわざわしている気持ちを何とか押し込めて、あたしは立ち上がった。
「……ごめんなさい」
頭を下げたあたしに、お医者さんがぴくりと眉を上げる。
「プレッシャーをかけたいとか、そんなつもりは本当にないです。ナースさんにも、怖い思いさせてごめんなさいって伝えてください。あと、ミカを助けてくれてありがとうございました。失礼します」
早口で言うと、あたしはお医者さんの反応を見ずに背を向けて歩き出した。
とにかくさっさとその場から立ち去りたかった。
ていうか、朱虎は転院したこと知ってたんじゃないの? 教えてくれればよかったのに。
「あ、ちょっと……」
待てよ、そういえば朝、ミカがどうとか言ってたな。それってもしかして転院のこと?
腹が立ちすぎて全然聞いてなかった。
「ちょっと待って、君」
あれ? そういえば、ミカが移った病院ってどこ?
それだけは聞いておかなきゃ。
「ちょっと」
「すみません、転院先――」
振り向いたあたしに、いつの間にかすぐ後ろに来ていたお医者さんが突っ込んだ。
「うわっ!」
「きゃあっ!?」
突き飛ばされた格好になって、後ろへバランスを崩す。
ヤバい、この姿勢でこけたら頭打つ――!
思わずぎゅっと目を閉じた瞬間、ぐいっと引っ張られた。ぼすっ、と顔面が柔らかいものに当たる。
「っと、危ない」
あたしはお医者さんに抱きしめられる格好になっていた。
「ふわ! す、すみません」
「いや、僕が悪かった。大丈夫?」
声は直に耳に響いた。身長差のせいで、ちょうど胸のあたりに顔をうずめる格好になっている。
朱虎に抱きしめられたときと同じくらいだ。
このお医者さん、朱虎と同じくらい大きいんだ。でも、朱虎と違ってこの人からは消毒薬の匂いがする。
「あ、あの、大丈夫です」
あたしはぎくしゃくと顔を上げた。
「助けてくれてありがとうございます」
「いや……ん?」
お医者さんがふと怪訝そうな顔になった。あたしの顔を覗き込む。
「何か君、見覚えが……」
「え?」
「あ! そうだ、お見合いしてたお嬢様!」
「……はい?」
思わずぽかんとしたあたしの前で、お医者さんは眼鏡を取って髪をかきあげてみせた。
「分かんないかな。この前、バーで会ったろ」
「ば、バー……?」
「君は知らないうちにアルコールを飲まされそうになってた」
赤いピアスがきらりと光って、あたしはハッとした。
「あっ……あの時助けてくれたバーテンさん!?」
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唇に指をあてて、お医者さんはニヤリと笑った。
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