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29. ゴムボールとか、トラックとか
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「……は!? う、うちに……入りたい?」
あたしはよほど驚いた顔をしていたのだろう。ミカが慌てたような顔になる。
「や、その、下っ端でいいんだ! 使いッパっつーか……」
「あんた、自分が何言ってるか分かってんの?」
あたしは腰に手を当てるとミカの顔を覗き込んだ。
「あのねえ、ヤクザってのは遊びじゃないんだよ。あんただって『関わってられない、ヤバすぎる』って言ってたでしょ」
「言ったよ、言ったけど……」
「田舎のじーちゃんにぶん殴られるくらいじゃすまないよ。農家やってるんでしょ、実家」
「実家はいいんだ。どうせ二度と帰ってくんなって勘当されてるし」
「勘当? あ、もしかしてあんた、ねぐらがないからうちに転がり込もうとかじゃないでしょうね」
あたしが睨むと、ミカはぶんぶんと首を振った。
「違ぇよ! や、確かに家はねえけど……そうじゃなくて、俺は」
「俺は?」
ミカは口をもごもごさせて、思い切ったようにあたしを見つめた。
「俺、あんたのこと――はぶっ!?」
「きゃっ!?」
突然、ミカの横っ面に横合いから飛んできた白いものが直撃した。
のけぞったミカの横で小気味いい音を立てて弾んだのはゴムボールだ。どうやら、近くでボール遊びをしていた誰かが手を滑らせたらしい。
「ちょっと、大丈夫?」
「あ、ああ……びっくりしただけだ、大したことねえ」
ミカが頬をさすりながらボールを掴み上げたところへ小さな男の子が走り寄ってきた。怯えた様子で、もじもじとミカとボールを交互に見ている。
「お前のボールか」
ミカが話しかけると、男の子は小さく頷いた。
「返して欲しきゃ言うことがあるだろ。なんて言うんだ?」
「……ごめんなさい」
「よーし、偉い。気をつけろよ」
ミカがボールを差し出すと、男の子の顔がパッと輝いた。小さな手を伸ばした時、離れたところに居たママさんらしき人が慌てて駆け寄ってきた。
「ちょっと、うちの子に何するんですか! やめてください、警察呼びますよ!」
早口でまくし立てると、さっとミカの手からボールを奪い取り、子どもを引きずるようにして離れていく。
「なっ……何あれ! こっちはボールぶつけられたってのに、見てなかったの!?」
他のママさんたちがひそひそ話しながら、こっちをチラチラと刺すような目で伺ってくる。
「あたし、ひとこと言ってくる!」
「いいって」
イラっとして立ち上がったあたしをミカは意外なくらい穏やかに止めた。
「でも、今の酷くない!?」
「俺みたいなヤンキーがガキに話しかけてちゃ、フツーに警戒するって」
ははは、と笑うミカは本当に全然気にしてない感じだ。
「でもさ……」
「それより、あのボールちょっと弾みすぎじゃねえかな。すぐそこの道路、結構トラックとか飛ばしてくるし、危ねえよなあ」
しかも子供の心配までしてる。
やっぱりこいつ、結構いい奴……というか、お人好しだ。
「あのさ、ミカ。あんた……」
「志麻さん」
ふいに澄んだ声がかけられた。こっちを伺っていたママさんたちが驚いたような顔になって、一斉にそわそわし始める。
いつの間にか、獅子神さんが後ろに立っていた。今日も隙のない完璧な美形っぷりだ。
「待ち合わせ場所に居なかったので……おや、君は」
切れ長の目を向けられて、ミカはぎくりとした顔になった。
「し、獅子神さん? えっ、待ち合わせ相手って」
「ごめんミカ、あたし行かなきゃ。助けてくれてありがと」
「あ……お、おう」
完全に勢いを飲まれて委縮した感じのミカに手を振ると、あたしは歩き出した。獅子神さんがさり気なくエスコートしてくれる。
「彼は確かアツシくんのご友人ですね。何故ここに?」
「あ、偶然会ったんです。あたしがさっき、熱中症起こしてたところに居合わせて、介抱してもらってて……それで、待ち合わせに遅れちゃってすみません」
獅子神さんは軽く眉を寄せた。
「それは構いませんが、体調はいかがですか? どこかで休みますか」
「あ、もう大丈夫です! スポーツドリンク貰ったし……って、あ」
そう言えば、ミカが何か言いかけてる途中だったっけ。
今は話を聞いている暇はないから、連絡先を教えておいてあとで改めて聞こう。
「すみません、獅子神さん。もう少しだけ待ってもらっていいですか」
「構いませんよ」
獅子神さんが頷いてくれたので、あたしはミカを振り返った。
「ミカ、あたしの連絡先……」
ベンチに座ったままのミカは、こちらを見て――はいなかった。どこかあらぬ方向へ気を取られているようで、やたらと真剣な顔になっている。
「あれ? 何見て……」
次の瞬間、ミカは弾かれたように飛び上がって駆け出した。
「バカ、危ねえっ!!」
ぎょっとしてミカの駆けていく方向に目をやったあたしは、見た。
さっきの男の子が、跳ねていくボールを追いかけて公園から走り出ていくのを。道路には大型のトラックがぐんぐん迫っていて、道の真ん中で驚いて立ち止まった男の子へミカが思いっきり手を伸ばして――
「……ミカッ!!」
衝撃音と急ブレーキの音、けたたましいクラクションが鳴り響いた。
誰かの悲鳴と泣き声が騒音に合わさって膨れ上がる。
白いボールがとん、とん、と転がって、腰を抜かして座り込んだ男の子の足に当たった。
あらぬ方向を向いて止まったトラックの前にはミカが倒れていた。
「うそ――やだ!!」
あたしはミカに駆け寄った。呼び掛けても、ミカはうつぶせでぴくりともしない。うつぶせになった頭の下に、じわじわと血だまりが広がっていく。
「やだ、しっかりしてミカ……!」
「触らないで!」
手を伸ばした時、鋭い声が飛んだ。スマホを片手に持った獅子神さんが歩み寄ってきた。
「おそらく頭を打っています、下手に動かさない方がいい」
「えっ……は、はい」
「今、警察と救急車を呼びました。彼は私が診ますから、志麻さんはそちらの男の子の怪我の具合を見てください」
獅子神さんはミカの傍に膝をつくと、高そうなスーツの上着をためらいなく脱いでかけた。テキパキと応急処置を行っていく手つきは迷いがなくスムーズだ。
「あっ、そうだ、子ども……」
「まーくんっ!」
振り向いたあたしを突き飛ばすようにして、さっきのママさんが子どもに駆け寄った。
「まーくん、しっかりして! 怪我はない!?」
「大丈夫ですか?」
近寄って声をかけると、子どもを抱きしめたママさんがきっとこっちを睨んできた。
「危ないところでしたよ、その子……」
「何てことしてくれたのよ! 絶対に許さないからっ!」
「――えっ?」
あたしはよほど驚いた顔をしていたのだろう。ミカが慌てたような顔になる。
「や、その、下っ端でいいんだ! 使いッパっつーか……」
「あんた、自分が何言ってるか分かってんの?」
あたしは腰に手を当てるとミカの顔を覗き込んだ。
「あのねえ、ヤクザってのは遊びじゃないんだよ。あんただって『関わってられない、ヤバすぎる』って言ってたでしょ」
「言ったよ、言ったけど……」
「田舎のじーちゃんにぶん殴られるくらいじゃすまないよ。農家やってるんでしょ、実家」
「実家はいいんだ。どうせ二度と帰ってくんなって勘当されてるし」
「勘当? あ、もしかしてあんた、ねぐらがないからうちに転がり込もうとかじゃないでしょうね」
あたしが睨むと、ミカはぶんぶんと首を振った。
「違ぇよ! や、確かに家はねえけど……そうじゃなくて、俺は」
「俺は?」
ミカは口をもごもごさせて、思い切ったようにあたしを見つめた。
「俺、あんたのこと――はぶっ!?」
「きゃっ!?」
突然、ミカの横っ面に横合いから飛んできた白いものが直撃した。
のけぞったミカの横で小気味いい音を立てて弾んだのはゴムボールだ。どうやら、近くでボール遊びをしていた誰かが手を滑らせたらしい。
「ちょっと、大丈夫?」
「あ、ああ……びっくりしただけだ、大したことねえ」
ミカが頬をさすりながらボールを掴み上げたところへ小さな男の子が走り寄ってきた。怯えた様子で、もじもじとミカとボールを交互に見ている。
「お前のボールか」
ミカが話しかけると、男の子は小さく頷いた。
「返して欲しきゃ言うことがあるだろ。なんて言うんだ?」
「……ごめんなさい」
「よーし、偉い。気をつけろよ」
ミカがボールを差し出すと、男の子の顔がパッと輝いた。小さな手を伸ばした時、離れたところに居たママさんらしき人が慌てて駆け寄ってきた。
「ちょっと、うちの子に何するんですか! やめてください、警察呼びますよ!」
早口でまくし立てると、さっとミカの手からボールを奪い取り、子どもを引きずるようにして離れていく。
「なっ……何あれ! こっちはボールぶつけられたってのに、見てなかったの!?」
他のママさんたちがひそひそ話しながら、こっちをチラチラと刺すような目で伺ってくる。
「あたし、ひとこと言ってくる!」
「いいって」
イラっとして立ち上がったあたしをミカは意外なくらい穏やかに止めた。
「でも、今の酷くない!?」
「俺みたいなヤンキーがガキに話しかけてちゃ、フツーに警戒するって」
ははは、と笑うミカは本当に全然気にしてない感じだ。
「でもさ……」
「それより、あのボールちょっと弾みすぎじゃねえかな。すぐそこの道路、結構トラックとか飛ばしてくるし、危ねえよなあ」
しかも子供の心配までしてる。
やっぱりこいつ、結構いい奴……というか、お人好しだ。
「あのさ、ミカ。あんた……」
「志麻さん」
ふいに澄んだ声がかけられた。こっちを伺っていたママさんたちが驚いたような顔になって、一斉にそわそわし始める。
いつの間にか、獅子神さんが後ろに立っていた。今日も隙のない完璧な美形っぷりだ。
「待ち合わせ場所に居なかったので……おや、君は」
切れ長の目を向けられて、ミカはぎくりとした顔になった。
「し、獅子神さん? えっ、待ち合わせ相手って」
「ごめんミカ、あたし行かなきゃ。助けてくれてありがと」
「あ……お、おう」
完全に勢いを飲まれて委縮した感じのミカに手を振ると、あたしは歩き出した。獅子神さんがさり気なくエスコートしてくれる。
「彼は確かアツシくんのご友人ですね。何故ここに?」
「あ、偶然会ったんです。あたしがさっき、熱中症起こしてたところに居合わせて、介抱してもらってて……それで、待ち合わせに遅れちゃってすみません」
獅子神さんは軽く眉を寄せた。
「それは構いませんが、体調はいかがですか? どこかで休みますか」
「あ、もう大丈夫です! スポーツドリンク貰ったし……って、あ」
そう言えば、ミカが何か言いかけてる途中だったっけ。
今は話を聞いている暇はないから、連絡先を教えておいてあとで改めて聞こう。
「すみません、獅子神さん。もう少しだけ待ってもらっていいですか」
「構いませんよ」
獅子神さんが頷いてくれたので、あたしはミカを振り返った。
「ミカ、あたしの連絡先……」
ベンチに座ったままのミカは、こちらを見て――はいなかった。どこかあらぬ方向へ気を取られているようで、やたらと真剣な顔になっている。
「あれ? 何見て……」
次の瞬間、ミカは弾かれたように飛び上がって駆け出した。
「バカ、危ねえっ!!」
ぎょっとしてミカの駆けていく方向に目をやったあたしは、見た。
さっきの男の子が、跳ねていくボールを追いかけて公園から走り出ていくのを。道路には大型のトラックがぐんぐん迫っていて、道の真ん中で驚いて立ち止まった男の子へミカが思いっきり手を伸ばして――
「……ミカッ!!」
衝撃音と急ブレーキの音、けたたましいクラクションが鳴り響いた。
誰かの悲鳴と泣き声が騒音に合わさって膨れ上がる。
白いボールがとん、とん、と転がって、腰を抜かして座り込んだ男の子の足に当たった。
あらぬ方向を向いて止まったトラックの前にはミカが倒れていた。
「うそ――やだ!!」
あたしはミカに駆け寄った。呼び掛けても、ミカはうつぶせでぴくりともしない。うつぶせになった頭の下に、じわじわと血だまりが広がっていく。
「やだ、しっかりしてミカ……!」
「触らないで!」
手を伸ばした時、鋭い声が飛んだ。スマホを片手に持った獅子神さんが歩み寄ってきた。
「おそらく頭を打っています、下手に動かさない方がいい」
「えっ……は、はい」
「今、警察と救急車を呼びました。彼は私が診ますから、志麻さんはそちらの男の子の怪我の具合を見てください」
獅子神さんはミカの傍に膝をつくと、高そうなスーツの上着をためらいなく脱いでかけた。テキパキと応急処置を行っていく手つきは迷いがなくスムーズだ。
「あっ、そうだ、子ども……」
「まーくんっ!」
振り向いたあたしを突き飛ばすようにして、さっきのママさんが子どもに駆け寄った。
「まーくん、しっかりして! 怪我はない!?」
「大丈夫ですか?」
近寄って声をかけると、子どもを抱きしめたママさんがきっとこっちを睨んできた。
「危ないところでしたよ、その子……」
「何てことしてくれたのよ! 絶対に許さないからっ!」
「――えっ?」
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