30 / 111
28. 秘密のバイトとか大事な話とか
しおりを挟む
「……突然のご連絡失礼します、風間さん」
『お、まさかの本人。朱虎サンから電話来るなんてビビったわ、どーしました~……ふわあ』
「昨晩は随分遅くまでお嬢の相手をしていただいたようで、ご迷惑をおかけいたしましたね」
『うはは、やっぱ把握してんだ。や~色々聞かせてもらったわ水ぶちまけ事件とか。苦労しますね~、朱虎サンも』
「おかげさまで。……ところで風間さん。ちょっと、アルバイトしませんか?」
『ぶっ、怖え! ヤクザにもちかけられるアルバイトってマジヤバそうなんすけど!?』
「割りはいいと思いますよ」
『ますますヤバげ! でも超気になるわ、どんなバイトっすか』
「今日一日、お嬢を見張って欲しいんです」
『ぶふっ、それマジで言ってんすか、ちょ、待ってくださいぶはははっ、ヤベウケる』
「大マジです。もちろん、お嬢本人には見つからないように。得意でしょう」
『まーね、得意っつか志麻センパイって注意力がミジンコだから目の前に居ても見つからねーと思うけど。つか、今日ってアレっしょ、水ぶちまけたヤクザと見合いやり直してるんでしょ』
「よくご存じで」
『その見合いを見張れってこと?』
「ええ。お嬢のことですから、また先方に失礼なことをするのではないかと心配なんですよ。ですから何か不穏な動きがあったら、すぐに自分に知らせて欲しいんです」
『え、それ俺必要なん? 朱虎サン、志麻センパイに仕掛けてるっしょGPSと盗聴器』
「目敏いですね。部室のジャマーは風間さんの仕業ですか」
『あれは円滑な部活動の運営のため部長命令で設置したんですヨ~、悪く思わないでね』
「別に構いませんよ、お嬢の居場所を把握するためのものですから」
『それ盗聴器の方は必要なくね?』
「そのジャマーを、どうやら先方も携帯なさっているようなんですよ」
『スルーかよ! って、マジで?』
「そのおかげで、こちらからはお嬢の動向も居場所も把握できません。ですので、風間さんに直接見張っていただきたい」
『まー、朱虎サンが直接見張るのは目立ちまくるもんな。分かるわ。つか、ジャマー持ち歩くってスゲー用心深いんだな、相手。獅子神蓮司って言ったっけ、どんな奴なん?』
「東雲会の若頭補佐です。組に入って僅か一年半ほどで頭角を現して今の地位に上ってきた実力者です」
『ひえー、おっかねえの』
「穏やかで理性的な方ですよ。お嬢の非礼も許してくださいましたしね」
『フーン。でも、朱虎サンはわざわざ俺に連絡してくるほど何かを気にしてんだろ。志麻センパイが失礼なことするかも……って心配だけじゃねえっしょ』
「……」
『何がヤベーの? ぶっちゃけトーク頼むわ』
「……風間さん、この世界はメンツが何より大事なんですよ」
『うん?』
「女に、しかも高校生のガキに人前で水をぶっかけられりゃ、形だけでも何らかの落とし前を取らせなきゃいけねえ。……それなのに獅子神はお嬢をあっさり許しちまった」
『懐が深いんじゃね?』
「懐が深いを通り越して腰抜けと言われますよ。下手すりゃ東雲会が雲竜組に弱みでも握られてるのかと勘繰られるほどです」
『組同士の力関係まで影響出るわけね。でもさ、もしかしてその獅子神さんが志麻センパイに一目惚れしたとか』
「あり得ません」
『即答ウケんだけど』
「何を考えているのか知りませんが、どうもきな臭い。……いけすかねえ野郎ですよ」
『なーる。マジでぶっちゃけてくれたね~、聞いといてなんだけど俺にそこまで話してくれていいわけ?』
「とぼけなさんな。あんた、全くの素人じゃねえでしょう」
『うはははは! ま、当然俺の家のことも調べてるよね~』
「で、引き受けてくださいますか」
『いーよ。つか、既に見合い場所に向かってたり』
「話が早いですね」
『志麻センパイが昨日ポロッともらしてくれちゃったからさあ』
「……。では、バイト代ですが」
『あー金はいいわ。こないだタクシー代メチャ貰ったし。そんかわり、も一個だけ俺の質問に本音で答えてくれる?』
「何でしょう」
『志麻センパイじゃ勃たないってマジなん?』
〇●〇
「俺、あんたに謝りたかったんだ」
あたしとミカは美術館前の公園のベンチに座っていた。広い公園では子供たちが沢山遊んでいて、ママさんたちがそれを見守りながら和気あいあいと話している。ホームビデオでも撮ってるのかハンディカメラを構えているパパさんや、のんびりと絵を描いている人なんかもいて、いかにも平和な休日って感じだ。
あたしの手には二本目のスポーツドリンクがあった。ミカが買ってきてくれたものだ。
見た目は金髪に鼻ピアスでいかにも悪そうな奴なんだけど、やっぱりこいつって結構いい奴だ。
「謝るって何を?」
「色々……拉致ったこととか。スタンガン痛かったろ」
近くで談笑していたママさんたちがぎょっとした顔でこっちをチラ見して、すすっと距離を取った。
「ちょっ……不穏な単語出さないでよ! いいよもう、気にしてないし。あんた、あたし達を助けてくれようとしたじゃない」
「助けられなかったけどな、ボコられただけだし。ほんとダセェわ、俺」
ミカは苦笑いした。いかつい外見だけど、笑うと結構可愛い顔になる。
「何日か雲竜組の近くをうろうろしてたんだ。したら、偶然あんたが歩ってるのを見かけてさ。ワリー、後、つけてきた」
「えっ、全然気が付かなかった。もっと早く声かけてくれたら良かったのに」
「いや……実は、何度か声かけたんだけど、あんた気づいてくれなかったんだよ」
「え! ……ごめん」
そういえば何度か声が聞こえたような気もする。寝不足でボーっとしてたせいでスルーしてた。
「や、俺もなんかビビッて声小っちゃかったし。……したら、目の前であんたがフラフラし始めてぶっ倒れかけたからさ」
熱中症は寝不足で空腹、汗をかきすぎて水分不足で長時間直射日光を浴び続けるとなりやすいらしい。完全にフルコンボだった。
「俺、実家が農家だったからよ。農作業してるとたまにぶっ倒れるから、処置とか慣れてんだ」
「そうなんだ。ありがとう、ほんとに助かった」
「別に……あ、やべ」
頭を下げると、ミカは慌てて目をそらした。
「あ~、さっき、介抱するときに、服少し触ったんだ」
「うん、ベルトゆるめてくれたよね。すごく楽になったよ」
「いや、ベルトだけじゃなくて、胸のとこのボタンも外したんだけど」
「えっ」
「その……下着見えてる」
見ると、シャツワンピがわりと際どいとこまで開けられていた。
「ちょっ……は、早く言ってよ!?」
「いや、ちょっとしか見てねーから! てかあんた、見かけによらず結構胸でかいな……おごっ」
あたしの拳がわき腹にめり込み、ミカは体をくの字に折った。
「しっかり見てんじゃん! しかも見かけによらずって何気に失礼過ぎない!?」
「うぐぐ……いやごめん、ほんとごめんなさい!」
さっきまでの感謝の気持ちが吹っ飛ぶのを感じつつ、あたしは慌てて服を直した。
ついでに時計を見ると、もう待ち合わせ時間ギリギリだ。
「あたし、そろそろ行かないと。じゃあね、ミカ」
「あ、ちょっと……!」
立ち上がろうとした時、突然ミカがあたしの手を掴んだ。
「あ、あのよ! あんたにもう一つ話があって」
「あたし、人と待ち合わせしてるんだけど」
「大事な話なんだ」
やたら真剣なまなざしに、あたしは首を傾げた。
「何?」
ミカは少しためらってから、思い切ったように口を開いた。
「あ、あのさ! 俺……雲竜組に入れてもらえねーかな?」
『お、まさかの本人。朱虎サンから電話来るなんてビビったわ、どーしました~……ふわあ』
「昨晩は随分遅くまでお嬢の相手をしていただいたようで、ご迷惑をおかけいたしましたね」
『うはは、やっぱ把握してんだ。や~色々聞かせてもらったわ水ぶちまけ事件とか。苦労しますね~、朱虎サンも』
「おかげさまで。……ところで風間さん。ちょっと、アルバイトしませんか?」
『ぶっ、怖え! ヤクザにもちかけられるアルバイトってマジヤバそうなんすけど!?』
「割りはいいと思いますよ」
『ますますヤバげ! でも超気になるわ、どんなバイトっすか』
「今日一日、お嬢を見張って欲しいんです」
『ぶふっ、それマジで言ってんすか、ちょ、待ってくださいぶはははっ、ヤベウケる』
「大マジです。もちろん、お嬢本人には見つからないように。得意でしょう」
『まーね、得意っつか志麻センパイって注意力がミジンコだから目の前に居ても見つからねーと思うけど。つか、今日ってアレっしょ、水ぶちまけたヤクザと見合いやり直してるんでしょ』
「よくご存じで」
『その見合いを見張れってこと?』
「ええ。お嬢のことですから、また先方に失礼なことをするのではないかと心配なんですよ。ですから何か不穏な動きがあったら、すぐに自分に知らせて欲しいんです」
『え、それ俺必要なん? 朱虎サン、志麻センパイに仕掛けてるっしょGPSと盗聴器』
「目敏いですね。部室のジャマーは風間さんの仕業ですか」
『あれは円滑な部活動の運営のため部長命令で設置したんですヨ~、悪く思わないでね』
「別に構いませんよ、お嬢の居場所を把握するためのものですから」
『それ盗聴器の方は必要なくね?』
「そのジャマーを、どうやら先方も携帯なさっているようなんですよ」
『スルーかよ! って、マジで?』
「そのおかげで、こちらからはお嬢の動向も居場所も把握できません。ですので、風間さんに直接見張っていただきたい」
『まー、朱虎サンが直接見張るのは目立ちまくるもんな。分かるわ。つか、ジャマー持ち歩くってスゲー用心深いんだな、相手。獅子神蓮司って言ったっけ、どんな奴なん?』
「東雲会の若頭補佐です。組に入って僅か一年半ほどで頭角を現して今の地位に上ってきた実力者です」
『ひえー、おっかねえの』
「穏やかで理性的な方ですよ。お嬢の非礼も許してくださいましたしね」
『フーン。でも、朱虎サンはわざわざ俺に連絡してくるほど何かを気にしてんだろ。志麻センパイが失礼なことするかも……って心配だけじゃねえっしょ』
「……」
『何がヤベーの? ぶっちゃけトーク頼むわ』
「……風間さん、この世界はメンツが何より大事なんですよ」
『うん?』
「女に、しかも高校生のガキに人前で水をぶっかけられりゃ、形だけでも何らかの落とし前を取らせなきゃいけねえ。……それなのに獅子神はお嬢をあっさり許しちまった」
『懐が深いんじゃね?』
「懐が深いを通り越して腰抜けと言われますよ。下手すりゃ東雲会が雲竜組に弱みでも握られてるのかと勘繰られるほどです」
『組同士の力関係まで影響出るわけね。でもさ、もしかしてその獅子神さんが志麻センパイに一目惚れしたとか』
「あり得ません」
『即答ウケんだけど』
「何を考えているのか知りませんが、どうもきな臭い。……いけすかねえ野郎ですよ」
『なーる。マジでぶっちゃけてくれたね~、聞いといてなんだけど俺にそこまで話してくれていいわけ?』
「とぼけなさんな。あんた、全くの素人じゃねえでしょう」
『うはははは! ま、当然俺の家のことも調べてるよね~』
「で、引き受けてくださいますか」
『いーよ。つか、既に見合い場所に向かってたり』
「話が早いですね」
『志麻センパイが昨日ポロッともらしてくれちゃったからさあ』
「……。では、バイト代ですが」
『あー金はいいわ。こないだタクシー代メチャ貰ったし。そんかわり、も一個だけ俺の質問に本音で答えてくれる?』
「何でしょう」
『志麻センパイじゃ勃たないってマジなん?』
〇●〇
「俺、あんたに謝りたかったんだ」
あたしとミカは美術館前の公園のベンチに座っていた。広い公園では子供たちが沢山遊んでいて、ママさんたちがそれを見守りながら和気あいあいと話している。ホームビデオでも撮ってるのかハンディカメラを構えているパパさんや、のんびりと絵を描いている人なんかもいて、いかにも平和な休日って感じだ。
あたしの手には二本目のスポーツドリンクがあった。ミカが買ってきてくれたものだ。
見た目は金髪に鼻ピアスでいかにも悪そうな奴なんだけど、やっぱりこいつって結構いい奴だ。
「謝るって何を?」
「色々……拉致ったこととか。スタンガン痛かったろ」
近くで談笑していたママさんたちがぎょっとした顔でこっちをチラ見して、すすっと距離を取った。
「ちょっ……不穏な単語出さないでよ! いいよもう、気にしてないし。あんた、あたし達を助けてくれようとしたじゃない」
「助けられなかったけどな、ボコられただけだし。ほんとダセェわ、俺」
ミカは苦笑いした。いかつい外見だけど、笑うと結構可愛い顔になる。
「何日か雲竜組の近くをうろうろしてたんだ。したら、偶然あんたが歩ってるのを見かけてさ。ワリー、後、つけてきた」
「えっ、全然気が付かなかった。もっと早く声かけてくれたら良かったのに」
「いや……実は、何度か声かけたんだけど、あんた気づいてくれなかったんだよ」
「え! ……ごめん」
そういえば何度か声が聞こえたような気もする。寝不足でボーっとしてたせいでスルーしてた。
「や、俺もなんかビビッて声小っちゃかったし。……したら、目の前であんたがフラフラし始めてぶっ倒れかけたからさ」
熱中症は寝不足で空腹、汗をかきすぎて水分不足で長時間直射日光を浴び続けるとなりやすいらしい。完全にフルコンボだった。
「俺、実家が農家だったからよ。農作業してるとたまにぶっ倒れるから、処置とか慣れてんだ」
「そうなんだ。ありがとう、ほんとに助かった」
「別に……あ、やべ」
頭を下げると、ミカは慌てて目をそらした。
「あ~、さっき、介抱するときに、服少し触ったんだ」
「うん、ベルトゆるめてくれたよね。すごく楽になったよ」
「いや、ベルトだけじゃなくて、胸のとこのボタンも外したんだけど」
「えっ」
「その……下着見えてる」
見ると、シャツワンピがわりと際どいとこまで開けられていた。
「ちょっ……は、早く言ってよ!?」
「いや、ちょっとしか見てねーから! てかあんた、見かけによらず結構胸でかいな……おごっ」
あたしの拳がわき腹にめり込み、ミカは体をくの字に折った。
「しっかり見てんじゃん! しかも見かけによらずって何気に失礼過ぎない!?」
「うぐぐ……いやごめん、ほんとごめんなさい!」
さっきまでの感謝の気持ちが吹っ飛ぶのを感じつつ、あたしは慌てて服を直した。
ついでに時計を見ると、もう待ち合わせ時間ギリギリだ。
「あたし、そろそろ行かないと。じゃあね、ミカ」
「あ、ちょっと……!」
立ち上がろうとした時、突然ミカがあたしの手を掴んだ。
「あ、あのよ! あんたにもう一つ話があって」
「あたし、人と待ち合わせしてるんだけど」
「大事な話なんだ」
やたら真剣なまなざしに、あたしは首を傾げた。
「何?」
ミカは少しためらってから、思い切ったように口を開いた。
「あ、あのさ! 俺……雲竜組に入れてもらえねーかな?」
0
お気に入りに追加
187
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

虚弱なヤクザの駆け込み寺
菅井群青
恋愛
突然ドアが開いたとおもったらヤクザが抱えられてやってきた。
「今すぐ立てるようにしろ、さもなければ──」
「脅してる場合ですか?」
ギックリ腰ばかりを繰り返すヤクザの組長と、治療の相性が良かったために気に入られ、ヤクザ御用達の鍼灸院と化してしまった院に軟禁されてしまった女の話。
※なろう、カクヨムでも投稿

お隣さんはヤのつくご職業
古亜
恋愛
佐伯梓は、日々平穏に過ごしてきたOL。
残業から帰り夜食のカップ麺を食べていたら、突然壁に穴が空いた。
元々薄い壁だと思ってたけど、まさか人が飛んでくるなんて……ん?そもそも人が飛んでくるっておかしくない?それにお隣さんの顔、初めて見ましたがだいぶ強面でいらっしゃいますね。
……え、ちゃんとしたもん食え?
ちょ、冷蔵庫漁らないでくださいっ!!
ちょっとアホな社畜OLがヤクザさんとご飯を食べるラブコメ
建築基準法と物理法則なんて知りません
登場人物や団体の名称や設定は作者が適当に生み出したものであり、現実に類似のものがあったとしても一切関係ありません。
2020/5/26 完結

働かなくていいなんて最高!貴族夫人の自由気ままな生活
ゆる
恋愛
前世では、仕事に追われる日々を送り、恋愛とは無縁のまま亡くなった私。
「今度こそ、のんびり優雅に暮らしたい!」
そう願って転生した先は、なんと貴族令嬢!
そして迎えた結婚式――そこで前世の記憶が蘇る。
「ちょっと待って、前世で恋人もできなかった私が結婚!?!??」
しかも相手は名門貴族の旦那様。
「君は何もしなくていい。すべて自由に過ごせばいい」と言われ、夢の“働かなくていい貴族夫人ライフ”を満喫するつもりだったのに――。
◆メイドの待遇改善を提案したら、旦那様が即採用!
◆夫の仕事を手伝ったら、持ち前の簿記と珠算スキルで屋敷の経理が超効率化!
◆商人たちに簿記を教えていたら、商業界で話題になりギルドの顧問に!?
「あれ? なんで私、働いてるの!?!??」
そんな中、旦那様から突然の告白――
「実は、君を妻にしたのは政略結婚のためではない。ずっと、君を想い続けていた」
えっ、旦那様、まさかの溺愛系でした!?
「自由を与えることでそばにいてもらう」つもりだった旦那様と、
「働かない貴族夫人」になりたかったはずの私。
お互いの本当の気持ちに気づいたとき、
気づけば 最強夫婦 になっていました――!
のんびり暮らすつもりが、商業界のキーパーソンになってしまった貴族夫人の、成長と溺愛の物語!

【完結】新皇帝の後宮に献上された姫は、皇帝の寵愛を望まない
ユユ
恋愛
周辺諸国19国を統べるエテルネル帝国の皇帝が崩御し、若い皇子が即位した2年前から従属国が次々と姫や公女、もしくは美女を献上している。
既に帝国の令嬢数人と従属国から18人が後宮で住んでいる。
未だ献上していなかったプロプル王国では、王女である私が仕方なく献上されることになった。
後宮の余った人気のない部屋に押し込まれ、選択を迫られた。
欲の無い王女と、女達の醜い争いに辟易した新皇帝の噛み合わない新生活が始まった。
* 作り話です
* そんなに長くしない予定です
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

Sランクの年下旦那様は如何でしょうか?
キミノ
恋愛
職場と自宅を往復するだけの枯れた生活を送っていた白石亜子(27)は、
帰宅途中に見知らぬイケメンの大谷匠に求婚される。
二日酔いで目覚めた亜子は、記憶の無いまま彼の妻になっていた。
彼は日本でもトップの大企業の御曹司で・・・。
無邪気に笑ったと思えば、大人の色気で翻弄してくる匠。戸惑いながらもお互いを知り、仲を深める日々を過ごしていた。
このまま、私は彼と生きていくんだ。
そう思っていた。
彼の心に住み付いて離れない存在を知るまでは。
「どうしようもなく好きだった人がいたんだ」
報われない想いを隠し切れない背中を見て、私はどうしたらいいの?
代わりでもいい。
それでも一緒にいられるなら。
そう思っていたけれど、そう思っていたかったけれど。
Sランクの年下旦那様に本気で愛されたいの。
―――――――――――――――
ページを捲ってみてください。
貴女の心にズンとくる重い愛を届けます。
【Sランクの男は如何でしょうか?】シリーズの匠編です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる