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11. シンデレラとか下心とか
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声はウエイターさんのものだった。まだ残っていたらしい。
「あ、はい……って、朱虎!?」
振り向いたあたしは死ぬほどびっくりした。そこにはウエイターの制服を着た朱虎が立っていたからだ。
「何でここに……って、あれ?」
いや、違う。別人だ。
身長や体つきは朱虎と同じくらいだけど、よく見ると髪の色も黒だ。顔は朱虎に負けないくらい整ってるけど、線が細くて穏やかな雰囲気だ。
「先ほどはお話の途中で遮ってしまいまして、失礼いたしました」
ウエイターさんは柔らかに微笑んだ。胸には『一柳』と書いた名札がつけられていて、耳には赤いピアスをしている。歳はよく分からないけど、今黒さんとおなじくらいだろうか。
「あ、いえいえ、全然! むしろ助かりました」
「それは良かった」
ウエイターさんがパチリとウインクした。
あれ? もしかして、さっきグラスを置いたタイミングって、わざと?
なんとなくどぎまぎしていると、ウエイターさんがあたしの顔を覗き込み、瞬いた。
「……つかぬことを伺いますが、お客様は未成年でいらっしゃいますか?」
「え? あ、はい」
頷くと、ウエイターさんはちょっと眉を顰め――いきなり手を伸ばすと、あたしの前に置かれたグラスを持ち上げてさっと飲み干してしまった。
「え、ちょっと!?」
「大変申し訳ありませんが、あなたにこちらのドリンクは提供できません。このカクテルはアルコール入りとなっております」
「ええ?」
再び前に置かれた空のグラスを、あたしはあっけにとられて見つめた。
「だってこれ、『シンデレラ』っていうノンアルコールカクテルじゃないの?」
「これは『ミッドナイトシンデレラ』と言って、当店のオリジナルカクテルです。甘い口当たりですが、アルコールは高めです」
ウエイターさんはメニューを開くと、とん、と指を立てて見せた。
そこには確かに『ミッドナイトシンデレラ』が載っていた。写真のカクテルは、今ウエイターさんが飲み干したものと全く同じだ。
「ほんとだ……でも、あたしにはちゃんとノンアルコールドリンクって言ってたし……今黒さん、見間違えたのかな」
ぷっ、とウエイターさんが軽く吹き出した。
「ええ? なんかおかしなこと言いました、あたし?」
「失礼。……世の中にはね、お目当ての女性とより親密になるためにこっそりアルコールの力を借りる男性もいるんです」
「えっ、それって」
「このビル、下の階にはホテルも入っていますよ」
……『このビルに面白い場所がある』って、まさか!?
あたしは口をパクパクさせた。朱虎が『アルコール勧められても飲むな』ってそういうこと!?
「差し出がましかったですね」
「い、いえ全然……」
ウエイターさんはメニューを閉じると、また柔らかく微笑んだ。
「余計なお世話ついでですが、恋人選びには少し慎重になった方が良い。彼はあなたみたいに可愛らしいお嬢様が彼氏にするにはあまり向かないようだ」
「恋人じゃないです!」
あたしは思わず首を振った。
「今日はお見合いで……おじいちゃんに言われて会ったんです」
「お見合い! 本当にお嬢様なんだね」
ウエイターさんは少しだけ砕けた口調になった。雰囲気が変わる。
あれ、この人意外と若いかも。朱虎と同じくらいか、もしかしたら朱虎より年下かな。
「彼はあなたをとても気に入って、少し盛り上がっちゃったのかもね。同じ男としてとても分かる気持ちだけど……やっぱり、今夜はもう帰った方が良いよ」
「そうします」
あたしは頷いた。何だか一気に目が覚めた気分だ。
「あの、色々とありがとうございます」
軽く頭を下げると、ウエイターさんはふっと笑った。今までの微笑みとは違う、なんだかちょっと悪っぽい感じの微笑みにドキッとする。
「どういたしまして。次はぜひ一人で来てほしいな」
「えっ?」
「男の下心があるのは、彼だけじゃないってこと。じゃあ、良い夜を」
ウエイターさんはするりと身をひるがえして去って行った。
え、最後のなに?
からかわれた?
なんだかわけがわからなくなってきた。
「お待たせ」
脳内で処理できずにいると、今黒さんが戻ってきた。
「ああ、もう飲んじゃったんだ」
「あ、ええと、はい」
飲んだのは私じゃないんだけど、とりあえず頷く。今黒さんはなぜかちょっと意外そうな顔になった。
「そう。じゃあ、もう一杯何か頼む? それとも、次の場所に移動しようか」
『次の場所』という単語にどきりとする。あたしは慌てて手を振った。
「ごめんなさい! あたし、やっぱり帰らなきゃ」
「でも、この後……」
「門限過ぎたら、朱虎が心配して探しに来ると思う。さっきも話した通り、朱虎、門限にはすっごく厳しくて、おじいちゃんにすぐ連絡して大騒ぎになっちゃうから」
早口で一気に言う。おじいちゃんの名前を強調すると、今黒さんは一瞬怖い顔をしたけどしぶしぶ頷いた。
「……そう。じゃあ、お楽しみはまた今度にしようか」
「は、はい」
「ちょっと待ってね、例の場所にもう行くと伝えちゃったからキャンセルの連絡をするよ」
今黒さんはスマホを取り出すと、あたしの前で電話を掛けた。
「……もしもし。さっき顔を出すと言いましたが、彼女が帰らないといけなくなりまして。……ええ、彼女、名家のお嬢様なんですよ。だからちゃんとご自宅まで送らないと、誘拐でもされたら大変だ」
まさか『名家のお嬢様』ってのはあたしのことだろうか。
なんだか決まりが悪いけど、電話の最中に「そんな良いとこの子じゃないです」っていうのも変なので我慢した。
「そう、今から送っていきます。 え? ……じゃあ、少しだけ。……はい」
電話を切った今黒さんは、あたしに困ったような笑みを向けた。
「ごめん、どうしても少しだけ顔を出せって言うから挨拶だけしてくるよ。君が付き合う必要はないから、先に地下の駐車場に行って待っててもらえるかな」
「帰りは朱虎を呼ぶから大丈夫ですよ」
スマホを取り出すと、今黒さんがさっとあたしの手からスマホを取ってしまった。
「あ」
「せめて最後まで僕にエスコートさせてくれ。それくらいはいいだろう?」
にこりと微笑んだけど、今黒さんの目は笑ってない。あたしはちょっとためらったけど頷いた。
「……じゃあ、お願いします」
「ありがとう。そんなにかからないから」
「はい。あ、スマホ……」
「家の前で返すよ。さ、行こう」
「……ただいま~」
「長いトイレだったな」
「いや~、腹の調子がちょっとね」
「で、首尾よく聞いてきたか」
「うん?」
「今黒氏が席を立った途端に『ちょっとトイレ』など見え透いているぞ。立ち聞きしてきたんだろう」
「わはっ、バレた? ま、聞いてきたけどさ」
「何の電話だったんだ」
「いや~不穏だったわ。『必ず返す』とか『あと少しだけ待ってほしい』とか、それ系のワード盛り沢山」
「完全に借金の取り立て電話じゃないか。事業が業績不振なのか」
「ん~、それなんだけどさ。電話聞いてて思い出したんだよ、俺」
「なにをだ」
「マリエモンの噂。あいつがギャンブル好きって、ネットじゃ結構有名だぜ」
「ギャンブル? パチンコとか競馬とかか」
「いや、もうちょいダークな奴。裏カジノに入り浸ってるって話。で、その裏カジノがこのビルにあるとかないとか……」
「ふむ。では、楽しい場所とやらはそこか。女子高生を連れて行くに相応しいとは思えんが……やはり、どうも胡散臭い男だな」
「女子高生とノリノリで見合いしてる時点でヤバい男カテゴリっしょ。ま、志麻センパイってより雲竜組とのパイプを作りたいってとこじゃねえの」
「やれやれ。見合いとはやはり打算に満ちているものだな」
「志麻センパイ、恋愛の耐性値がミジンコレベルだからもう完全に落ちてるっしょ。このままじゃカジノまで行っちまうんじゃねえの」
「それが、どうも風向きが変わってきた。あの背の高いウエイターに何やら吹き込まれたらしいが、帰る気になったようだ」
「へえ。見るに見かねたって奴かねえ。はたから見てたらどう見ても騙されてる能天気お嬢様だもんな~、志麻センパイ」
「風間。お前、今ものすごく底意地の悪い顔しているぞ」
「俺が善人だったら、まずここにいねえから」
「ふむ、それもそうだな。とにかく、今日はこれでしまいのようだ」
「裏カジノ、ちょい興味あったけどな~。俺らはどうする?」
「志麻と合流する」
「はあ!?」
「ここは駅から少し離れているからな。同乗させてもらう」
「それ、今黒をタクシー代わりにするってことじゃん」
「あの男が車中で志麻に良からぬことをしないか見張るという目的もある」
「明らかに後付けじゃね!? まあいいや。俺は適当に帰りまーす」
「そうか。ではな、また明日」
「へーい」
「あ、はい……って、朱虎!?」
振り向いたあたしは死ぬほどびっくりした。そこにはウエイターの制服を着た朱虎が立っていたからだ。
「何でここに……って、あれ?」
いや、違う。別人だ。
身長や体つきは朱虎と同じくらいだけど、よく見ると髪の色も黒だ。顔は朱虎に負けないくらい整ってるけど、線が細くて穏やかな雰囲気だ。
「先ほどはお話の途中で遮ってしまいまして、失礼いたしました」
ウエイターさんは柔らかに微笑んだ。胸には『一柳』と書いた名札がつけられていて、耳には赤いピアスをしている。歳はよく分からないけど、今黒さんとおなじくらいだろうか。
「あ、いえいえ、全然! むしろ助かりました」
「それは良かった」
ウエイターさんがパチリとウインクした。
あれ? もしかして、さっきグラスを置いたタイミングって、わざと?
なんとなくどぎまぎしていると、ウエイターさんがあたしの顔を覗き込み、瞬いた。
「……つかぬことを伺いますが、お客様は未成年でいらっしゃいますか?」
「え? あ、はい」
頷くと、ウエイターさんはちょっと眉を顰め――いきなり手を伸ばすと、あたしの前に置かれたグラスを持ち上げてさっと飲み干してしまった。
「え、ちょっと!?」
「大変申し訳ありませんが、あなたにこちらのドリンクは提供できません。このカクテルはアルコール入りとなっております」
「ええ?」
再び前に置かれた空のグラスを、あたしはあっけにとられて見つめた。
「だってこれ、『シンデレラ』っていうノンアルコールカクテルじゃないの?」
「これは『ミッドナイトシンデレラ』と言って、当店のオリジナルカクテルです。甘い口当たりですが、アルコールは高めです」
ウエイターさんはメニューを開くと、とん、と指を立てて見せた。
そこには確かに『ミッドナイトシンデレラ』が載っていた。写真のカクテルは、今ウエイターさんが飲み干したものと全く同じだ。
「ほんとだ……でも、あたしにはちゃんとノンアルコールドリンクって言ってたし……今黒さん、見間違えたのかな」
ぷっ、とウエイターさんが軽く吹き出した。
「ええ? なんかおかしなこと言いました、あたし?」
「失礼。……世の中にはね、お目当ての女性とより親密になるためにこっそりアルコールの力を借りる男性もいるんです」
「えっ、それって」
「このビル、下の階にはホテルも入っていますよ」
……『このビルに面白い場所がある』って、まさか!?
あたしは口をパクパクさせた。朱虎が『アルコール勧められても飲むな』ってそういうこと!?
「差し出がましかったですね」
「い、いえ全然……」
ウエイターさんはメニューを閉じると、また柔らかく微笑んだ。
「余計なお世話ついでですが、恋人選びには少し慎重になった方が良い。彼はあなたみたいに可愛らしいお嬢様が彼氏にするにはあまり向かないようだ」
「恋人じゃないです!」
あたしは思わず首を振った。
「今日はお見合いで……おじいちゃんに言われて会ったんです」
「お見合い! 本当にお嬢様なんだね」
ウエイターさんは少しだけ砕けた口調になった。雰囲気が変わる。
あれ、この人意外と若いかも。朱虎と同じくらいか、もしかしたら朱虎より年下かな。
「彼はあなたをとても気に入って、少し盛り上がっちゃったのかもね。同じ男としてとても分かる気持ちだけど……やっぱり、今夜はもう帰った方が良いよ」
「そうします」
あたしは頷いた。何だか一気に目が覚めた気分だ。
「あの、色々とありがとうございます」
軽く頭を下げると、ウエイターさんはふっと笑った。今までの微笑みとは違う、なんだかちょっと悪っぽい感じの微笑みにドキッとする。
「どういたしまして。次はぜひ一人で来てほしいな」
「えっ?」
「男の下心があるのは、彼だけじゃないってこと。じゃあ、良い夜を」
ウエイターさんはするりと身をひるがえして去って行った。
え、最後のなに?
からかわれた?
なんだかわけがわからなくなってきた。
「お待たせ」
脳内で処理できずにいると、今黒さんが戻ってきた。
「ああ、もう飲んじゃったんだ」
「あ、ええと、はい」
飲んだのは私じゃないんだけど、とりあえず頷く。今黒さんはなぜかちょっと意外そうな顔になった。
「そう。じゃあ、もう一杯何か頼む? それとも、次の場所に移動しようか」
『次の場所』という単語にどきりとする。あたしは慌てて手を振った。
「ごめんなさい! あたし、やっぱり帰らなきゃ」
「でも、この後……」
「門限過ぎたら、朱虎が心配して探しに来ると思う。さっきも話した通り、朱虎、門限にはすっごく厳しくて、おじいちゃんにすぐ連絡して大騒ぎになっちゃうから」
早口で一気に言う。おじいちゃんの名前を強調すると、今黒さんは一瞬怖い顔をしたけどしぶしぶ頷いた。
「……そう。じゃあ、お楽しみはまた今度にしようか」
「は、はい」
「ちょっと待ってね、例の場所にもう行くと伝えちゃったからキャンセルの連絡をするよ」
今黒さんはスマホを取り出すと、あたしの前で電話を掛けた。
「……もしもし。さっき顔を出すと言いましたが、彼女が帰らないといけなくなりまして。……ええ、彼女、名家のお嬢様なんですよ。だからちゃんとご自宅まで送らないと、誘拐でもされたら大変だ」
まさか『名家のお嬢様』ってのはあたしのことだろうか。
なんだか決まりが悪いけど、電話の最中に「そんな良いとこの子じゃないです」っていうのも変なので我慢した。
「そう、今から送っていきます。 え? ……じゃあ、少しだけ。……はい」
電話を切った今黒さんは、あたしに困ったような笑みを向けた。
「ごめん、どうしても少しだけ顔を出せって言うから挨拶だけしてくるよ。君が付き合う必要はないから、先に地下の駐車場に行って待っててもらえるかな」
「帰りは朱虎を呼ぶから大丈夫ですよ」
スマホを取り出すと、今黒さんがさっとあたしの手からスマホを取ってしまった。
「あ」
「せめて最後まで僕にエスコートさせてくれ。それくらいはいいだろう?」
にこりと微笑んだけど、今黒さんの目は笑ってない。あたしはちょっとためらったけど頷いた。
「……じゃあ、お願いします」
「ありがとう。そんなにかからないから」
「はい。あ、スマホ……」
「家の前で返すよ。さ、行こう」
「……ただいま~」
「長いトイレだったな」
「いや~、腹の調子がちょっとね」
「で、首尾よく聞いてきたか」
「うん?」
「今黒氏が席を立った途端に『ちょっとトイレ』など見え透いているぞ。立ち聞きしてきたんだろう」
「わはっ、バレた? ま、聞いてきたけどさ」
「何の電話だったんだ」
「いや~不穏だったわ。『必ず返す』とか『あと少しだけ待ってほしい』とか、それ系のワード盛り沢山」
「完全に借金の取り立て電話じゃないか。事業が業績不振なのか」
「ん~、それなんだけどさ。電話聞いてて思い出したんだよ、俺」
「なにをだ」
「マリエモンの噂。あいつがギャンブル好きって、ネットじゃ結構有名だぜ」
「ギャンブル? パチンコとか競馬とかか」
「いや、もうちょいダークな奴。裏カジノに入り浸ってるって話。で、その裏カジノがこのビルにあるとかないとか……」
「ふむ。では、楽しい場所とやらはそこか。女子高生を連れて行くに相応しいとは思えんが……やはり、どうも胡散臭い男だな」
「女子高生とノリノリで見合いしてる時点でヤバい男カテゴリっしょ。ま、志麻センパイってより雲竜組とのパイプを作りたいってとこじゃねえの」
「やれやれ。見合いとはやはり打算に満ちているものだな」
「志麻センパイ、恋愛の耐性値がミジンコレベルだからもう完全に落ちてるっしょ。このままじゃカジノまで行っちまうんじゃねえの」
「それが、どうも風向きが変わってきた。あの背の高いウエイターに何やら吹き込まれたらしいが、帰る気になったようだ」
「へえ。見るに見かねたって奴かねえ。はたから見てたらどう見ても騙されてる能天気お嬢様だもんな~、志麻センパイ」
「風間。お前、今ものすごく底意地の悪い顔しているぞ」
「俺が善人だったら、まずここにいねえから」
「ふむ、それもそうだな。とにかく、今日はこれでしまいのようだ」
「裏カジノ、ちょい興味あったけどな~。俺らはどうする?」
「志麻と合流する」
「はあ!?」
「ここは駅から少し離れているからな。同乗させてもらう」
「それ、今黒をタクシー代わりにするってことじゃん」
「あの男が車中で志麻に良からぬことをしないか見張るという目的もある」
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