開拓島〜最強の不老不死になって、誰の指図も受けずに自由に生きます!〜

SaLi

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一章 自由に生きるためには

20話 初ボス

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フォルティナ様にハーブティーや焼きたてパンのお土産を渡し、お別れした私はさっそく神殿を建てるためにとある場所へ転移してきていた。

この島で一番高い場所、山の頂上だ。

せっかくなら、島を一望できるこの山頂付近にしようと考えた。

魔法とスキルを駆使して、岩肌を削るようにして直接、神殿を建てることにする。
うん、建てたというより掘ったに近い気がする。
外からの光がしっかり届くように、考えてつくっていく。

もちろん、聖魔法を練り込むのも忘れない。

中が崩れないように、しっかりと固めて、作り出した空間に岩を削って装飾を施していく。
華美になりすぎないよう、神聖な雰囲気にした。

神殿の一番奥に、神像を置くスペースを作り、その上にフォルティナ様の神像をしっかりと固定して置いた。
神像の前にはお供えが出来るように台も作った。

万が一顕現された際のことを考えて、テーブルとイスも作っておいた。

私一人がお祈りできるぐらいの小さな神殿だが、なかなか満足のいく出来だと思う。

「出来には満足だけど、神殿っていうより、祠だな。でも、ここは景色もいいしフォルティナ様もきっと満足してくださるよね!」

神殿もとい祠が完成して満足した私は、しっかりとお祈りをしてから家路についた。


◇ ◇ ◇ ◇


フォルティナ様と再会した翌日の昼食後、私はユキとソラを連れてダンジョンの15層へと続く階段の前にいた。

今日は初めてダンジョンの階層ボスに挑むつもりだ。
ソラとの戦闘は初めてなので、午前中は14層で3人で連携の確認をした。

とはいえ、契約しているだけあって、阿吽の呼吸で連携も全く問題なかったのだけれど。
というか、14層の魔物たち相手ではもはや過剰な戦闘力だったといえる。

おそらくユキと2人でも15層のボスにおくれをとることはなかったとは思うが、安全第一を掲げてきたので念のため仲間を増やしてからの挑戦にしたのだ。

「よし、それじゃぁ2人とも、15層に進むけどいい?」

「ウキッ!!」

「クルゥ」

ユキはテンション高く、逆にソラは問題ないと静かに応えてくれた。

私は少しの緊張感と、どこかワクワクした気持ちを持って15層への階段をおりた。


階段をおりるとすぐに20m四方ほどの何もない空間があり、その奥に大きな扉があるのが見えた。

この空間に生物の反応はない。
ダンジョン内でも常にサーチの魔法を使っているので間違いないはずだ。
サーチの精度もかなり上がっているので、大丈夫だろう。

私たちは警戒しながら、扉の方へとゆっくり足を進める。

特に何か起こることはなく、扉の前まで来ることができた。

すぐには扉を開けずに少しの間様子見をすることにした。
私が扉前でじっとしている間、ユキとソラは割と自由にこの空間内を探索していた。

「うーん、数分経っても魔物がポップする様子はないし、このエリアはボス部屋の前の安全地帯って感じなのかなぁ?」

「ウキウキィ」
「クルゥ」

私のつぶやきに2人が、特にトラップらしきものもなさそうだから、多分そうだよと教えてくれた。

「あ、2人ともウロウロしてると思ったら、トラップの確認してくれてたの?!ありがとう~!でも、あんまり危ないことしないでね」

一応、今までのトラップは私のサーチにも引っかかっていたので、嵌まることはないだろうと思っていたが、2人とも念のため調べてくれたようだ。

私の心配をよそに、2人は「アスカが生きてる限り、自分たちは死なないんだから心配しすぎ」と少し呆れた顔をされた。

いや、まぁそうなんだけどね。
家族が傷つくところなんて見たくないじゃん?

私が不満げな顔をしていると、今度は「むしろ、自分たちが表にたってアスカを守らないと、アスカに何かあったら共倒れだよ?」だそうだ。

ぐうの音も出ない。

「う、そうですね。でもそうならないためにもレベルと経験つんで強くなるから!ただ、2人の言ってることはもっともだから、あんまり過保護にならないように気を付けるよ...」

自分だけが安全な場所にいる気にはやっぱりなれないけれど、召喚魔たちのためにも、自分の命を一番大事にしなければいけないんだな、と改めて覚悟をする。

「よし、それじゃぁ気を取り直して、ボスに挑みますか。多分、2足歩行の人型の魔物だと思う。大きさは2mくらい。こん棒みたいな武器を持ってるみたい。扉を開けたらすぐにソラは相手の周りを飛んで気をひいてね。ユキと私は隠密をつかいながら、攻撃魔法をガンガン打ってくよ」

サーチで得た魔物の情報を伝えながら、簡単な作戦をたてていく。
扉の向こうで待ち構えているのは、おそらく身長2mほどある人型の魔物だ。

私はゆっくりと扉を開き、すぐに簡易鑑定をする。

◇オーク Lv:16
◇身体強化Lv:2
◇魔法適正なし

素早く鑑定したいときに必要な情報だけを得るために編み出したのが簡易鑑定だ。
鑑定のレベルが上がったことで、より詳しく見ることが出来るようになった反面、必要以上の情報を得られるようになってしまったため、自分が見たいと思った情報だけを精査できるように練習した。

ダンジョンの魔物に関しては、種類、レベル、スキル、魔法適正だけを見ることにしている。

私は鑑定で得た情報を2人にも瞬時に伝え、オークへと向かっていく。

扉からの侵入者にすぐに気が付いたオークだが、素早く近づいてくるソラに完全に気を取られ、隠密発動中の私とユキには全く気が付いていない。

飛んでくるソラに武器を振り下ろそうとするが、小型化している上に素早い動きのソラには全く当たる気配がない。

そのすきに、ユキがオークの足元に土魔法を発動し、バランスを崩したところで、私が風魔法でオークの両足を切り落とした。
と、同時にソラが脳天に雷魔法をぶち込む。

その瞬間、オークは声を発する間もなく跡形もなく消えた。
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