開拓島〜最強の不老不死になって、誰の指図も受けずに自由に生きます!〜

SaLi

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一章 自由に生きるためには

15話 山頂からの景色

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「ふわぁ~!すっごい景色!っていうか、ひっろ!!」

初ダンジョンを経験した翌日、私たちは転移を使いながら一気に山頂を目指した。

そこからの景色はまさに絶景だった。

遮るもののない一面の空は青く澄んでいて、島の周りを囲う海は目を見張るほど美しい色をしていた。


どうやらここがこの島で唯一の山のようだ。
そのおかげで、島の全貌が明らかになった。

そのほとんどが森に覆われていて、この山がおおよそ島の中心くらいの位置にある。
そして、我が家のある方角を南と仮定すると、島の形は南北に長い楕円形のような形になっているようだ。

ここから見下ろせる範囲だと西の方角に一部木々が途切れて草原が広がっている箇所がある。
何か新しい食材や薬草が見つかるかもしれない。

そして、海の向こうを見ると神様の言っていた通り、この島の他にもいくつか島が見える。
今はまだ行く手段がないけど、いつか行ってみたいと思う。

実はフォルティナ様から、この島の開拓は好きにしていいとお許しを得ている。
今後大陸に旅に出ても、この島を絶対的な拠点にしようと思っているので自分の住みやすいように好きにいじっていく予定だ。

元日本人として、便利で快適な暮らしと美味しい食事は絶対必要なのである。
そして、それをこちらの世界でも広めて発展のきっかけになればと思う。

地球とこちらでは、手に入る食材はほとんど変わりがないそうだ。
ただ、輸送手段や情報が手に入れにくいこともあり、まだまだ活かしきれていない食材がたくさんあるそう。

まぁ自生してる植物や果物って、鑑定でも持ってないと初見だと食べられるのかすら分からないもんねぇ。

そう考えると、地球人て経験の積み重ねであれだけの種類の食材や料理が生まれてきたんだからたいしたもんだな。
しかもそれで終わらず、より美味しくより新鮮に各地に届けるために様々な技術が発展してきた。

現代人の私たちは、当たり前に安全に手に入る新鮮な食材と、簡単にネットから手に入る情報のおかげで、毎日美味しいものを当たり前に食べられたわけだ。
ありがたい。

私が地球で受けてきた恩恵を、少しでも多くこの世界に伝えられるよう頑張りますか。


さてさて、なんにしてもまずは自分自身のレベル上げから。
今日からまたダンジョンに潜って、レベル上げと食料確保をしないとね!


◇ ◇ ◇


というわけで、今日もやってきましたダンジョン!

「ユキ~、さっさと2層を目指して進もうと思うんだけどいい?」

「ウキッ」

ユキが任せとけとでも言うようにしっかり頷いてくれたので、今日は2層への階段を見つけることをとりあえずの目標とした。

そういえば、と思い、私は薄く遠くまで広げるようなイメージで周囲に自分の魔力を張り巡らせてみる。
あのメニューにあるスキルはあくまでも魔力消費を伴わないスキルであって、魔力を使って周りの地形や生物を探るというのはなかった。

でも、地球の知識がある私は、これって魔力を使えばこういう魔法が出来るんじゃね?と思いついた。
魔力循環トレーニングのおかげで、魔力操作もそれなりに上手くなっと思う。

そう思って、試しに今やってみたのだが

「おぉ!分かる、分かるぞ!これはゆっくり動いてるからスライムかな?で、こっちは魔力が跳ね返ってくる感じがするから行き止まり?」

簡単に成功した。

初めて使ったので精度は低いだろうが、それでもスライムしかいないこの階層では十分に使える。

しかも、ほとんど魔力を消費しない。
意識的に、魔力を放出するのではなく張り巡らせて循環させるイメージで発動したからだろう。

出ていった魔力が、また自分のもとに返ってくる感じだ。
さすがにまだ広範囲までは無理だが、周囲30mくらいまではいけそうだ。
それ以上やると、コントロールを失って魔力が放出される気がする。

「魔法はイメージ、その通りだね」

この魔法にサーチと名付けて、探索の際は常時発動すれば周囲の状況も探りながら、魔力循環のトレーニングにもなるという一石二鳥の魔法だ。

たかが30m、されど30m。

「ユキ、周囲の確認は私がするから、スライムを倒すの任せてもいい?」

「ウキィ♪」

任されたのが嬉しいのだろう。
ご機嫌な返事をして、頷いてくれた。

「よし、じゃぁ2層目指してしゅっぱーつ!」
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