8 / 24
一章 自由に生きるためには
8話 私が選んだスキル
しおりを挟む
「すご!ほんとに一瞬で戻れちゃった…」
スキル《転移》
これが、私の選んだ2つ目のスキルだ。一度訪れたことのある場所なら基本的にはどこにでも瞬間移動が出来るというとんでもなく便利なスキルである。
ただし、転移先の場所をしっかり頭に思い描くことが大事で、記憶が曖昧ではっきりしない場合には失敗することもあるようなので、少し注意が必要だ。
さらに、ダンジョン内部からダンジョンの外へ直接転移することは出来ないらしい。ただ、ダンジョン内転移は可能なようなので、一階層に戻って外に出てから転移すればいいだけなので、問題はなさそうだ。
私がこのスキルを選んだのは、まずそもそも拠点とする島が人の住む大陸からかなり離れているということ。世界中のダンジョンに潜ってスキルブックやお宝を集めたり、鍛錬をしようと考えていること。そして、フォルティナ様からの希望をかなえるためにも、この世界のいろんな場所をめぐる必要があること。これらが主な理由である。
まぁ、あとは危険が迫った時に咄嗟に逃げるのに有用だなとは思ったりしている。さっきのカニの魔物だって、転移のスキルを咄嗟に使えるレベルまで習得していれば、すんなり逃げ切れただろう。
この島に危険はないからなんて、たかを括っていたので、朝の探索の帰りに練習をかねて初めての転移魔法を使うつもりだったのだ。
発動が上手くいかなかった時のことを考えて、念の為木に目印もつけておいたのだが。
ここは異世界で、私はまだ10歳の力のない少女だ。油断したら、大怪我じゃすまないかもしれない。油断大敵、と改めて心に刻む。
「ひとまず、お昼ご飯食べてちょっと休憩だな」
私は、今朝の森の探索で採取しておいた食料を麻袋から取り出し、簡単な昼食とした。
「まだ材料が揃わないから仕方ないけど、しばらくは野草とキノコの塩コショウ炒めを食べる羽目になりそうだなぁ」
と少し遠い目をしながら、食べた。
いや、一通りの必要なものを揃えてもらえているだけ、ありがたいのだ。
ここからどう発展させていくのも、全部自分次第じゃないか。こんなに楽しいことはない!
そう思い直して、食材に感謝をしながら昼食を食べ終えた。
少しの休憩ののちまた1時間ほど、魔力循環のトレーニングをした。まだまだ先は長そうだ。
さて、元の予定ではこの後は午後の探索にまた森へ入る予定だったのだが、予定変更だ。あのカニのせいで。
いや、今となってはカニのおかげでと言うべきか。
今朝のいきなりの魔物との遭遇で気付いたことがある。
それは、『陸上にだって危険な生物いるのでは?』である。
そう、私はとんだ思い込みをしていた。なにも、魔物だけが私の命を脅かす存在だとは限らないではないか。まだ小動物しか見かけていないが、熊や猪のような大きな生物だっているかもしれない。そんなものに遭遇してしまえば、今の私なんてひとたまりもない。
出会う前に気付けて良かった。ありがとうカニさん。いつか、美味しく食べてあげるからね。
というわけで、まず私が今すべきことは全てのスキルをある程度使えるようにする!である。
特に転移は早々に鍛えよう。逃げることにおいて、これ以上のスキルはないだろうからね。
とりあえず今の自分を改めて確認しようと思い、私は『ステータス』と心の中で念じた。
《アスカ サメジマ》※変更可
◇人間 性別:女 年齢:10歳
◇Lv:1 HP:100/100 MP:50/50
◇保有スキル
鑑定Lv1
転移Lv1
創造Lv1
召喚Lv1(0/2)
◇魔法適正:全属性 特殊:ウキペディア
⭐︎創造神フォルティナの加護(状態異常無効、精神異常無効)
「ほんとにゲームみたい。昨日の夜も見たけど、さすがに何も変わってないみたいねー」
さすがに半日では、ステータスに変動はないようだ。そらそうだ。たいして何も出来ていないのだから。
HPは年齢×10くらいが平均的な数値だと言われているので、ぴったり平均にしてくれたようだ。レベルをあげたり、身体を鍛えることでHPは増えていくので、頑張りたい。
おそらくMPは多過ぎず少な過ぎずくらいにはしてくれているだろう思われる。こちらも、魔力循環で伸ばしていこう。
スキルは、鑑定、転移はすでに使ってみたが、あとの2つはまだ試していない。どちらも、私に必要だと思って取ったスキルなので、有効活用したいと思う。
魔法の全属性適正は、フォルティナ様からのサービスだ。本当に至れり尽くせりでありがたい。全属性使えるということは、自分の努力次第であらゆることが魔法で可能になる、と私は読んでいる。フォルティナ様は魔法はイメージが大切だと言っていた。地球の技術をこちらの方法で実現するためにも、魔法はかかせないと思っているので、早く全属性使いこなせるように頑張ろう!
そして、注目すべきは特殊の部分だ。
実はフォルティナ様から選んでいいと言われたスキルを5つから4つに減らすかわりに、これをお願いした。
特殊:ウキペディア
読んで字の如く。あの、ウキペディアである。地球上の様々な情報を知る時に便利なあのサイトである。
たいした知識も技術もない私がこちらの世界で役に立つためにはと、考えに考えて出た結論が
『とりあえずなんとなく分かれば、魔法とスキルでゴリ押し出来るのでは?』だった。
なので、読めばなんとなく理解できるウキペディアを、こっちの世界でも自由に閲覧できれば、私役に立てます!とフォルティナ様に訴えた結果、普通になんとかしてくれた。
転生前の地球にいる間に、私という存在そのものにウキペディアをインストール(?)してくれたようだ。
今も、知りたいことを思い浮かべれば地球の知識が浮かんでくる。もはや、歩く辞書である。
最後の加護に関しては、お願いして来てもらうのだから、加護くらい与えて当たり前。とのことで、ありがたく頂きました。
スキル《転移》
これが、私の選んだ2つ目のスキルだ。一度訪れたことのある場所なら基本的にはどこにでも瞬間移動が出来るというとんでもなく便利なスキルである。
ただし、転移先の場所をしっかり頭に思い描くことが大事で、記憶が曖昧ではっきりしない場合には失敗することもあるようなので、少し注意が必要だ。
さらに、ダンジョン内部からダンジョンの外へ直接転移することは出来ないらしい。ただ、ダンジョン内転移は可能なようなので、一階層に戻って外に出てから転移すればいいだけなので、問題はなさそうだ。
私がこのスキルを選んだのは、まずそもそも拠点とする島が人の住む大陸からかなり離れているということ。世界中のダンジョンに潜ってスキルブックやお宝を集めたり、鍛錬をしようと考えていること。そして、フォルティナ様からの希望をかなえるためにも、この世界のいろんな場所をめぐる必要があること。これらが主な理由である。
まぁ、あとは危険が迫った時に咄嗟に逃げるのに有用だなとは思ったりしている。さっきのカニの魔物だって、転移のスキルを咄嗟に使えるレベルまで習得していれば、すんなり逃げ切れただろう。
この島に危険はないからなんて、たかを括っていたので、朝の探索の帰りに練習をかねて初めての転移魔法を使うつもりだったのだ。
発動が上手くいかなかった時のことを考えて、念の為木に目印もつけておいたのだが。
ここは異世界で、私はまだ10歳の力のない少女だ。油断したら、大怪我じゃすまないかもしれない。油断大敵、と改めて心に刻む。
「ひとまず、お昼ご飯食べてちょっと休憩だな」
私は、今朝の森の探索で採取しておいた食料を麻袋から取り出し、簡単な昼食とした。
「まだ材料が揃わないから仕方ないけど、しばらくは野草とキノコの塩コショウ炒めを食べる羽目になりそうだなぁ」
と少し遠い目をしながら、食べた。
いや、一通りの必要なものを揃えてもらえているだけ、ありがたいのだ。
ここからどう発展させていくのも、全部自分次第じゃないか。こんなに楽しいことはない!
そう思い直して、食材に感謝をしながら昼食を食べ終えた。
少しの休憩ののちまた1時間ほど、魔力循環のトレーニングをした。まだまだ先は長そうだ。
さて、元の予定ではこの後は午後の探索にまた森へ入る予定だったのだが、予定変更だ。あのカニのせいで。
いや、今となってはカニのおかげでと言うべきか。
今朝のいきなりの魔物との遭遇で気付いたことがある。
それは、『陸上にだって危険な生物いるのでは?』である。
そう、私はとんだ思い込みをしていた。なにも、魔物だけが私の命を脅かす存在だとは限らないではないか。まだ小動物しか見かけていないが、熊や猪のような大きな生物だっているかもしれない。そんなものに遭遇してしまえば、今の私なんてひとたまりもない。
出会う前に気付けて良かった。ありがとうカニさん。いつか、美味しく食べてあげるからね。
というわけで、まず私が今すべきことは全てのスキルをある程度使えるようにする!である。
特に転移は早々に鍛えよう。逃げることにおいて、これ以上のスキルはないだろうからね。
とりあえず今の自分を改めて確認しようと思い、私は『ステータス』と心の中で念じた。
《アスカ サメジマ》※変更可
◇人間 性別:女 年齢:10歳
◇Lv:1 HP:100/100 MP:50/50
◇保有スキル
鑑定Lv1
転移Lv1
創造Lv1
召喚Lv1(0/2)
◇魔法適正:全属性 特殊:ウキペディア
⭐︎創造神フォルティナの加護(状態異常無効、精神異常無効)
「ほんとにゲームみたい。昨日の夜も見たけど、さすがに何も変わってないみたいねー」
さすがに半日では、ステータスに変動はないようだ。そらそうだ。たいして何も出来ていないのだから。
HPは年齢×10くらいが平均的な数値だと言われているので、ぴったり平均にしてくれたようだ。レベルをあげたり、身体を鍛えることでHPは増えていくので、頑張りたい。
おそらくMPは多過ぎず少な過ぎずくらいにはしてくれているだろう思われる。こちらも、魔力循環で伸ばしていこう。
スキルは、鑑定、転移はすでに使ってみたが、あとの2つはまだ試していない。どちらも、私に必要だと思って取ったスキルなので、有効活用したいと思う。
魔法の全属性適正は、フォルティナ様からのサービスだ。本当に至れり尽くせりでありがたい。全属性使えるということは、自分の努力次第であらゆることが魔法で可能になる、と私は読んでいる。フォルティナ様は魔法はイメージが大切だと言っていた。地球の技術をこちらの方法で実現するためにも、魔法はかかせないと思っているので、早く全属性使いこなせるように頑張ろう!
そして、注目すべきは特殊の部分だ。
実はフォルティナ様から選んでいいと言われたスキルを5つから4つに減らすかわりに、これをお願いした。
特殊:ウキペディア
読んで字の如く。あの、ウキペディアである。地球上の様々な情報を知る時に便利なあのサイトである。
たいした知識も技術もない私がこちらの世界で役に立つためにはと、考えに考えて出た結論が
『とりあえずなんとなく分かれば、魔法とスキルでゴリ押し出来るのでは?』だった。
なので、読めばなんとなく理解できるウキペディアを、こっちの世界でも自由に閲覧できれば、私役に立てます!とフォルティナ様に訴えた結果、普通になんとかしてくれた。
転生前の地球にいる間に、私という存在そのものにウキペディアをインストール(?)してくれたようだ。
今も、知りたいことを思い浮かべれば地球の知識が浮かんでくる。もはや、歩く辞書である。
最後の加護に関しては、お願いして来てもらうのだから、加護くらい与えて当たり前。とのことで、ありがたく頂きました。
31
お気に入りに追加
1,165
あなたにおすすめの小説
ブラック宮廷から解放されたので、のんびりスローライフを始めます! ~最強ゴーレム使いの気ままな森暮らし~
ヒツキノドカ
ファンタジー
「クレイ・ウェスタ―! 貴様を宮廷から追放する!」
ブラック宮廷に勤めるゴーレム使いのクレイ・ウェスターはある日突然クビを宣告される。
理由は『不当に高い素材を買いあさったこと』とされたが……それはクレイに嫉妬する、宮廷魔術師団長の策略だった。
追放されたクレイは、自由なスローライフを求めて辺境の森へと向かう。
そこで主人公は得意のゴーレム魔術を生かしてあっという間に快適な生活を手に入れる。
一方宮廷では、クレイがいなくなったことで様々なトラブルが発生。
宮廷魔術師団長は知らなかった。
クレイがどれほど宮廷にとって重要な人物だったのか。
そして、自分では穴埋めできないほどにクレイと実力が離れていたことも。
「こんなはずでは……」と嘆きながら宮廷魔術師団長はクレイの元に向かい、戻ってくるように懇願するが、すでに理想の生活を手に入れたクレイにあっさり断られてしまう。
これはブラック宮廷から解放された天才ゴーレム使いの青年が、念願の自由なスローライフを満喫する話。
ーーーーーー
ーーー
※4/29HOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
※推敲はしていますが、誤字脱字があるかもしれません。
見つけた際はご報告いただけますと幸いです……

憧れのテイマーになれたけど、何で神獣ばっかりなの⁉
陣ノ内猫子
ファンタジー
神様の使い魔を助けて死んでしまった主人公。
お詫びにと、ずっとなりたいと思っていたテイマーとなって、憧れの異世界へ行けることに。
チートな力と装備を神様からもらって、助けた使い魔を連れ、いざ異世界へGO!
ーーーーーーーーー
これはボクっ子女子が織りなす、チートな冒険物語です。
ご都合主義、あるかもしれません。
一話一話が短いです。
週一回を目標に投稿したと思います。
面白い、続きが読みたいと思って頂けたら幸いです。
誤字脱字があれば教えてください。すぐに修正します。
感想を頂けると嬉しいです。(返事ができないこともあるかもしれません)

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。

土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~
にゃーにゃ
ファンタジー
「土属性だから追放だ!」理不尽な理由で追放されるも「はいはい。おっけー」主人公は特にパーティーに恨みも、未練もなく、世界が危機的な状況、というわけでもなかったので、ササッと王都を去り、辺境の地にたどり着く。
「助けなきゃ!」そんな感じで、世界樹の少女を襲っていた四天王の一人を瞬殺。 少女にほれられて、即座に結婚する。「ここを開拓してスローライフでもしてみようか」 主人公は土属性パワーで一瞬で辺境を開拓。ついでに魔王を超える存在を土属性で作ったゴーレムの物量で圧殺。
主人公は、世界樹の少女が生成したタネを、育てたり、のんびりしながら辺境で平和にすごす。そんな主人公のもとに、ドワーフ、魚人、雪女、魔王四天王、魔王、といった亜人のなかでも一際キワモノの種族が次から次へと集まり、彼らがもたらす特産品によってドンドン村は発展し豊かに、にぎやかになっていく。

10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)
犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。
意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。
彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。
そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。
これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。
○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる