15 / 44
王立学園入学式
しおりを挟む
今日は学園の入学式です。
(とうとうこの日が来たのね…)
私達は身支度を整えて、朝食を摂りに食堂へ来た。
「おはよう、シア、ゲイル」
「「おはようございます」、お兄様」
ゲイルはあいさつをすると、さっさと席に着いた。
「フェリシア、おはよう。制服…似合ってるよ」
「おはようございます、お父様。学園が制服で良かったですわ」
「おはよう、フェリシア。ドレスで通うと大変ですものね」
「フェリシアとゲイル君は、食事のあと書斎へ来なさい」
「「分かりました」」
朝食が終わり、私達は書斎へやって来た。
「さて……今朝、早馬が来たのだが…3日前に、学園へ入学する女生徒が1人増えたらしい」
「!? まさか…」
「アリエル・インジャスタ男爵令嬢だそうだ」
「マクシム殿が以前調べた時は、該当する令嬢は居なかったと…」
「1ヶ月前にインジャスタ男爵が庶子を引き取ったらしい」
「入学直前になって分かるなんて…」
「だが、1ヶ月前では殆ど平民と変わらないぞ」
「学園側もそれを理由に渋っていたらしいが…貴族になったのだから通う権利は有ると、押し切られたようだ」
「転生者というイレギュラーな存在が現れたから、ヒロインの設定も変わったのかも知れないわね…」
「入学が許可されたという事は、当然魔力を持っているのか…」
「魅了の魔力じゃなければいいのだけど…」
「はぁ、分かった。 最大で警戒しておこう」
◇
お父様と話した後…私はお兄様、ゲイルと3人で馬車に乗り学園へ向かっています。
「シア、父上と何を話してたんだい?」
あら…何て答えようかしら……ん~。これしか無いわねぇ。
「魔力の事ですわ、お兄様…」
「あぁ、そうだね。幾ら魔道具で抑えたと言っても、まだ多いからなぁ」
「ええ。 王族のヴェルド殿下でも4千ですもの…」
「だが、同じ効果の魔道具を着けると、魔力が安定しなくなるからな」
「まぁ学園で魔力の数値化はしないからいいけど、指輪は外さないように気を付けて…」
「分かりましたわ」
そうして3人で話している内に、学園の馬車止まりに着いた様です。
ちょっと驚きましたわ……
正面玄関に殿下方がおられますが…やはり私を待って居たのでしょうか。
「よく来たな、フェリシア」
「待ってましたよ、フェリシア」
「……おはようございます。ヴェルド殿下、クィンザ殿下」
「「おはよう」」
「では行くぞ。 講堂はこっちだ」
ボソッ「案内なら僕がやるのに…」
後ろでお兄様がボソボソ言ってますわ…
講堂に入ると、席までヴェルド殿下が連れて行ってくれましたが。
「……何故そのまま隣に座るのですか!?」
「兄様は自分の席へ行ってください」
「チッ……どこでも「「良い訳ありません」」…分かった…」
私とクィンザ殿下に言われてすごすごと2年の席へ行きましたわ。
『くっくっ……懐かれてるな』
(はぁ…無責任な事言わないでよ…)
そして学園長の挨拶に始まり、粛々と入学式が進んで行きました。
爵位毎に席が並んでいる筈だから、ヒロインの席は後ろの方ね…
確か、他のゲームの様なピンク色の奇抜な髪じゃ無かったと思うから…
これと言って特徴が無いのよねぇ。
(どうやって探そうかしら…)
『例の女生徒か?』
(ええ。 一目で判るような特徴が無いのよね…)
ゲームだと、攻略対象の2人とヒロインと私は同じSクラスだったけど。
1ヶ月前に男爵家へ引き取られたなら…無理じゃない?
ヒロインを名指しで誰かに聞く訳にもいかないし…
(向こうから関わって来るのを待つしか無いかなぁ…)
(とうとうこの日が来たのね…)
私達は身支度を整えて、朝食を摂りに食堂へ来た。
「おはよう、シア、ゲイル」
「「おはようございます」、お兄様」
ゲイルはあいさつをすると、さっさと席に着いた。
「フェリシア、おはよう。制服…似合ってるよ」
「おはようございます、お父様。学園が制服で良かったですわ」
「おはよう、フェリシア。ドレスで通うと大変ですものね」
「フェリシアとゲイル君は、食事のあと書斎へ来なさい」
「「分かりました」」
朝食が終わり、私達は書斎へやって来た。
「さて……今朝、早馬が来たのだが…3日前に、学園へ入学する女生徒が1人増えたらしい」
「!? まさか…」
「アリエル・インジャスタ男爵令嬢だそうだ」
「マクシム殿が以前調べた時は、該当する令嬢は居なかったと…」
「1ヶ月前にインジャスタ男爵が庶子を引き取ったらしい」
「入学直前になって分かるなんて…」
「だが、1ヶ月前では殆ど平民と変わらないぞ」
「学園側もそれを理由に渋っていたらしいが…貴族になったのだから通う権利は有ると、押し切られたようだ」
「転生者というイレギュラーな存在が現れたから、ヒロインの設定も変わったのかも知れないわね…」
「入学が許可されたという事は、当然魔力を持っているのか…」
「魅了の魔力じゃなければいいのだけど…」
「はぁ、分かった。 最大で警戒しておこう」
◇
お父様と話した後…私はお兄様、ゲイルと3人で馬車に乗り学園へ向かっています。
「シア、父上と何を話してたんだい?」
あら…何て答えようかしら……ん~。これしか無いわねぇ。
「魔力の事ですわ、お兄様…」
「あぁ、そうだね。幾ら魔道具で抑えたと言っても、まだ多いからなぁ」
「ええ。 王族のヴェルド殿下でも4千ですもの…」
「だが、同じ効果の魔道具を着けると、魔力が安定しなくなるからな」
「まぁ学園で魔力の数値化はしないからいいけど、指輪は外さないように気を付けて…」
「分かりましたわ」
そうして3人で話している内に、学園の馬車止まりに着いた様です。
ちょっと驚きましたわ……
正面玄関に殿下方がおられますが…やはり私を待って居たのでしょうか。
「よく来たな、フェリシア」
「待ってましたよ、フェリシア」
「……おはようございます。ヴェルド殿下、クィンザ殿下」
「「おはよう」」
「では行くぞ。 講堂はこっちだ」
ボソッ「案内なら僕がやるのに…」
後ろでお兄様がボソボソ言ってますわ…
講堂に入ると、席までヴェルド殿下が連れて行ってくれましたが。
「……何故そのまま隣に座るのですか!?」
「兄様は自分の席へ行ってください」
「チッ……どこでも「「良い訳ありません」」…分かった…」
私とクィンザ殿下に言われてすごすごと2年の席へ行きましたわ。
『くっくっ……懐かれてるな』
(はぁ…無責任な事言わないでよ…)
そして学園長の挨拶に始まり、粛々と入学式が進んで行きました。
爵位毎に席が並んでいる筈だから、ヒロインの席は後ろの方ね…
確か、他のゲームの様なピンク色の奇抜な髪じゃ無かったと思うから…
これと言って特徴が無いのよねぇ。
(どうやって探そうかしら…)
『例の女生徒か?』
(ええ。 一目で判るような特徴が無いのよね…)
ゲームだと、攻略対象の2人とヒロインと私は同じSクラスだったけど。
1ヶ月前に男爵家へ引き取られたなら…無理じゃない?
ヒロインを名指しで誰かに聞く訳にもいかないし…
(向こうから関わって来るのを待つしか無いかなぁ…)
0
お気に入りに追加
770
あなたにおすすめの小説
変な転入生が現れましたので色々ご指摘さしあげたら、悪役令嬢呼ばわりされましたわ
奏音 美都
恋愛
上流階級の貴族子息や令嬢が通うロイヤル学院に、庶民階級からの特待生が転入してきましたの。
スチュワートやロナルド、アリアにジョセフィーンといった名前が並ぶ中……ハルコだなんて、おかしな
その国外追放、謹んでお受けします。悪役令嬢らしく退場して見せましょう。
ユズ
恋愛
乙女ゲームの世界に転生し、悪役令嬢になってしまったメリンダ。しかもその乙女ゲーム、少し変わっていて?断罪される運命を変えようとするも失敗。卒業パーティーで冤罪を着せられ国外追放を言い渡される。それでも、やっぱり想い人の前では美しくありたい!
…確かにそうは思ったけど、こんな展開は知らないのですが!?
*小説家になろう様でも投稿しています
執着王子の唯一最愛~私を蹴落とそうとするヒロインは王子の異常性を知らない~
犬の下僕
恋愛
公爵令嬢であり第1王子の婚約者でもあるヒロインのジャンヌは学園主催の夜会で突如、婚約者の弟である第二王子に糾弾される。「兄上との婚約を破棄してもらおう」と言われたジャンヌはどうするのか…
悪役令嬢なので舞台である学園に行きません!
神々廻
恋愛
ある日、前世でプレイしていた乙女ゲーに転生した事に気付いたアリサ・モニーク。この乙女ゲーは悪役令嬢にハッピーエンドはない。そして、ことあるイベント事に死んでしまう.......
だが、ここは乙女ゲーの世界だが自由に動ける!よし、学園に行かなければ婚約破棄はされても死にはしないのでは!?
全8話完結 完結保証!!
【一話完結】才色兼備な公爵令嬢は皇太子に婚約破棄されたけど、その場で第二皇子から愛を告げられる
皐月 誘
恋愛
「お前のその可愛げのない態度にはほとほと愛想が尽きた!今ここで婚約破棄を宣言する!」
この帝国の皇太子であるセルジオが高らかに宣言した。
その隣には、紫のドレスを身に纏った1人の令嬢が嘲笑うかのように笑みを浮かべて、セルジオにしなだれ掛かっている。
意図せず夜会で注目を浴びる事になったソフィア エインズワース公爵令嬢は、まるで自分には関係のない話の様に不思議そうな顔で2人を見つめ返した。
-------------------------------------
1話完結の超短編です。
想像が膨らめば、後日長編化します。
------------------------------------
お時間があれば、こちらもお読み頂けると嬉しいです!
連載中長編「前世占い師な伯爵令嬢は、魔女狩りの後に聖女認定される」
連載中 R18短編「【R18】聖女となった公爵令嬢は、元婚約者の皇太子に監禁調教される」
完結済み長編「シェアされがちな伯爵令嬢は今日も溜息を漏らす」
よろしくお願い致します!
そして乙女ゲームは始まらなかった
お好み焼き
恋愛
気付いたら9歳の悪役令嬢に転生してました。前世でプレイした乙女ゲームの悪役キャラです。悪役令嬢なのでなにか悪さをしないといけないのでしょうか?しかし私には誰かをいじめる趣味も性癖もありません。むしろ苦しんでいる人を見ると胸が重くなります。
一体私は何をしたらいいのでしょうか?
断罪されて婚約破棄される予定のラスボス公爵令嬢ですけど、先手必勝で目にもの見せて差し上げましょう!
ありあんと
恋愛
ベアトリクスは突然自分が前世は日本人で、もうすぐ婚約破棄されて断罪される予定の悪役令嬢に生まれ変わっていることに気がついた。
気がついてしまったからには、自分の敵になる奴全部酷い目に合わせてやるしか無いでしょう。
えっ、これってバッドエンドですか!?
黄昏くれの
恋愛
ここはプラッツェン王立学園。
卒業パーティというめでたい日に突然王子による婚約破棄が宣言される。
あれ、なんだかこれ見覚えがあるような。もしかしてオレ、乙女ゲームの攻略対象の一人になってる!?
しかし悪役令嬢も後ろで庇われている少女もなんだが様子がおかしくて・・・?
よくある転生、婚約破棄モノ、単発です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる