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第二王子サイラス・カイザード ⑨
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私は今、挙がってきた書類に目を通し………困惑していた。
「なんだ、これは…?」
乙女ゲームで攻略対象?
「嫉妬し虐めて殺人未遂? ならず者を雇って?」
ありえない。 しかも学園に入った後ならば、フォスティナは自分の身分が分かっていたはず。
それに、ヴァリス公爵家ならそのような者を雇わなくても、秘密裏に暗殺するなど容易い事だ。
「転生者…プレイヤー? モブ?」
大半の言葉の意味は分かるが、理解が出来ん。 モブとは何だ?
「しかしこの様な調書では真面な裁判は無理だな」
フォスティナが何もしていないと言うのは、あの時パーティー会場でアイリス自身が言った事だ。
宰相と相談して、魔道具が外れたら精神矯正のための、戒律の厳しい修道院行きだな……
「殿下、そろそろお時間ですが…」
「わかった。ルシウス、お前とライアンもついて来い」
「「畏まりました」」
私はライアンとルシウスを連れてヴァリス邸へ向かった。
「こんにちは、サイラス殿下。ご機嫌麗しく」
「フェルナン殿、出来れば普通に話して貰えないか…」
「そうかい? まぁ、僕もその方が楽だから良いけど」
「あの件は、フォスティナが帰って来る前には片付きそうだ」
「当然だね。例の特別修道院ってとこかな?」
「よくわかるな…」
「あれだけ頭の可笑しな事を言ってればそれしかないでしょ」
「ケルナー男爵夫妻は関与してなかったが、恐らく平民に落とされるだろう」
「当り前だよ。娘の教育も出来ない貴族は必要ないよね」
微笑んではいるが、笑ってはいない…
これは……かなり怒っているな。
「フォスティナには謝罪したが、ヴァリス家には迷惑をかけた」
「ホントだよ。 ティナが納得してるから許すけど、じゃなかったら……」
「す、すまない…」
く、黒い……笑顔が真っ黒だ…この人は敵に回したらダメだ…
「ところで、仕事は順調かい?」
「ああ、この2人にも走り回って貰ってやっとだがな」
「まぁ今年の成人を祝う舞踏会までだから、がんばって」
「あと2ヶ月か……」
それが終われば帝国へ行き、2年後に結婚式を挙げて……
私は皇配になる―――
「なんだ、これは…?」
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「嫉妬し虐めて殺人未遂? ならず者を雇って?」
ありえない。 しかも学園に入った後ならば、フォスティナは自分の身分が分かっていたはず。
それに、ヴァリス公爵家ならそのような者を雇わなくても、秘密裏に暗殺するなど容易い事だ。
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大半の言葉の意味は分かるが、理解が出来ん。 モブとは何だ?
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「殿下、そろそろお時間ですが…」
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「「畏まりました」」
私はライアンとルシウスを連れてヴァリス邸へ向かった。
「こんにちは、サイラス殿下。ご機嫌麗しく」
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