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相澤 対 速水〈3〉目の上のタンコブ
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《とにかく、こんな所で眺めてても時間の無駄だ!無駄な事に時間を使うだけ無駄なんだよ!》
「急いては事を仕損じる」と言うが、急かずには居られない時もある。事の経緯はアレコレあれど、結果が全ての世の中だ。「終わり良ければ全て良し」とも言うだろう。
つまり、結論から言えば「佐久間がターゲットになれば全ての問題が解決する」という事だ。
日々、溜まりに溜まったストレスを開放させるには復讐しかない。だが、速水相手では復讐どころかストレスは倍増するばかりだ。そこに佐久間が登場したのだから逃す手はないだろう。そして、復讐さえ始まれば「最強の自分」が顔を出す。そうなれば恐れるものなど何も無い。後は、任せておけば良いだけの話だ…。
《フン!もう、結果は見えてる…答えは簡単だ!》
ある意味で短絡的思考なのかもしれないが、俺に言わせれば「一目瞭然」「簡単明瞭」「直截簡明」だ。
《俺の目的は復讐だ…復讐以外はない!これ以上、俺の日常を邪魔されてたまるかよ!》
更に勢いづいた思考は止まらない。ここから先は、完全なる独走状態だ。
《そうと決まれば…速水が戻って来るまでに何とかするしかない!》
佐久間を視界に捉えつつ、新たな策を練り直す。ゴールが決まれば最短ルートを辿るのみだ。他の事などどうでも良くなる。
《取り敢えず…普段は速水が近くに居るから単独行動は出来ない。そうなると…やっぱり、今しかないって事だよな…ブツブツ…》
全ての問題を自分の中で処理するのはいつもの事だ。そこに他人が関与する事はない。多少の間接的影響は受けても、直接的影響は受けない事になっている。無論、俺が断固拒否するからだ。その結果、自分主体で物事が進むのは当然の事だろう。
何故なら…俺の人生は俺だけのものであり、他人に左右されるものではないからだ。それが、孤独に生きる「俺の習性」でもある…。
《チッ、それにしても…速水が居ると思うだけで落ち着かないじゃないか!これじゃあ、おちおち観察も出来やしない!あのタンコブ野郎、覚えてろ…ブツブツ…》
こうなると、速水の存在も「目の上のタンコブ」としか言いようがない。要するに、目の上に出来たタンコブは視界に入らずとも痛くて邪魔臭いという事だ。しかも、一度出来たタンコブは簡単に治るものではないという…なんとも因果な関係だ。
《クソッ…、グズグズしてたら人だらけになったじゃないか!?なんでこんなに人間が多いんだよ…本当に鬱陶しいったらありゃしない!》
見る見る内に、佐久間との間は多くの生徒で埋め尽くされてしまう。このままでは観察どころの話ではない。更に言うなら「ただ、眺める」のと「いざ、眺める」のとでは気分的にも違うものだ。
《まったく、どいつもこいつも邪魔なんだよ!!これじゃあ、よく見えないだろ?!》
そうやって、勢いに任せて身を乗り出した瞬間の出来事だった…。
「急いては事を仕損じる」と言うが、急かずには居られない時もある。事の経緯はアレコレあれど、結果が全ての世の中だ。「終わり良ければ全て良し」とも言うだろう。
つまり、結論から言えば「佐久間がターゲットになれば全ての問題が解決する」という事だ。
日々、溜まりに溜まったストレスを開放させるには復讐しかない。だが、速水相手では復讐どころかストレスは倍増するばかりだ。そこに佐久間が登場したのだから逃す手はないだろう。そして、復讐さえ始まれば「最強の自分」が顔を出す。そうなれば恐れるものなど何も無い。後は、任せておけば良いだけの話だ…。
《フン!もう、結果は見えてる…答えは簡単だ!》
ある意味で短絡的思考なのかもしれないが、俺に言わせれば「一目瞭然」「簡単明瞭」「直截簡明」だ。
《俺の目的は復讐だ…復讐以外はない!これ以上、俺の日常を邪魔されてたまるかよ!》
更に勢いづいた思考は止まらない。ここから先は、完全なる独走状態だ。
《そうと決まれば…速水が戻って来るまでに何とかするしかない!》
佐久間を視界に捉えつつ、新たな策を練り直す。ゴールが決まれば最短ルートを辿るのみだ。他の事などどうでも良くなる。
《取り敢えず…普段は速水が近くに居るから単独行動は出来ない。そうなると…やっぱり、今しかないって事だよな…ブツブツ…》
全ての問題を自分の中で処理するのはいつもの事だ。そこに他人が関与する事はない。多少の間接的影響は受けても、直接的影響は受けない事になっている。無論、俺が断固拒否するからだ。その結果、自分主体で物事が進むのは当然の事だろう。
何故なら…俺の人生は俺だけのものであり、他人に左右されるものではないからだ。それが、孤独に生きる「俺の習性」でもある…。
《チッ、それにしても…速水が居ると思うだけで落ち着かないじゃないか!これじゃあ、おちおち観察も出来やしない!あのタンコブ野郎、覚えてろ…ブツブツ…》
こうなると、速水の存在も「目の上のタンコブ」としか言いようがない。要するに、目の上に出来たタンコブは視界に入らずとも痛くて邪魔臭いという事だ。しかも、一度出来たタンコブは簡単に治るものではないという…なんとも因果な関係だ。
《クソッ…、グズグズしてたら人だらけになったじゃないか!?なんでこんなに人間が多いんだよ…本当に鬱陶しいったらありゃしない!》
見る見る内に、佐久間との間は多くの生徒で埋め尽くされてしまう。このままでは観察どころの話ではない。更に言うなら「ただ、眺める」のと「いざ、眺める」のとでは気分的にも違うものだ。
《まったく、どいつもこいつも邪魔なんだよ!!これじゃあ、よく見えないだろ?!》
そうやって、勢いに任せて身を乗り出した瞬間の出来事だった…。
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