アスパラポエム

山口かずなり

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三面鏡

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三面鏡

1あなたが置いていった透明なコップ　歯ブラシが足りない　もったいないから　うがいの時に使うけれど　たまにボーっとしていると　水を出しっぱなしにして　あふれだす　あなたが　水道代がかかるって怒ってくれないから　毎回損してしまう　ほんとうに　注いだのかも分からないくらいに　この水　透明だね　私には似合わないよ　あの日　友だちに電話して　悲劇の主人公でいたの
ほんとうは　傷ついていないのに　傷ついたのは私じゃないのに　

☆被害者ヅラの醜さが三面鏡の中　笑ってます　頬の傷は　喧嘩の爪痕　戒めるように　残ります　この飲み口が欠けたコップで飲み干すのは　絶命には頼りない　人生を舐め腐った　甘い甘い　毒でしょう　

２君が置いていった白いタオル　洗濯しても元の形には戻らない　捨てられずに体拭きに使うけれど　たまにボーっとしていると　匂いを嗅いでしまう　君は　非力でタオル絞りもまともに出来ないから　毎回　苛立って　苦笑いしていたな　この水　汚れてるな　俺には似合わないよ　あの日　君に冷たくして　悲劇の主人公でいたよ
ほんとうは　傷ついていないのに　傷ついたのは俺じゃないのに　

☆被害者ヅラの醜さが三面鏡の中　笑ってます　腕の傷は　喧嘩の爪痕　戒めるように　残ります　この生乾きのタオルでかぶせたいのは　死にきれないでいる　甘く醜い顔でしょう　

３被害者ヅラの醜さが三面鏡の中　笑ってます　指の傷は　喧嘩の爪痕　目を凝らすと　赤い傷に見えてくる　

何かの見間違い　そろそろ元の顔に戻らないと　

☆ 被害者ヅラの醜さが三面鏡の中　笑ってます　頬の傷は　喧嘩の爪痕　戒めるように　残ります　この飲み口が欠けたコップで飲み干すのは　絶命には頼りない　人生を舐め腐った　甘い甘い　毒　この生乾きのタオルでかぶせたいのは　死にきれないでいる　甘く醜い顔でしょう

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