アスパラポエム

山口かずなり

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華の描かれた掛け軸

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☆華の描かれた掛軸

そこで永遠に待つ

横顔のまま
俯く子


1掛軸の子に恋をした
描かれた者に恋をした

紅葉散らす頬
透明の衣服に汗ばむ

その掛軸の物語
その子は横顔で俯く

誰かを待つ
その瞳
閉じられたまま


春に飾られて
夏の虫に耳を澄まし
秋に散らした紅葉
冬の粉雪は恋の幻


☆華の描かれた掛軸

そこで永遠に待つ

季節の色
変わっても
その子は変わらない

華の描かれた掛軸

誰を待っているのかも
貴方が誰なのかも
僕は知らない

それでも
知りたい

その掛軸の背景


2掛軸の背景を想う
描いた者の心


僕を連れ去る
その感性、知の華

掛軸に吹き込まれた
命は描く者の魂

誰かを待つ
その姿
貴方の心ですか



春に恋をして
夏に触れて
秋に散る
冬の幻惑


☆愛の描かれた掛軸

そこで君は待っている

季節の色
変わっても
その瞳の色は永遠に同じ

愛の描かれた掛軸

誰の為に描いたのかも
貴方が男なのか女なのかも
わからない

それでも
知りたい

描いた貴方を


3孤独に埋もれて
描いたのならば

この想いを
貴方に伝えたい

散らした華も
誰かには必ず届くと


☆華の描かれた掛軸

それを描いた貴方


季節の花びらは舞う
その魂が生きるかぎり

華の描かれた掛軸

僕の為に描かれたのかも
貴方の叫びなのかも
わからない

それでも
届きました

貴方の芸術
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