不幸でしあわせな子どもたち スピンオフ

山口かずなり

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クルトンとマリス

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相部屋のクルトンとマリス。

恋に悩み、好きな人に溺れた女の子が二人いた。

クルトンが、また過去の恋を思い出し、シクシク泣いていた。

マリスの手のひらには、マッシュマロ泡がちょこんと乗っていた。

「そんなことでクヨクヨしていたら許さない くらいなさい アワアワ フー」

クルトンは、顔に飛んでくる泡を手で防いだ。

本音が漏れる。

「やーん 友達だから許すけど だいぶ うっとおしいわ」

おかげで泣くことを忘れられた。

マリスは、少し安心する。

「こんな風に過去の恋は泡にしてフーしちゃいましょう」

クルトンは、頑張ってマリスの真似をしてみる。

「アワアワ フー」

マリスは、可愛い過ぎると拍手をした。

「これで私達、人魚姫じゃないわ」

クルトンは、自分のことを人魚姫と言っているマリスのことが、だいぶ うっとおしい。

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