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第125話:ごめんなさい。俺の運命の恋人が超絶お怒りです。
しおりを挟むライツのその表情と台詞に愛那は心臓を押さえて俯いた。
(今! びっくりして心臓が跳ねた! もおぉ! ライツ様の顔と声でそんな台詞は卑怯でしょう!?・・・・・・・・・・・うわ~ん。また顔が熱い~! これが治まるまで、時間がかかるんだから勘弁してぇ!)
顔どころか耳まで真っ赤にさせた、そんな愛那を見て、ライツは頬が緩むのが止められない。
(可愛い)
ライツは手を伸ばして愛那の頭を撫でた。
「マナ。俺は子供の時に神託で自分に運命の恋人がいることを知って、ずっと探していたんだ」
そう話し始めたライツに、愛那は俯いていた顔を上げる。
「そして、ずっと探し続けていた俺の運命の恋人が、異世界から来た救世主様と知った時は驚いた。・・・・・・会うまでは、どんな子なんだろうと、楽しみだけど、不安でもあった。だけど噴水広場で初めてマナの声を聞いた時にはもう、可愛くて、愛しく思ったよ。そして、初めてその姿を見せてくれた時は、こんな可愛い子が俺の運命の相手なんだと、嬉しすぎて神様に感謝の言葉を捧げた」
それを驚いた顔で聞いていた愛那が、怒った顔になり、ライツに掴みかかった。
「狡いですっ! 自分だけ神様に感謝の言葉を捧げるなんて! 私なんて、ずっと神様に喧嘩売るようなことばかり言ってたんですよっ!」
「ははは。ごめん」
「反省してないっ!? ライツ様? そんな嬉しそうな顔で謝られても許しませんよ! だいたい何ですぐに言ってくれなかったんですか!? 自分が運命の相手だって! 言ってくれれば無駄に悩まずにすんだし神様にも失礼しなくてすんだのにっ!」
「・・・・・・それは、無理矢理異世界から連れて来られたばかりのマナには、時間が必要だと思ったからだ。レディルが暴言を吐いてマナを怒らせていたし、ただでさえ、救世主という重荷を背負わせているのに、運命の恋人なんて・・・・・・。それに、俺はマナには元いた世界に好きな人がいると誤解もしていた」
それを聞いたモランが(げっ! 俺のせいかっ!?)と青ざめる。
「まさかマナがもうすでに俺に恋をしてくれていたなんて思わなかったんだ。それでも、マナをここに連れてきたのは、神様に俺の運命の相手を紹介したかったからだ。いずれ口説き落とすつもりだったし」
「ッ! ・・・・・・私だって、魔物討伐が落ち着いたら、口説くつもりでした!」
張り合うかのような愛那の台詞にライツが破顔する。
それを見た愛那が顔を赤くしたまま更に怒り出す。
「もおっ! ライツ様の責任でもあるんですから一緒に神様に謝ってください────っ!!」
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