ごめんなさい。俺の運命の恋人が超絶お怒りです。

しーぼっくす。

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 第110話:恋愛話にはならない

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 愛那は三人の子供の頃の話が聞きたくなって、ナチェルにお願いして部屋の中へと誘い、一緒のソファへと腰掛けた。
 そして愛那はたくさんの昔話をナチェルにしてもらった。
 初めてライツとモランと会った時の話や、一緒に勉強していた頃の話。
 三人で身分を隠し冒険ギルドに登録して魔物討伐をしていた頃の話。
 ライツの家族一人一人の人柄や、ハリアス、モラン、ナチェルの家族の話など。
 みんなの事が深く知れた気がして、愛那は聞いていてとても楽しくて嬉しくなった。
 テンションが高くなっていた愛那はそこで、ずっと気になっていた事をナチェルに思い切って訊いてみた。
「あの、ナチェルさんはモランさんと婚約しているんですよね?」
「はい」
「えっと、そういった話、訊いても大丈夫でしょうか?」
 遠慮しながら愛那が訊ねる。
(ナチェルさんの恋バナとか! 訊いていいのかわからなくて今まで言い出せなかったけど! ダメ? ダメかな?)
「そういった話・・・・・・ですか?」
 そう言ってナチェルが難しい表情をして口を閉ざす。
(えっ? ダメだった!? でもナチェルさんとモランさんって一緒にいて仲が悪いわけじゃなさそうだし、むしろ通じ合ってる感じだし! あ、でも婚約者なのに二人して甘い雰囲気まったくないなぁ・・・・・・なんて思ったりしたけど! 仕事の時とプライベートは違うとか、そんな期待なんかしたりして!!)
「話せないならいいんです! ごめんなさい! 調子にのっちゃって・・・・・・」
 愛那の言葉の語尾が気落ちしてしまった為にナチェルが慌てる。
「申し訳ありませんマナ様! 違うんです! ・・・・・・おそらくマナ様の期待に添えるような話をすることが出来ないだろうと思い、つい考え込んでしまいました」
「え? 期待に添うって?」
 その疑問にナチェルが少し困ったような表情で応える。
「つまり、恋愛話にはならないということです」


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