ごめんなさい。俺の運命の恋人が超絶お怒りです。

しーぼっくす。

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 第99話:そんなこと言うのは反則です!!

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(よろしく頼むって、恋人!? え!? 私とライツ様で恋人のふりをしろってこと!?)
 愛那が戸惑う。
「救世主であるマナがここにいることを知られたら、各地から大勢の者たちが、この地へ押し寄せてくるだろう」
 リオルートの言葉に、愛那がゆっくりと頷いた。
(それは勘弁して欲しい。まだ救世主として活躍出来るかどうかもわからないのに、そんな人たち相手に、どう対応したらいいのかわからないもの)
「魔物の討伐を期待して、マナを奪い合うような騒動に発展するかもしれない。それを避けるためにも、マナの正体を伏せておく必要があるんだ」
 今度は二回大きく頷く愛那。
(ありがたく救世主であることを伏せさせていただきます!)
「ライツ。当分の間、お前の屋敷には帰らずマナと共にここにいてくれ。その方が安全だ」
 兄の言葉にライツが頷く。
 そしてライツは隣の愛那に声をかけた。
「マナ。予定と違ってしまったが、魔法を学ぶ設備に関しては、ここにも揃っているから大丈夫だ」
「はい。私、がんばります!」
 救世主として魔法を使いこなし魔物を討伐する。
 自分の力を試したい。早くそれを実現したいと愛那は強く思っていた。
 そんな強い意志が愛那の顔に表れていて、それを見たライツが微笑んで愛那の頭を撫でた。
(!)
 再び愛那が固まる。
(ライツ様はなんでそんなに私の頭を撫でたりするの!? 何で? あれですか? いい子いい子ってやつですか? ようするに子供扱いってことですか!?)
 ぐるぐるとそんなことを頭の中で考えていると、そんな二人を見ていたリオルートが面白そうな顔をして頷いた。
「その調子で周囲に仲のいい恋人同士だと見せつけてくれ。マナを隠すためにライツが少々独占欲が強いくらいに思われた方がいいかもしれないな」
(!? そうでした。ライツ様と恋人同士のふりをしなきゃいけないんでした。・・・・・・嬉しいけど口説くのはまだ先の予定だったのにどうしたらいいの? ・・・・・・それに、ライツ様は私と恋人を演じることをどう思ってるんだろう)
 不安になってチラリと愛那がライツの様子を窺うと、ライツも愛那を見つめていたので心臓が跳ねた。
「・・・・・・マナ。俺が恋人だというのは嫌じゃないか?」
「ッ!」
 愛那が衝撃に体を震わせた。
(ライツ様! その顔で! その声で! そんなこと言うのは反則です!!)
 ぐっといろいろなものをこらえて愛那が口を開く。
「嫌じゃ・・・・・・ありません」
 その答えにライツがほっとした表情を見せ「そうか」と言って微笑んだ。


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