ごめんなさい。俺の運命の恋人が超絶お怒りです。

しーぼっくす。

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 第82話:魔法と魔力の大きさ

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 愛那は、意識が魔法のことへ移ったことで、顔の熱さも引いてきた。
 もう大丈夫だと透過の魔法を解く。
 そして姿を見せたことで、抱きしめていた愛那の体を離すライツ。
 温もりが去って、ホッとしたような残念なような、愛那は複雑な気持ちだ。
(この世界の人ってスキンシップが激しいのかな? 嬉しいけど困る)
 ライツを口説くのは救世主として魔物討伐を終えた後だと決めているのだ。
(神様に逆らうなら、結果を出さなきゃ認めてもらえない)
 神様の決めた【運命の恋人】ではない人を好きになったのだから、やることをやらなくては次に進めない。
(急がないと、ライツ様が他の人にとられちゃうかもしれないし!)
 ナチェルさんからライツ様には恋人や婚約者みたいな、特別な女性はいないと教えてもらったけれど、悠長になんかしていられない!
「ライツ様! 今の私でも魔物を討伐できますか?」
 意気込んで訊いてみる。
「マナの攻撃魔法をまだ見ていないからはっきりとは言えないが、マナは風魔法が使えるんだろう?」
「はい。使ったのは一回だけですが。冒険者ギルドでダルサスさんに教えてもらって使えるようになりました」
「ああ。ダルサスから話は聞いた。その風魔法、使えるようになるまでマナは難しいと感じた?」
「難しく・・・・・・は、なかったと思います。ダルサスさんの言われた通りにしたらすぐに出来たので」
「うん。普通はそう簡単に使えたりはしないんだ。やはりマナの持っている魔力の大きさが関係しているんだろうな」
「魔力の大きさ?」
「マナの魔力はとんでもなく大きい。初代国王の血をひく俺達と比べても、桁違いの大きさだ。この国でマナ以上の魔力の持ち主はいない」
「そ、そうなんですか?」
(それってすごいことなんだよね? さすがは救世主?)
「えっと、だとしたら魔物の討伐って、簡単なのかな?」
 ライツは首を振る。
「マナは魔力は桁違いだが体力は普通だ。魔物のことを軽く考えていたら怪我や命にか関わる。マナ。魔物討伐の際、絶対に一人で行動しないようにしてくれ。もちろんずっと傍にいるつもりだが、不測の事態が起こることもある。君を失うわけにはいかない。頼む」
 ライツの真剣なまなざしに、愛那は真面目な顔で頷く。
「はい。わかりました。気をつけます」


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