ごめんなさい。俺の運命の恋人が超絶お怒りです。

しーぼっくす。

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 第76話:この世界で一番

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 緑と花に囲まれた空間に置かれた白いベンチ。
 二人はそこに並んで座る。
 そしてライツは隣の愛那に向かい、この国の成り立ちから話し始めた。
 186年前に今と同じように魔物が大量発生したこと。
 その時に救世主として異世界召喚されたロベリル・フォル・サージェルタが初代国王となったこと。
 異世界召喚は初代国王により禁止されたこと。
「その初代国王のロベリルさんは、私と同じ世界から来たんでしょうか?」
「いや。マナの世界には魔法がないのだろう? 彼が元いた世界には魔力も魔法もあったと云われているから違うだろう」
「そうですか。・・・・・・私は、この世界に来てから自分の中に魔力があることに気づきました。召喚されたことで、違う生き物になってしまったような、そんな感じなんです」
 気落ちしたような愛那にライツが手を伸ばす。
「それは、不安だったろう? マナ」
 愛那の頭を心配な表情でライツが優しく撫でる。
(きゃあああああ!)
 愛那がボッと赤くなった。
 そんな好きな相手にみせるような愛那の反応にもライツは自惚れること無く微笑む。
「マナ。不安を感じることがあれば、一人で抱え込まずに全て俺に話をして欲しい。俺が駄目ならナチェルでもいい。だが、俺がこの世界で一番マナを愛しく思っていることは、忘れないでくれ」
「!」
(い、愛しく? 愛しくって!?)
 愛那の頭の中が正常に機能しない。
「あ! ほ・・・・・・保護者、ですものね?」
「ああ」
(ですよね!)
 ライツにあっさり肯定された愛那は少し拍子抜けしながら、頬の熱が下がっていくことに安心して一息吐いた。


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