ごめんなさい。俺の運命の恋人が超絶お怒りです。

しーぼっくす。

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 第68話:結ばれ?

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(神様に、喧嘩を売りたい?)
 ナチェルとモランがポカンとした表情で愛那を見た。
 その愛那は拳を握りしめ、決意した強い眼差しでナチェルを見つめ返している。
「めちゃくちゃな我が儘だって自覚してます! だけど・・・・・・」
(負けたくない!)
 愛那の中の感情が高ぶりだす。 
 そうよ・・・・・・。
 神様が言ったからって「はいそうですか」なんて、素直に受け入れたりするもんですか!
 だって、何で好きでもない人と恋人同士になんてならなきゃいけないの!!
 神様の馬鹿!!
 運命って何よ!?
 ふざけたこと軽々しく言わないで!!
 こうなったら、全力で抗ってやる!!
 だいたい、よく考えればあの王太子だって可哀想な人よね。
 あんなに愛している婚約者とよってたかって別れさせられようとしているのだから。
 暴言に関しては絶対に許さないけれど! (それとこれとは話が別!)
 神様相手だって、私は負けない!
 あれ? ・・・・・・そうだ。
 今のこの感情、覚えがある。
 あの時に似てる。
 子供の頃に観たあのアニメの最終回。
 当時の私は主人公が私の初恋の青年と結ばれなかった結末に呆然とし、制作者に対する怒りを叫んだ。
 あのアニメの神は制作者だ。
 あの時の私は負けた。
 どうしようもなかった。
 ただの一視聴者である私に戦う術はなかった。
(だけど・・・・・・)
 今の私は違う。
 神に喧嘩を売られたんだ。
 買ってやる。
 私は戦う!
 そして、今度こそ私の大好きな人と結ばれ・・・・・・。
 結ばれ?
(あれ?)
 そこで愛那の高ぶった感情が急激に冷めた。
 次に襲ってきたのは激しい羞恥。
 カアァァッと、頬が熱くなる。
(恥ずかしい! 今、自覚した。・・・・・・私、ライツ様のことが、好きなんだ)


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