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第66話:まさかこんなことになるとは・・・・・・。
しおりを挟む「ライツ様は私の保護者だと言っていました。神様が決めた保護者だと」
「・・・・・・だとしたら、それも神託でしょうか?」
「わかりません。・・・・・・けどライツ様が直接神様と話せないのなら、そうなんでしょうね」
「昨日俺達がマナさまを探しに出る前、ライツ様は【索敵】を使えば行方不明の少女の居場所がわかるそうだと、どなたかに訊いたようにそう言っていました」
「索敵?」
モランの話の中の、聞き慣れない言葉に愛那が引っかかる。
それに答えたのはナチェルだ。
「【索敵】は、本来魔物討伐の際に使用される魔法です。近くにいる魔物や人間の居場所がわかるんです」
「あ~。それでライツ様は姿が見えない私の居場所がわかったんですね」
そうだったのか、と納得する愛那。
そこでモランがおずおずと愛那の機嫌を伺いながら話し出す。
「あの、レディル王太子はライツ様のいとこであり、弟のように思っていると以前そう話されていましたので、マナさまに対し大変申し訳なく思っているのだと思います」
「そう・・・・・・みたいですね。身内のようなものだからと、謝って下さいました」
そう言った愛那の表情を見て、モランは溜め息を吐きたくなった。
レディルのことが話題になると、どうしても愛那の表情が硬くなる。
【運命の恋人】同士だというのに、このままではまずいことはわかりきっている。
魔物の異常発生から救ってくれることを期待して、異世界から召喚された救世主様。
この国を救うためにも、レディルとの仲を・・・・・・。
どうにかしてお二人を和解させなければ。
そう考えながらも、モランは少しだけレディルに同情をしていた。
(王太子としてしっかりしてくれと言いたいところだが、しかし、レディル殿下の気持ちもわかる。マナさまへの暴言がどういったものかはわからないが、あの方は幼い頃からルーシェ嬢一筋だったからなぁ・・・・・・。一年前、あの二人の婚約がようやく決まった時は、ライツ様と一緒になって喜んだものだ。それなのに、まさかこんなことになるとは・・・・・・)
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