ごめんなさい。俺の運命の恋人が超絶お怒りです。

しーぼっくす。

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 第54話:伝えておきたいこと

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 ライツの中で、あの頃の小さなレディルが、まだ印象強く残っている。
 そのためか、どうしてもレディルに対して、今も甘くなってしまう自分に気づいていた。
 しかし、今回ばかりは話が違う。
「レディル。・・・・・・いや、お二人も聞いて下さい」
 ライツは三人の顔を見回して言った。
「伝えておきたいことがあります」
「?」
 三人共に何の話かと問うような顔でライツを見返す。
「勝負などしなくても、俺は救世主であるマナが俺の【運命の恋人】であると、確信しています」
「!?」
「な、何故そう言い切れるのですか?」
 神官長が問う。
「それは、レディルがルーシェを特別に想うように、俺がマナのことを特別に想っているからです」
「!」
 その台詞に三人が驚いた顔になったのは、ライツには女嫌いだという噂があったからだ。
 ライツからしたら単純な話で、運命の相手ではない女性を相手に、気のあるそぶりをみせるつもりがなかっただけのこと。
 そのせいで、実はライツはルーシェのことを密かに想っていたが、レディルを気遣い、身を引いたのではないかという噂もあった。
 そのライツが、救世主であるその少女のことを・・・・・・?
「そう。だからこそ、レディル。俺はおまえに対し、怒っている」


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