ごめんなさい。俺の運命の恋人が超絶お怒りです。

しーぼっくす。

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 第39話:もう一人

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 別邸の中をライツとハリアスが進む。
 その後を、愛那は身を縮めながらこっそりと付いて行く。
 そうして三人が二階にある一室へと入った。
(うわあ、ここにも高そうな家具。大理石のテーブルにガラス細工の置物、艶のある革張りのソファ)
 愛那は今、自分が高級品を前にしてテンションが上がる性格ではないことを実感していた。
 この建物の中にあるものはどれも高級そうで、絶対に壊さないように気をつけようと心に決めていた。 
「マナ」
 扉を閉めライツが声をかける。
「はい」
「手を」
 ライツが手を差し出す。
(また手を繋ごうってこと?)
 愛那が手を触れさせるとライツの手がギュッと握り込んでくる。
 ソファの方へと案内され、隣同士に座る。
 ライツは立ったまま控えているハリアスへと声をかける。
「ハリアス」
「はい」
「マナが今着用している服は特に男に見せたいものではない」
「は?」
 ハリアスが軽く首を傾げる。
「だからまず着替えを用意させる。マナに透過の魔法を解かせるのはそれからだ」
「・・・・・・なるほど。だからナチェルを呼びに行かせたのですね」
「そうだ。マナ」
 ライツが愛那へと顔を向ける。
「もう一人、君がその透明人間になれる魔法が使えることを教えたい者がいるんだが、いいだろうか?」


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