ごめんなさい。俺の運命の恋人が超絶お怒りです。

しーぼっくす。

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 第32話:このスキルは秘密です

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「それと、君のその透過のスキルは人に知られない方がいい」
 真面目な顔で話すライツ。
「とうか?・・・・・・透過。あ。この透明人間状態のこと?」
「透明人間?」
 ライツは一瞬きょとんとし、破顔した。
「ははっ。透明人間か、面白い。うん。その透明人間になれるスキルのことだ。この世界に君と同じそのスキルを持った者はいない。もしその能力のことを知られたら、あらぬ疑いをかけられる可能性がある。それは避けたいんだ」
「あらぬ疑い?」
「もし、凶悪な犯罪者が君と同じ能力を持っていたとしよう。恐ろしいことになると思わないか?」
 愛那は想像してゾッとした。
(誰に見られることなく犯罪し放題のこの能力を、私以外が持ってたとしたら・・・・・・恐すぎる!!)
「ひ、秘密で。・・・・・・誰にも知られたくないです」
(犯人のわからない犯罪の犯人にされちゃうかもしれないってことよね?)
「うん。そうしてくれると助かる。君のその能力のことを知っているのは今のところ俺と、俺の側近の二人だけだ」
「・・・・・・側近、の二人?」
「後で紹介しよう。不安かもしれないが、俺が信頼している相手だから安心して欲しい」
「はい」
「・・・・・・マナのいた世界では、その能力を使っても問題にならなかったのか?」
 ライツが疑問を投げかける。
「え? いいえ。こんな能力、この世界に来てから初めて使いました。というか、私がいた世界では、魔法なんて使えませんでしたから」
「・・・・・・魔法が使えない?」
(これだけの魔力を持っていて?)
 驚くライツ。
 ライツにとって魔法が使えない世界というのが想像出来ない。
「はい。私の世界では、魔法はあくまで空想上のものです」
「空想上のもの・・・・・・」
「だから、魔法を見るのも使うのも楽しくて」
「そう、か。・・・・・・マナ、頼みたいことがある」
 ギュッとライツは繋いだ手に力を込める。
「え?」
「魔法は便利なものだけど、危険でもある。頼むから、魔法の使用をしばらく止めて欲しい。俺が教えるから。マナがきちんと魔法のことを勉強して俺が安心できるまで。・・・・・・駄目かな?」
(ひやぁああああああ!! 心臓が保たない~!!「駄目かな?」は反則~!!)
 内心悶えながら愛那は「駄目じゃないですぅ」と答えた。


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