ごめんなさい。俺の運命の恋人が超絶お怒りです。

しーぼっくす。

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 第25話:俺が捕まえる。

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「姿を消すことが出来るとは・・・・・・」
「城の者達がいくら探しても見つかるはずないですね」
 ダルサスに幽霊のことを口止めし、三人は冒険者ギルドを出た。
 地図のハートマークはこの場所から遠くない。
 それも、移動せずその場所に止まっている。
「こっちだ」
 足早に歩くライツの後を二人は追う。
「しかし、困りましたね。姿が見えず、攻撃魔法を使う相手なんて、敵に回したら恐ろしいですよ」
 ハリアスに同調するように「そうですよね」とモランが頷く。
「しかも救世主様を相手にとなると、気配を頼りに攻撃して対応するわけにもいかないし・・・・・・」
「お前達は何もしなくていい」
 ライツが前方から視線をそらさず続ける。
「俺が捕まえる」
 ライツが【鑑定】スキルを持つということはハリアスとモランに知らせていたが、称号の【強き者】や、神託の【運命の恋人】については伝えていなかった。
 伝えるのは彼女を捕まえて、落ち着いて話す時間が出来た時でいいだろうと考えていた。
 異世界から召喚されたばかりの少女は、こちらの世界のことを知らない。
 ダルサスに、己の能力を調べる方法について訊いたということは【鑑定】持ちではないということだ。
 攻撃魔法の使い方を訊いてきたということは、それまで攻撃魔法を知らなかった。
 だが、それを教えたらあっさり一発で使うことが出来たらしい。
 さすがは救世主!
 と、今の状況では感心もしていられないのだ。
(俺に、彼女の心を捕まえることが出来るだろうか?)
【運命の恋人】だから大丈夫などと、そんな単純な思考にはとてもなれなかった。
 ライツは子供の頃から【運命の恋人】探しをしていたので、異性と付き合ったことがなく、特別な女性を相手にどうしたら心を開いてもらえるのかと不安になった。


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