ごめんなさい。俺の運命の恋人が超絶お怒りです。

しーぼっくす。

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 第19話:学生の魔法使い達

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「まずはこの距離からだ! 中央の石から同じ距離をとって、四方に分かれろ!」
 中央から五メートルの所に立ったダルサスの指示通り、少年達が移動する。
「あの石の塊は魔法攻撃を吸収する。まずは俺が見本をみせる。名前を呼んだらそれぞれ得意の魔法で石を攻撃しろ!」
「「「はい!」」」
(さっきまで不本意そうな顔をしてたのに・・・・・・。真剣な顔。動きも速い)
 愛那は少年達の切り替えに感心する。 
「魔法の威力とコントロールで実力を確認する! 威力が弱ければ石は光らない! 光れば合格! 光らなければやり直しは三回まで! 的に当てることが出来ないのは問題外だ!」 
「「「はいっ!」」」
「いくぞ! 炎よ・・・・・・」
 ダルサスの右の掌からボォフッと炎が的に向かって直線に飛んでいく。
 炎を吸収した石から金色の光が輝いた。
(おおおおおっ!!)
 愛那が両手の指を組み、口を開いたまま感動している。
「サム! やれ!」
「はいっ! 炎よ!」
 両手を突き出したサムの掌から生まれた炎が的へと飛んでいく。
 石が光り「やった!」とサムが喜ぶ。
「よし! 次! サーベン!」
「はい! ・・・・・・風よ・・・・・・ッ!」
 サーベンの両手から生まれた風が、音を立て的へと向かう。
 光った石にサーベンはホッとして肩の力をぬく。
「よし! 次! トーマ!」
「はいっ! いきます! 水よ!」
 トーマの両手から水が生まれ的へと飛ぶ。
(よし! 光った! 三人とも成功! ・・・・・・炎や風はともかく、水も吸収して消えるんだ。あの石どういう仕組みになってるんだろう?)
 嬉しそうな顔の少年三人組にダルサスが声をかける。
「よし! 今のは小手調べだ! 次! 距離を取るぞ! 俺と同じぐらい下がれ!」
「「「はい!」」」
 今度は的からの距離10メートル。
 先程と同じことを繰り返す。
 サムとサーベンは無事石を光らせることに成功した。
 だが、最後のトーマが失敗する。
 的に届いてはいたが、威力が弱かったのか、石が光らなかった。
「チャンスはあと二回! 集中しろ!」
 ダルサスに続いて仲間達が声を上げる。
「落ち着けトーマ! がんばれ!」
「おまえなら出来る!」
(がんばれトーマくん!!)
 突き出したトーマの両手が震えている。
「ッ! ・・・・・・水よ!!」
 焦ったのか、二回目は的までどうにか届いたというくらい、あきらかに勢いが足りない。
(いやあああ! 失敗!)
 頭を抱える愛那。
「「トーマ!」」
「どうした! 魔力切れか!?」
 ダルサスの問いにトーマが違う、と首を振る。
「トーマ! オレらに実力差なんてないようなもんだろ!?」
「一緒に合格するぞ!」
 弱気な顔をしていたトーマが唇を噛みしめ気合いを入れる。
 そこにダルサスがトーマへと伝える。
「ラスト一回。一度深呼吸しろ」
「はい!」
「よし。そして、あの石を魔物と思え。魔法はイメージが大事だ。魔物を攻撃するつもりで魔法を放て!」
「はいっ!」
「よし! いけ!」
「水よ!!」
 ドバダダダダダダダッ!
(!)
 パアアァ
 力強い水魔法を吸収した石が光を放つ。
「やっ・・・・・・たー! トーマ!」
「よしっ!」
(よかったー! トーマくん! がんばったー! おめでとう少年達ー!!)
 満面の笑みで愛那は、その場で何度も飛び跳ね喜んだ。


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