ごめんなさい。俺の運命の恋人が超絶お怒りです。

しーぼっくす。

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 第3話:神託が下りました。

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「神官長」
 王に呼ばれ、神に感謝の祈りを捧げていた神官長が振り返る。
 そして、王とその後ろにいる王太子へと片膝をつき頭を下げた。
「陛下。無事、異世界召喚は成功にございます」
「成功? 我らが求めていた救世主とは、ずいぶんとかけ離れた者を召喚してしまったようだが?」
 座り込んだままの少女は微動だにしない。
 神官達は王と神官長の会話を黙って聞いている。
「私も最初は驚きましたが、ご安心ください。神託が下りました」
「ほぉ?」
「神はこうおっしゃいました。今回召喚された少女は、この国で一番【強き者】の【運命の恋人】である。二人の力を合わせれば、魔物を討伐することなど、容易いであろうと」
「・・・・・・何と?」
「何だと?」
 困惑している王の後ろで、王太子であるレディル・フォル・サージェルタは片眉を吊り上げた。
「この国で一番【強き者】の【運命の恋人】? そなた、召喚に失敗したからと誤魔化そうとしているのではないか?」
 神官長が王太子の疑惑に強い眼差しで答える。
「いいえ! レディル王太子殿下。神官長たる私が、神のお言葉を偽り誤魔化そうなどと、本気でお疑いか?」
 そんな神官長の気迫に、レディルは気まずげに謝罪する。
「いや、すまぬ。だがしかし・・・・・・」
 そんな二人をよそに、あごに右手をやり、考えこんだ様子を見せていた国王が納得した表情で頷く。
「異世界召喚はこの国の救世主を招くための魔術。初代国王の時と違い、今回はこの国一番の【強き者】とあの召喚された少女が【運命の恋人】であり、その二人がこの国の救世主となるわけだな」
「おお・・・・・・ッ」
 神官達が納得したという表情を見せる中、王太子が呆然とした顔で召喚された少女を見る。
「ということは、だ。レディル」
 国王の視線と声にビクリ、と体を震わす王太子。
 神官長、神官達の視線も王太子に集まる。
「この国で一番の【強き者】とは、そなたのことであろう!」
 神官達から歓喜の声が上がる。
「では! レディル王太子殿下が救世主のお一人!」
「お二人は【運命の恋人】同士であらせられるのですね!」
「神の認めし【運命の恋人】とは! なんと素晴らしい!」
「ま、待て! お前達!! お待ちください父上! お忘れですか!? 私には・・・・・・私には、愛する婚約者がいるんですよ!?」


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