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本編
盛大なすれ違い
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その日もサリウスは相変わらず文字通りに忙殺されていた。
地方の魔物狩りから都に戻って来たばかりだというのに次から次へと書類が押しつけられる。
まだ報告書もしたためていないというのに、これでは次いつリルを探しに行けるかもわからない。
右には机上に体を預けて萎びている後輩。左にはブツブツと呪詛のごとく弱音を吐きながら頭を抱える同僚。
そして並みの魔術師であっても扱うのが危険な物品が散乱しているため清掃員を入れることもできないまま、いつ掃除をしたのかもわからないほど散らかりきった部屋。
さすがのサリウスもここまで地獄絵図と化した魔塔課で集中力を保つのは難しい。
今すぐにでも席を離れてしまいたいくらいだが、上官の睨みがそれを許さない。
サリウスが好き勝手した穴をこれまで散々埋めてきたからと、ここぞとばかりにこき使ってくるのだ。
サリウスとて全く罪悪感がないわけではないが、それでも連日のこの仕打ちには嫌気が差していた。
正直、職を降りようと何度決心したことか。
しかし、それで辞めさせてもらえるほど甘くないのが魔塔である。
戦力の要となるサリウスが抜けるなどということが容認されるわけもなく、
「副長の責任というものがわからんのか!」
退職届を出そうものなら一喝の末に、本来複数で向かうような厳しい任務に一人で当たることとなる。
万が一にでも逃げ出そうものなら即座に連れ戻されるのもすでに織り込み済みだ。
実力主義の職場において、上官は力で敵うような相手でないから、命に従わないという選択肢はなく……ますますリル捜索から遠のくはめになる。
もう幾度となく繰り返されたやりとりに、大人しくしている方がまだ自由な時間がもらえると最近サリウスは学んだ。
それでも何時間も拘束されるとなると徐々に効率も悪くなるし疲労が溜まってくる。
八方を見回すと屍のような魔術師たちが汚い室内で散っているのが容易に見てとれる。
すでに限界は突破していた。
そんな風だったから、騎士団から自白強要の魔道具の貸し出し希望が告げられた際、普段なら一瞥もくれないサリウスは自ら進んで詰所まで運ぶと手を上げた。
「俺が行こう」
同じくいい加減外に出たいと押し寄せる同僚たちを瞬時に魔法で制し、扉を閉めるとサリウスは首から下だけ氷漬けとなった魔法師たちの恨み言も聞こえないふりをして伴の騎士を背にさっさと歩き出す。
廊下に差し込む穏やかな陽射しが久々にサリウスの頬を照らす。
暑いほどの温もりを受け、サリウスは季節を思い出した。
それはリルの苦手な夏の名残であった。
彼は今頃どうしているのだろうか。暑がってはいないだろか。
そんなことを考えながらも変わらぬ速度で歩いていく。
不自然なほど静まり返った騎士団に一定の間隔で足音が響く。
あまり関わりがないとはいえ、普段はもっと騒々しいことをサリウスは知っている。
しかし、今はむさ苦しい連中も鳴りを潜めているらしく、長官室の前にわずか数名の騎士が控えているだけ。
いったい何があったんだ?
自白強要の魔道具が必要なくらいだ。
どんな凶悪なやつが捕らえられたのか。ここ最近凶悪犯の知らせは聞いていないが。
世間のことに疎いとはいえ、新聞にくらいは目を通しておくべきだったか。
サリウスは密か気を引き締めた。
案内役が仰々しく開ける前に自ら進んで扉を押し、サリウスは堂々とした足取りで中に入っていく。
サリウスの凶悪犯に対峙する心得にぬかりはない。
管轄外の自分が下手に刺激するのも良くないから、あえて目線は外しておく。
これが終われば魔塔課に戻るふりをしてサボれるのだから。わざわざ猫をも殺す好奇心で首を突っ込む必要はないだろう。
長官に魔道具を手渡し、念のため使い方の説明をし、使用申請書にサインをもらえば任務完了。
もうここに用はないとサリウスがその場を去ろうとした瞬間、
「まぁま」
紛れもない赤子の声がして、サリウスは思わずその声のする方に目をやった。
すると、夢か現か幻か。求めて止まないリルの姿がそこにはあった。
モコモコとした毛並み、可愛らしい耳、クリクリの目と人の良さそうな顔立ち。
元来人にあまり興味のないサリウスにとっては人間の顔ですら覚えるのが面倒でほとんど記憶に残っていないというのに。まして毛に覆われた獣人の見分けなんて簡単につかないはずなのに、
間違いないリルだ!
なぜここにいるかはわからないが、それでもリルで違いない。
サリウスは確かに直感した。
見れば見るほど確信がより強固なものになっていく。
そして、その愛らしさも。
数えきれないほど反芻した彼よりも本物の方がずっと素晴らしい。
しばらく見ない間にどこか変わったところはないか。サリウスはリルをまじまじと注視した。
愛嬌のある瞳と可愛らしさはそのままにどこか大人っぽくなっている気がする。だけど、慈愛に満ちた眼差しが驚きに満ちているのはあの頃と変らない。贈り物をするとリルはそうやってあどけない目をして遠慮がちに微笑むのだ。
何度も脳内で再生した姿を思い出してサリウスは胸の内が温かくなるのを感じた。
観察はまだ続く。
薄い夏毛の艶がわずかながら失われているように見える。
それと、記憶の中のリルより少しほっそらしているだろうか。ちゃんと食べていないのか。
ここがどこで、リルがどういう立場なのかを忘れてサリウスはそんな心配を始める。
誰も邪魔しないのを良いことに一通りあれこれ推察して想いを馳せ感慨に浸っていると、
「まんま」
再び甲高い声がした。
リルとの再会が衝撃的すぎて完全に忘れていた。
サリウスはまさかと思いながらも声につられて目線をリルの顔から下にずらす。
果たして柔らかそうな毛並みのリルの腕の中に人間の子の姿があった。
それも今まで目に入らなかったのが不思議なくらい自分にそっくりな。
サリウスにはこれが誘拐でないことはすぐにわかった。心当たりなんていくらでもある。
間違いない。これは自分とリルの子だ。生後間もないところを見ても計算が合う。
妊娠発覚後おそらくリルは自分との身分差に苦慮して隠れて一人で子を産んだのだろう。いじらしくも大事に胎内で愛の結晶を育んで、大変なお産を耐えたのだろう。
それなのに自分ときたら……!
まったく、サリウスは情けなさとリルへの愛おしさに内心頭を抱える。
生まれた子が人の姿をしていて、しかもサリウスそっくりで幸いであった。
もしそうでなければ適当な狼獣人を父親に仕立てて、認知のためにリルがサリウスを訪ねて王都まで来ることはなかっただろうし、そうなれば必然的にサリウスが我が子のことを知るにはもっと時間がかかったはずだ。
そう事情を整理していくとリルがこんなところで自白強要魔道具を使われるほどの凶悪犯扱いを受けているのにも納得がいった。
考えれば簡単なことだ。
偏見はなくなりつつあるとはいえ、獣人が人間の子を連れていることは珍しく、王都では連れ去りもまま聞く話だ。
きっとリルは誘拐を疑われて連行されたのだろう。
しかも誰が見てもサリウスそっくりの子だ。貴族の子女誘拐は立派な重犯罪にあたる。跡取りと想定される長子なら尚更。
奥手なリルは父親がサリウスだと説明できなかったのか、はたまた説明してもそれを長官たちが信じなかったのか。
何はともあれ偶然であれど、こうして事が大きくなりすぎる前に再び相まみえたのは幸いなことだ。魔道具を運ぶ役を買って出て正解だった。
この奇妙な巡り合わせにサリウスは感謝した。
そして、そうとわかればすることは一つ。
まずはリルを解放してもらわなければ。
「長官殿、彼は私の妻です。子供も私との子で間違いありません」
リルに目線を合わせたままサリウスは言い放つ。
「ちょっと待ってくれ、君は未婚だろう!」
そんな話、聞いていないとばかりに慌てた様子の長官は声を荒げる。
「確かにまだ正式に婚姻を結んでいるわけではありませんが、すでに番の仲です」
「そんな報告はなかったはずだ!」
「番に関する報告はあくまで任意で義務ではなかったはずですが」
気が動転して騒ぎ立てる長官と見かけだけは冷静沈着なサリウス。軍配は当然後者に上がる。
そして、そんな二人のやり取りにポカンとするしかないリル。
その光景は慣れない環境の変化に落ち着きをなくした子が泣き始めるまで続いた。
「ふぇええん!」
一般的な赤子よりもずっと通った大きな泣き声に大人たちは平静を取り戻す。
リルが咄嗟に子をあやしている間に、
「とにかく、この子は私の子ですから」
心配ご無用。他人の出る幕ではない。
「もういいですよね」
とサリウスは話を勝手に切り上げると、リルの腰を抱いて長官室を後にする。
扉越しの背後からは、
「念のため親子鑑定の魔道具を……!」
なんて訴えかけてくる長官がいるがサリウスはそれを無視して、リルを誘導する。
誰がどう見てもサリウスそっくりであるのだから、そんな必要ないだろう。自分でも一目でわかったくらいだ。
見張りの騎士も魔法で攻撃されでもしたらサリウスに敵わないことは百も承知なので敢えて追ってくることはない。
あまりの急展開に戸惑いながらも、道中リルの子守りの腕はたいしたもので廊下を抜ける頃には子の涙は止まっていた。
地方の魔物狩りから都に戻って来たばかりだというのに次から次へと書類が押しつけられる。
まだ報告書もしたためていないというのに、これでは次いつリルを探しに行けるかもわからない。
右には机上に体を預けて萎びている後輩。左にはブツブツと呪詛のごとく弱音を吐きながら頭を抱える同僚。
そして並みの魔術師であっても扱うのが危険な物品が散乱しているため清掃員を入れることもできないまま、いつ掃除をしたのかもわからないほど散らかりきった部屋。
さすがのサリウスもここまで地獄絵図と化した魔塔課で集中力を保つのは難しい。
今すぐにでも席を離れてしまいたいくらいだが、上官の睨みがそれを許さない。
サリウスが好き勝手した穴をこれまで散々埋めてきたからと、ここぞとばかりにこき使ってくるのだ。
サリウスとて全く罪悪感がないわけではないが、それでも連日のこの仕打ちには嫌気が差していた。
正直、職を降りようと何度決心したことか。
しかし、それで辞めさせてもらえるほど甘くないのが魔塔である。
戦力の要となるサリウスが抜けるなどということが容認されるわけもなく、
「副長の責任というものがわからんのか!」
退職届を出そうものなら一喝の末に、本来複数で向かうような厳しい任務に一人で当たることとなる。
万が一にでも逃げ出そうものなら即座に連れ戻されるのもすでに織り込み済みだ。
実力主義の職場において、上官は力で敵うような相手でないから、命に従わないという選択肢はなく……ますますリル捜索から遠のくはめになる。
もう幾度となく繰り返されたやりとりに、大人しくしている方がまだ自由な時間がもらえると最近サリウスは学んだ。
それでも何時間も拘束されるとなると徐々に効率も悪くなるし疲労が溜まってくる。
八方を見回すと屍のような魔術師たちが汚い室内で散っているのが容易に見てとれる。
すでに限界は突破していた。
そんな風だったから、騎士団から自白強要の魔道具の貸し出し希望が告げられた際、普段なら一瞥もくれないサリウスは自ら進んで詰所まで運ぶと手を上げた。
「俺が行こう」
同じくいい加減外に出たいと押し寄せる同僚たちを瞬時に魔法で制し、扉を閉めるとサリウスは首から下だけ氷漬けとなった魔法師たちの恨み言も聞こえないふりをして伴の騎士を背にさっさと歩き出す。
廊下に差し込む穏やかな陽射しが久々にサリウスの頬を照らす。
暑いほどの温もりを受け、サリウスは季節を思い出した。
それはリルの苦手な夏の名残であった。
彼は今頃どうしているのだろうか。暑がってはいないだろか。
そんなことを考えながらも変わらぬ速度で歩いていく。
不自然なほど静まり返った騎士団に一定の間隔で足音が響く。
あまり関わりがないとはいえ、普段はもっと騒々しいことをサリウスは知っている。
しかし、今はむさ苦しい連中も鳴りを潜めているらしく、長官室の前にわずか数名の騎士が控えているだけ。
いったい何があったんだ?
自白強要の魔道具が必要なくらいだ。
どんな凶悪なやつが捕らえられたのか。ここ最近凶悪犯の知らせは聞いていないが。
世間のことに疎いとはいえ、新聞にくらいは目を通しておくべきだったか。
サリウスは密か気を引き締めた。
案内役が仰々しく開ける前に自ら進んで扉を押し、サリウスは堂々とした足取りで中に入っていく。
サリウスの凶悪犯に対峙する心得にぬかりはない。
管轄外の自分が下手に刺激するのも良くないから、あえて目線は外しておく。
これが終われば魔塔課に戻るふりをしてサボれるのだから。わざわざ猫をも殺す好奇心で首を突っ込む必要はないだろう。
長官に魔道具を手渡し、念のため使い方の説明をし、使用申請書にサインをもらえば任務完了。
もうここに用はないとサリウスがその場を去ろうとした瞬間、
「まぁま」
紛れもない赤子の声がして、サリウスは思わずその声のする方に目をやった。
すると、夢か現か幻か。求めて止まないリルの姿がそこにはあった。
モコモコとした毛並み、可愛らしい耳、クリクリの目と人の良さそうな顔立ち。
元来人にあまり興味のないサリウスにとっては人間の顔ですら覚えるのが面倒でほとんど記憶に残っていないというのに。まして毛に覆われた獣人の見分けなんて簡単につかないはずなのに、
間違いないリルだ!
なぜここにいるかはわからないが、それでもリルで違いない。
サリウスは確かに直感した。
見れば見るほど確信がより強固なものになっていく。
そして、その愛らしさも。
数えきれないほど反芻した彼よりも本物の方がずっと素晴らしい。
しばらく見ない間にどこか変わったところはないか。サリウスはリルをまじまじと注視した。
愛嬌のある瞳と可愛らしさはそのままにどこか大人っぽくなっている気がする。だけど、慈愛に満ちた眼差しが驚きに満ちているのはあの頃と変らない。贈り物をするとリルはそうやってあどけない目をして遠慮がちに微笑むのだ。
何度も脳内で再生した姿を思い出してサリウスは胸の内が温かくなるのを感じた。
観察はまだ続く。
薄い夏毛の艶がわずかながら失われているように見える。
それと、記憶の中のリルより少しほっそらしているだろうか。ちゃんと食べていないのか。
ここがどこで、リルがどういう立場なのかを忘れてサリウスはそんな心配を始める。
誰も邪魔しないのを良いことに一通りあれこれ推察して想いを馳せ感慨に浸っていると、
「まんま」
再び甲高い声がした。
リルとの再会が衝撃的すぎて完全に忘れていた。
サリウスはまさかと思いながらも声につられて目線をリルの顔から下にずらす。
果たして柔らかそうな毛並みのリルの腕の中に人間の子の姿があった。
それも今まで目に入らなかったのが不思議なくらい自分にそっくりな。
サリウスにはこれが誘拐でないことはすぐにわかった。心当たりなんていくらでもある。
間違いない。これは自分とリルの子だ。生後間もないところを見ても計算が合う。
妊娠発覚後おそらくリルは自分との身分差に苦慮して隠れて一人で子を産んだのだろう。いじらしくも大事に胎内で愛の結晶を育んで、大変なお産を耐えたのだろう。
それなのに自分ときたら……!
まったく、サリウスは情けなさとリルへの愛おしさに内心頭を抱える。
生まれた子が人の姿をしていて、しかもサリウスそっくりで幸いであった。
もしそうでなければ適当な狼獣人を父親に仕立てて、認知のためにリルがサリウスを訪ねて王都まで来ることはなかっただろうし、そうなれば必然的にサリウスが我が子のことを知るにはもっと時間がかかったはずだ。
そう事情を整理していくとリルがこんなところで自白強要魔道具を使われるほどの凶悪犯扱いを受けているのにも納得がいった。
考えれば簡単なことだ。
偏見はなくなりつつあるとはいえ、獣人が人間の子を連れていることは珍しく、王都では連れ去りもまま聞く話だ。
きっとリルは誘拐を疑われて連行されたのだろう。
しかも誰が見てもサリウスそっくりの子だ。貴族の子女誘拐は立派な重犯罪にあたる。跡取りと想定される長子なら尚更。
奥手なリルは父親がサリウスだと説明できなかったのか、はたまた説明してもそれを長官たちが信じなかったのか。
何はともあれ偶然であれど、こうして事が大きくなりすぎる前に再び相まみえたのは幸いなことだ。魔道具を運ぶ役を買って出て正解だった。
この奇妙な巡り合わせにサリウスは感謝した。
そして、そうとわかればすることは一つ。
まずはリルを解放してもらわなければ。
「長官殿、彼は私の妻です。子供も私との子で間違いありません」
リルに目線を合わせたままサリウスは言い放つ。
「ちょっと待ってくれ、君は未婚だろう!」
そんな話、聞いていないとばかりに慌てた様子の長官は声を荒げる。
「確かにまだ正式に婚姻を結んでいるわけではありませんが、すでに番の仲です」
「そんな報告はなかったはずだ!」
「番に関する報告はあくまで任意で義務ではなかったはずですが」
気が動転して騒ぎ立てる長官と見かけだけは冷静沈着なサリウス。軍配は当然後者に上がる。
そして、そんな二人のやり取りにポカンとするしかないリル。
その光景は慣れない環境の変化に落ち着きをなくした子が泣き始めるまで続いた。
「ふぇええん!」
一般的な赤子よりもずっと通った大きな泣き声に大人たちは平静を取り戻す。
リルが咄嗟に子をあやしている間に、
「とにかく、この子は私の子ですから」
心配ご無用。他人の出る幕ではない。
「もういいですよね」
とサリウスは話を勝手に切り上げると、リルの腰を抱いて長官室を後にする。
扉越しの背後からは、
「念のため親子鑑定の魔道具を……!」
なんて訴えかけてくる長官がいるがサリウスはそれを無視して、リルを誘導する。
誰がどう見てもサリウスそっくりであるのだから、そんな必要ないだろう。自分でも一目でわかったくらいだ。
見張りの騎士も魔法で攻撃されでもしたらサリウスに敵わないことは百も承知なので敢えて追ってくることはない。
あまりの急展開に戸惑いながらも、道中リルの子守りの腕はたいしたもので廊下を抜ける頃には子の涙は止まっていた。
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