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本編
王都来訪
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リルが山の麓を発って五日が経った。
本来なら三日足らずで王都に到着する道のりも、赤子を連れての旅となるとそう容易ではなく、想定していたよりも時間がかかってしまったが、それでも何とか目的の地まで辿り着けた。
「夜泣きがあったら迷惑だから」
そう途中荷馬車に断られた時にはどうしたものかと頭を悩ませたが、空気を読んだのか慣れない環境にそんな気力もないのか、子が随分と大人しくしてくれたので助かった。
そのおかげでちょっと値は張るが乗り合い馬車を運よく拾え、順調に王都までの道を進んで来られた。
ただ今までが何だったんだってくらい静かにしているものだから、親としてリルは心配にもなったけれど、特段体調が悪い様子もなく、むしろ子は健康そのもの。
見かけは人間寄りなのに乳だって狼獣人の新生児と同じくらいたっぷり欲しがるし、ハイハイだってすでに覚えている。
果たしてこれが人間でいう「普通」かは判らないが、老先生に「早いね」と言われるとやっぱり獣人の血を引いているからなんだろうなという気にはなってくる。
加えて近頃は夜泣きの代わりに遠吠えの練習だってしているところを見るにつけても、本当に「半獣」といった有様である。
まだ小さいとは言え、夜半に声を上げられては堪らないと注意すれば子はもう言葉を理解しているのか、ちゃんと言いつけを守った。
わずか数日前まで身を寄せていた実家ではもっと我儘に奔放に振舞っていたというのに。この成長ぶりはいったい……そう考えてリルはハタと、この子は決して自分を困らせようとしているわけじゃないと悟った。
むしろとっても賢くて良い子なのだ。
まだ生後数ヵ月だというのに機敏に自身を取り巻く環境の変化を察知して、それに応じて合わせてくれている。
本当だったら泣くのが仕事で、親の手を焼くのが普通であるはずなのに。
これもサリウスの血のおかげだろうか。腹の中にいたこの子を気味悪がるなんて申し訳ないことをした。
リルは子を寝かしつけながら反省する。
頭を撫でると絹のように柔らかい髪が指をすぅっと通っていく。たまに耳に触れるとピンッと張るところが獣人らしくてちょっとおかしい。
身重だった頃、子を厄介者として扱ってきたのが間違いだったと痛感させられるほど、子連れのリルに親切にしてくれる者も多かった。
乗り継いだ馬車で一緒になった理解ある老夫婦なんかは子を可愛がって抱っこまで変わってくれたり、
「自分たちも身体がもう昔ほど丈夫でないから」
と道が悪い場所なんかを遠回りして避けるように車夫に頼んでくれたりなんかもした。
優しくされる度、リルは感謝した。ひとりなら彼らの気遣いを受けることは決してなかっただろうと思えば、自然と子の偉大さを知った。
こんなに小さな手をしている小さな命が、実はとても大きなものなのだと。それを「価値」などと表してしまうのはあまりに直截的すぎるだろうか。
あんまり揺れると産後の母体にも子にも悪かろうと気を遣ってわざわざスピードまで落としてくれたので、予定より進みは遅くなったが、覚悟していたよりも楽な旅路で体力の消耗も想定より軽い。
とはいえ、長旅には変わりないので王都の門をくぐる頃にはすっかり疲弊してしまったのもまた事実。
本来なら昼頃には都入りして、宿をとって休む予定だったのだが。
関所で足止めをくらったせいでそれは叶わなかった。
ただでさえ検問は長蛇の列であるというのに、自分は獣人、しかも子が半獣だという理由でなかなか解放されなかったのだ。
罪歴もなく、狼獣人とはいえあまり力を持たないオメガだとわかったらリルの方はしばらく様々に質問された後すぐに解放されたが、問題は子の方だった。
半獣の子というのは全くいないわけでないと聞いてはいたものの、王都でもまだまだ珍しい存在らしく、門番にはかなり怪訝な目で見られ、上へ上へとたらい回し。挙句の果てに「長官」と呼ばれる者まで出てきて審問までされる始末。
その間、リルは子を抱っこにおんぶにとあやし続けたせいで足腰も限界寸前だった。
その気持ちに応えたのか、本来なら堪え性のない子供なんて駄々をこねて泣くものだろうが、腹が減ろうと眠たかろうと子は眉間にシワを寄せながらも大人しく耐えてくれた。
「ふむ、怪しいところはなさそうだな。通って良いぞ」
最後に長官がそう書類の束をトントンと机上で音を立てて揃えたところで、二人はようやく解放された。
追い返されなかっただけマシなのだろうが、平時よりも気を張っていたことも手伝って、リルも子もすでに疲労困憊である。
獣人が人間の主たる居住区に踏み入るのは容易でないと聞いてはいたが、まさかこんなに大変だったとは。
リル一人でも「凶暴性はないか」だの「過去に罪を犯していないか」だのと詰め寄られたのだろうが、子が世にも奇妙な半獣とあってはそれもさらに厳しくなった。
そうしてなんとか街の中心に差し掛かる頃には陽はとっぷり暮れ辺り一帯が薄暗くなった後だった。
「まずは宿を確保しないと」
土地勘はないが、そんなこと言っていられない。
自分一人なら狼獣人だし、もうフェロモンをまき散らすこともないから多少の野宿でも耐え得るが、子にそんなことはさせられない。
おんぶ紐をしっかり締め直して、リルはノロノロとした足取りで彷徨い始める。
街のつくり自体はリルが元々住んでいた辺りとそう変わらないようで、石畳で舗装された道の上には店々が立ち並んでいた。
違いと言えばその規模感だろうか。
街を横切るように真っすぐにメインの通りが続いているのではなく、中心となる王城と思しき頭の高い建物を中心に何重にも輪を描くように成り立っているらしい。
もちろん中央にあるのは宮殿だけでなく、貴族のお屋敷であるタウンハウスや図書館、教会、広場なんかも集まっているのとか。
それから外に広がるように商業地区をはじめ市民の住む家が位置しているのがだいたいの構造だろうか。
リルは関所つまり外側から真ん中に向かって順に宿の看板を見つけては、
「今晩空いていませんか」
と尋ねて回った。
襟好みするほどの余裕はないので、リルが目にしたところは誇張なく本当に全て伺った。
しかし、すでに陽が落ちた後ということもありどこも満室という有様だ。
せっかく夢見た王都だというのに景色を楽しむ余裕すらないまま、ひたすら歩を進めることしばらく。
リルはとうとう広場にまで至った。
時間帯のせいか辺りに人影はない。きっと皆お家に帰って家族で食卓を囲んでいる頃合いなのだろうとリルは思った。
もしかしたらサリウスさんも素敵な奥さんとご飯を食べているのかも。
頭の片隅に浮かんだ可能性がちょっぴりリルを虚しくさせる。
なんでだろう、別にサリウスさんは僕のものでもないのに。ただの、事実上の番。それも事故みたいな出来事によって契約が成されただけで。僕がサリウスさんの家庭にアレコレ言う資格なんてないのに。どうして彼が妻を持つことにモヤモヤするのだろう。
胸のつかえがなんだか苦しくて、リルは目の前のベンチに引き寄せられるように座り込んだ。
夜はいけない。ついつい感傷的になってしまう。
俯くと涙が出そうだったから、堪えて前を向いた。
意図せず腰掛けた場所はちょうど豪華な石造りの噴水と並んだ、国王らしき人の銅像の真正面。
王都になんてこれまで一度も来たことのないリルは当然王様の顔なんて見たことがないし、偉い人のことなんて正直どうだって良かった。
だけど、今はこの人が憎らしい。サリウスに結婚するよう命じるなんて余計なことをしたから。
そう思う一方で冷静な部分は「たとえサリウスがそんな命令を受けなかったとしても、身分差のあるリルは決して彼に選ばれるわけがないんだから」と意地悪を言ってくる。
わかっている。そんなことは全部わかっている。
それでも、今は全部王様のせいにしてしまいたかった。
リルがグッと内から溢れ出る何かを呑み込むと、呼応するように子が泣き出す。
今まで大人しかったのが嘘のように、思いっきり端正な顔を歪めて嗚咽をあげるものだから、リルは慌てて抱いた子を揺らして機嫌を取る。
「よしよし、いい子いい子」
おしめは重くなっていない。腹が減ったのか。
公共の場で乳をやるのは気が引けたが、狼獣人の血か、本気でぐずっている時は随分大きな声で泣かれるのでリルは仕方なくその乳房を子に含ませた。
あまり騒いで人に咎められるのは悪手だ。
「まあ、どうせ誰もいないし。いいよね」
わずかながらの街灯の中、子はグングンと勢いよく乳を吸っていく。その生命力にリルは毎度のことながら驚かされ、それと同時に「かわいい」と更なる情が湧くのだから不思議だ。
やがて満足したのか、子が乳房を解放したのを見て、リルが子の背中をトントンと叩いてやっていると、
「そこで何をしている」
いつからそこにいたのだろうか、大きな黒い影がゆっくりと後ろから迫ってきた。
本来なら三日足らずで王都に到着する道のりも、赤子を連れての旅となるとそう容易ではなく、想定していたよりも時間がかかってしまったが、それでも何とか目的の地まで辿り着けた。
「夜泣きがあったら迷惑だから」
そう途中荷馬車に断られた時にはどうしたものかと頭を悩ませたが、空気を読んだのか慣れない環境にそんな気力もないのか、子が随分と大人しくしてくれたので助かった。
そのおかげでちょっと値は張るが乗り合い馬車を運よく拾え、順調に王都までの道を進んで来られた。
ただ今までが何だったんだってくらい静かにしているものだから、親としてリルは心配にもなったけれど、特段体調が悪い様子もなく、むしろ子は健康そのもの。
見かけは人間寄りなのに乳だって狼獣人の新生児と同じくらいたっぷり欲しがるし、ハイハイだってすでに覚えている。
果たしてこれが人間でいう「普通」かは判らないが、老先生に「早いね」と言われるとやっぱり獣人の血を引いているからなんだろうなという気にはなってくる。
加えて近頃は夜泣きの代わりに遠吠えの練習だってしているところを見るにつけても、本当に「半獣」といった有様である。
まだ小さいとは言え、夜半に声を上げられては堪らないと注意すれば子はもう言葉を理解しているのか、ちゃんと言いつけを守った。
わずか数日前まで身を寄せていた実家ではもっと我儘に奔放に振舞っていたというのに。この成長ぶりはいったい……そう考えてリルはハタと、この子は決して自分を困らせようとしているわけじゃないと悟った。
むしろとっても賢くて良い子なのだ。
まだ生後数ヵ月だというのに機敏に自身を取り巻く環境の変化を察知して、それに応じて合わせてくれている。
本当だったら泣くのが仕事で、親の手を焼くのが普通であるはずなのに。
これもサリウスの血のおかげだろうか。腹の中にいたこの子を気味悪がるなんて申し訳ないことをした。
リルは子を寝かしつけながら反省する。
頭を撫でると絹のように柔らかい髪が指をすぅっと通っていく。たまに耳に触れるとピンッと張るところが獣人らしくてちょっとおかしい。
身重だった頃、子を厄介者として扱ってきたのが間違いだったと痛感させられるほど、子連れのリルに親切にしてくれる者も多かった。
乗り継いだ馬車で一緒になった理解ある老夫婦なんかは子を可愛がって抱っこまで変わってくれたり、
「自分たちも身体がもう昔ほど丈夫でないから」
と道が悪い場所なんかを遠回りして避けるように車夫に頼んでくれたりなんかもした。
優しくされる度、リルは感謝した。ひとりなら彼らの気遣いを受けることは決してなかっただろうと思えば、自然と子の偉大さを知った。
こんなに小さな手をしている小さな命が、実はとても大きなものなのだと。それを「価値」などと表してしまうのはあまりに直截的すぎるだろうか。
あんまり揺れると産後の母体にも子にも悪かろうと気を遣ってわざわざスピードまで落としてくれたので、予定より進みは遅くなったが、覚悟していたよりも楽な旅路で体力の消耗も想定より軽い。
とはいえ、長旅には変わりないので王都の門をくぐる頃にはすっかり疲弊してしまったのもまた事実。
本来なら昼頃には都入りして、宿をとって休む予定だったのだが。
関所で足止めをくらったせいでそれは叶わなかった。
ただでさえ検問は長蛇の列であるというのに、自分は獣人、しかも子が半獣だという理由でなかなか解放されなかったのだ。
罪歴もなく、狼獣人とはいえあまり力を持たないオメガだとわかったらリルの方はしばらく様々に質問された後すぐに解放されたが、問題は子の方だった。
半獣の子というのは全くいないわけでないと聞いてはいたものの、王都でもまだまだ珍しい存在らしく、門番にはかなり怪訝な目で見られ、上へ上へとたらい回し。挙句の果てに「長官」と呼ばれる者まで出てきて審問までされる始末。
その間、リルは子を抱っこにおんぶにとあやし続けたせいで足腰も限界寸前だった。
その気持ちに応えたのか、本来なら堪え性のない子供なんて駄々をこねて泣くものだろうが、腹が減ろうと眠たかろうと子は眉間にシワを寄せながらも大人しく耐えてくれた。
「ふむ、怪しいところはなさそうだな。通って良いぞ」
最後に長官がそう書類の束をトントンと机上で音を立てて揃えたところで、二人はようやく解放された。
追い返されなかっただけマシなのだろうが、平時よりも気を張っていたことも手伝って、リルも子もすでに疲労困憊である。
獣人が人間の主たる居住区に踏み入るのは容易でないと聞いてはいたが、まさかこんなに大変だったとは。
リル一人でも「凶暴性はないか」だの「過去に罪を犯していないか」だのと詰め寄られたのだろうが、子が世にも奇妙な半獣とあってはそれもさらに厳しくなった。
そうしてなんとか街の中心に差し掛かる頃には陽はとっぷり暮れ辺り一帯が薄暗くなった後だった。
「まずは宿を確保しないと」
土地勘はないが、そんなこと言っていられない。
自分一人なら狼獣人だし、もうフェロモンをまき散らすこともないから多少の野宿でも耐え得るが、子にそんなことはさせられない。
おんぶ紐をしっかり締め直して、リルはノロノロとした足取りで彷徨い始める。
街のつくり自体はリルが元々住んでいた辺りとそう変わらないようで、石畳で舗装された道の上には店々が立ち並んでいた。
違いと言えばその規模感だろうか。
街を横切るように真っすぐにメインの通りが続いているのではなく、中心となる王城と思しき頭の高い建物を中心に何重にも輪を描くように成り立っているらしい。
もちろん中央にあるのは宮殿だけでなく、貴族のお屋敷であるタウンハウスや図書館、教会、広場なんかも集まっているのとか。
それから外に広がるように商業地区をはじめ市民の住む家が位置しているのがだいたいの構造だろうか。
リルは関所つまり外側から真ん中に向かって順に宿の看板を見つけては、
「今晩空いていませんか」
と尋ねて回った。
襟好みするほどの余裕はないので、リルが目にしたところは誇張なく本当に全て伺った。
しかし、すでに陽が落ちた後ということもありどこも満室という有様だ。
せっかく夢見た王都だというのに景色を楽しむ余裕すらないまま、ひたすら歩を進めることしばらく。
リルはとうとう広場にまで至った。
時間帯のせいか辺りに人影はない。きっと皆お家に帰って家族で食卓を囲んでいる頃合いなのだろうとリルは思った。
もしかしたらサリウスさんも素敵な奥さんとご飯を食べているのかも。
頭の片隅に浮かんだ可能性がちょっぴりリルを虚しくさせる。
なんでだろう、別にサリウスさんは僕のものでもないのに。ただの、事実上の番。それも事故みたいな出来事によって契約が成されただけで。僕がサリウスさんの家庭にアレコレ言う資格なんてないのに。どうして彼が妻を持つことにモヤモヤするのだろう。
胸のつかえがなんだか苦しくて、リルは目の前のベンチに引き寄せられるように座り込んだ。
夜はいけない。ついつい感傷的になってしまう。
俯くと涙が出そうだったから、堪えて前を向いた。
意図せず腰掛けた場所はちょうど豪華な石造りの噴水と並んだ、国王らしき人の銅像の真正面。
王都になんてこれまで一度も来たことのないリルは当然王様の顔なんて見たことがないし、偉い人のことなんて正直どうだって良かった。
だけど、今はこの人が憎らしい。サリウスに結婚するよう命じるなんて余計なことをしたから。
そう思う一方で冷静な部分は「たとえサリウスがそんな命令を受けなかったとしても、身分差のあるリルは決して彼に選ばれるわけがないんだから」と意地悪を言ってくる。
わかっている。そんなことは全部わかっている。
それでも、今は全部王様のせいにしてしまいたかった。
リルがグッと内から溢れ出る何かを呑み込むと、呼応するように子が泣き出す。
今まで大人しかったのが嘘のように、思いっきり端正な顔を歪めて嗚咽をあげるものだから、リルは慌てて抱いた子を揺らして機嫌を取る。
「よしよし、いい子いい子」
おしめは重くなっていない。腹が減ったのか。
公共の場で乳をやるのは気が引けたが、狼獣人の血か、本気でぐずっている時は随分大きな声で泣かれるのでリルは仕方なくその乳房を子に含ませた。
あまり騒いで人に咎められるのは悪手だ。
「まあ、どうせ誰もいないし。いいよね」
わずかながらの街灯の中、子はグングンと勢いよく乳を吸っていく。その生命力にリルは毎度のことながら驚かされ、それと同時に「かわいい」と更なる情が湧くのだから不思議だ。
やがて満足したのか、子が乳房を解放したのを見て、リルが子の背中をトントンと叩いてやっていると、
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