書きなぐり草子

砕田みつを

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とある高校生の帰り道

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タッタッタッタ

「おつかれー!みーなみくんっ!!」

バシッ

「イデェ!!」

「あ、ごめん痛かった?」

「痛いわ!え、なに突然!その袋の中何が入ってんだよ!」

「えー?・・・スパイク?」

「そりゃいてーよ!!!逆になんで痛くないと思ったんだよ!?」

「え、だって私か弱い女の子だよ?」

「自分で言うな!そして清水はか弱くねえ!!ゴリラレベルだ!」

「女子にゴリラってひどくなーい?」

「人をスパイク入りの袋で殴りかかるような人間の方が恐ろしいわ。」

「南くんなら頑丈だから大丈夫だと思ったんだけどなぁ」

「なぁ、じゃないよなぁじゃ。俺をなんだと思ってるんだ・・・」

「・・・人間」 

「じゃあ普通に痛いよ!!!」

「耐えそう」

「耐えない!!!耐えてない!!!!」

「もーごめんってー。お詫びにコンビニでアイス奢るからっ。」

「ぬーん・・・いやまあ別に今は痛くないから大丈夫だけど・・・」

「ほんと?じゃあ次見かけた時もやるね?」

「やるな!!!」

「えー、でもそれくらいしないと南くん私のこと無視するじゃんかぁ。」

「いや声かけてくれたら反応するわ」

「でもこの前もさぁ、声かけたのに『お、おうおおおはよう』みたいな感じだったじゃんかぁ。寂しいなぁそれはぁ。」

「うっ・・・そのモノマネ悪意しかないぞ。」

「いやでもほんとだし。」

「突然声かけられたらビックリしただけだ。・・・その、緊張するし・・・」

「朝の挨拶で緊張とか高校生でそんなことあるー?てか、なんで緊張すんの?」

「いや緊張するときはするんだよ、ってか顔近い!はずいからやめろ!」

「もしかしてー、私のこと可愛いとか思ってんのー?こんな男勝りなのにー?」

「・・・」

「えー、なになにー?黙っちゃってー。図星かー?おいおいー。」

「・・・可愛い、とは、思う。」

「え・・・」

「い、いや別に変な意味じゃなく普通に、清水はかわいいと思うよってだけの話!」

「・・・」

「し、清水・・・?」

「そっか。」

「?」

「じゃあ今度見つけたときもしっかりこのスパイクで叩いてあげるね!」

「いやそんな話はしてないだろ!!ってかなんでそっち見てんだ?塀なんか見る種族だっけおまえ。」

「べつになんでもないよ。気分。」

「ふーん。そうか。ま、コンビニ着いたし奢ってもらいますかね?」

「アイス、なんか好きなのとかあったっけ?」

「うーん、特に拘りはないけど、冬だし、普段食べない変わり種にしようかなぁ。清水は?」

「私はバーゲンダーツ一択かな。」
 
「いやいつまでそっち見てんのまじで・・・まあいいや。じゃあそれは俺が奢るわ。」

「え、マジで?」

「お、おう。だから突然顔近づけるのやめろって。勘違いするから・・・」

「?勘違い?」

「あー、いや、なんでもない、今の忘れて?」 

「えーどゆことー、気になるんだけどー。」

「あっ、バーゲンダーツ期間限定とかあるじゃん先乗りするしかねえわー(棒)」

「えっ、待ってよーコンビニなのにそんな走る必要なくないー?」 

「あっ、それとな、清水。」

「なにー?走りながら言う必要ある言葉?」

「俺、北だからな。名字。」

「え、知ってるよ?南くん?」

「だから、北だっての・・・」

「まあいいじゃないか、南くん。ほら、追い抜いちゃうぞー?」

「はぁ、はぁ、思ったよりコンビニまでまだ距離あったのに走り出すんじゃなかった・・・陸上部には、はぁ、はぁ、勝てねえ・・・」

「南くんがんばれー、ここでも私に負けちゃうのかなー?」

「くっそ・・・息も切らさずに、はぁ、腹立つなぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「先についた方が+で何か奢ることにしよーねー?」

「走りながら・・・追加ルール・・・設定すんな・・はぁ!」

「じゃ、お先ー」

「ぐぬあああああああ清水ううううううううううう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」









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