書きなぐり草子

砕田みつを

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嗚呼

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俺は逆張りしたいだけで、悪いやつでいたくないだけで、自分の弱さを認めたくないだけで、決して特別なんかじゃない。

体の中心部から指先までじわじわと、むかむかと染み行くこの恐るべき欲求。ずっと隠していたおぞましい嗜虐性を嫌が応にも理解させられる。

これは、俺が生まれもった、又は得てしまった、頭から尻まで真っ黒な悪そのものだ。膨れ上がった俺の中の闇は、もう抑えきれない。小さかったはずの芽は、ドス黒い果実をぶら下げた枝を支える頑丈な幹となり、根は俺の至るところに張り巡らされた。大きな果実ははち切れそうになりながら、その内部に凄惨な欲望を溜め込んでいる。激しく脈打つソレはいつ決壊して、溢れでてくるかも分からない。

導かれるは不安か、期待か。俺の本心がどちらであれ、逆張りの俺がいる限り、望まれた結果しか起こり得ない。そう、全ては結果ありきの結果。

だから、俺はどちらも選べない、選ぶわけにはいかない。

この欲望は邪な悪、そのものなのだから。
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