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第三十二章 親権編
第百六十六話 捨て子
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「みんなおかえり。」
「おかえりじゃないわよ!!どうなる事かと思ったわよ!!NPCのあなたは何もしてくれないし私達本当に帰れなくなるところだったのよ!?」
紅葉がお嬢に両肩を掴まれて頭を強く揺される。
「わー!わー!グラグラするー!」
「まあ紅葉を許してやってくれお嬢。人間誰しも完璧なやつなんていないのだからバグの1つや2つぐらいあっても仕方ないだろう。」
お嬢が楓の方に振り返る。
「あなたもあなたよ!何で何も考えずに飛び込んで死んじゃうのよ!!今度こそ誰も死なないようにって決めたのに!!同じ悲しみを味あわせないでよ!!全く!!」
「ああ、それはすまなかった。」
「でも、こうして無事に帰れてよかったですね!紅葉さんがバグを検出してから私達を元の世界に戻してくれたので今こうしていられるんですよ!」
「萌美もみんなと楽しく学校生活送れて楽しかったですよ~♡」
「みんな能天気にも程があるわよ!あれからあっちの時間で何日経ったと思って…って、黎?」
「………。」
お嬢はふと黎の方に目をやる。
「黎?」
「玄関の前に幼女の気配を感じます。こんな夜遅くだというのに…。」
「…え?」
黎が立ち上がって玄関まで向かおうとする。
「まて、オレが行く。」
楓が黎を止めて立ち上がり玄関まで向かう。
「………わかりました。」
「まさか…こんなタイミングで…?」
紅葉が楓が歩いていくのを見ながら自分の創ったゲームのNPCが頭をよぎる。
楓が玄関の前に立つ。
「ガチャン。」
玄関の扉を開ける。
茶色いショートヘアの幼女が指を咥えて家を見上げていた。
「…なぜここにいる…。」
「おおきいおうち…。」
幼女が呟く。
楓が幼女を抱き抱えて家の中に入れる。
そしてスィートルームまで連れて来る。
幼女は不思議そうに周囲を見渡す。
「楓お姉様…!その子やっぱり…!」
「ああ、コイツは…」
「何よこの子~♡可愛いじゃな~い♡どこから来たの~?♡なんて名前~?♡」
お嬢が楓の抱いている幼女に夢中になってデレデレする。
「おばさんだれ~?」
「ピキッ!」
お嬢の表情が一変して鬼のような形相になる。
「こらーーーっっっ!!!私の事はお嬢様でしょーーーがーーーっっっ!!!」
お嬢は相手が幼女だろうと容赦しない。
「そうなんだ~。」
幼女はお嬢を相手にしてない。
「むむむむむむむ…!この子っっ!ちょっとお仕置きが必要ねっ!!!」
「いや、実は叔母で間違いではな…」
「何言ってるのよ!!!私はお嬢よ!!!お・じょ・うっ!!!楓ちゃんもお仕置き受けたいの!?」
「コイツはオレと高柳遥輝の娘のエマだ。つまりお嬢の姪っ子だ。」
「確かにそれは叔母…」
「なに!?晶ちゃん!?」
「ひ…!いえ…!!お嬢様はお嬢様ですね…!あは…あはは…。」
「私の事をちゃんとお嬢って呼ばない子は誰であろうとお仕置きよ!!」
「お嬢…もうどっちが子供かわからないぐらいムキになってますよ…。」
「黎も私の事おばさんだって言うの!?」
「そんなわけないじゃないですか。お嬢がずっと怒ってばかりいるからお嬢の事が心配なんですよ。怒ってばかりいると身体に良くないですから。まぁそんなお嬢も俺にとっては見ていてなんだか可愛らしいですが。さぁ、可愛らしいお嬢様はこっちに来てください。」
「むむむむむむむ……。」
お嬢が不服そうな顔で少し顔を赤くして黎のもとに行き、あぐらをかいた黎の膝の上に座る。
「なんだか嫌な予感がするんですよね。今まで隠し子だったような娘が突然家の玄関の前に現れ母親の前に姿を現したんです。しかもその父親はあの高柳遥輝で高柳グループには多賀結月と下田未来の世話係がいたんですよね。簡単に手放すとは思いません。おかしいと思いませんか?」
「確かにおかしいです~。タイミングが良すぎるというか~、そもそもエマちゃんはさっき萌美達がゲームの中で知った子ですもんね~。」
「楓も話せる範囲で良いので何か話して頂けませんか?お前は性格上子供をからだを張って守りたい立場なのでしょうし、もし子供に身の危険が迫るようなことがあれば南グループも協力したいと思うので。」
「………巻き込んでしまってすまないな…。」
「楓お姉様大丈夫、ボク達家族だから。」
「ありがとう、紅葉。」
次回 第百六十七話 仔羊
「おかえりじゃないわよ!!どうなる事かと思ったわよ!!NPCのあなたは何もしてくれないし私達本当に帰れなくなるところだったのよ!?」
紅葉がお嬢に両肩を掴まれて頭を強く揺される。
「わー!わー!グラグラするー!」
「まあ紅葉を許してやってくれお嬢。人間誰しも完璧なやつなんていないのだからバグの1つや2つぐらいあっても仕方ないだろう。」
お嬢が楓の方に振り返る。
「あなたもあなたよ!何で何も考えずに飛び込んで死んじゃうのよ!!今度こそ誰も死なないようにって決めたのに!!同じ悲しみを味あわせないでよ!!全く!!」
「ああ、それはすまなかった。」
「でも、こうして無事に帰れてよかったですね!紅葉さんがバグを検出してから私達を元の世界に戻してくれたので今こうしていられるんですよ!」
「萌美もみんなと楽しく学校生活送れて楽しかったですよ~♡」
「みんな能天気にも程があるわよ!あれからあっちの時間で何日経ったと思って…って、黎?」
「………。」
お嬢はふと黎の方に目をやる。
「黎?」
「玄関の前に幼女の気配を感じます。こんな夜遅くだというのに…。」
「…え?」
黎が立ち上がって玄関まで向かおうとする。
「まて、オレが行く。」
楓が黎を止めて立ち上がり玄関まで向かう。
「………わかりました。」
「まさか…こんなタイミングで…?」
紅葉が楓が歩いていくのを見ながら自分の創ったゲームのNPCが頭をよぎる。
楓が玄関の前に立つ。
「ガチャン。」
玄関の扉を開ける。
茶色いショートヘアの幼女が指を咥えて家を見上げていた。
「…なぜここにいる…。」
「おおきいおうち…。」
幼女が呟く。
楓が幼女を抱き抱えて家の中に入れる。
そしてスィートルームまで連れて来る。
幼女は不思議そうに周囲を見渡す。
「楓お姉様…!その子やっぱり…!」
「ああ、コイツは…」
「何よこの子~♡可愛いじゃな~い♡どこから来たの~?♡なんて名前~?♡」
お嬢が楓の抱いている幼女に夢中になってデレデレする。
「おばさんだれ~?」
「ピキッ!」
お嬢の表情が一変して鬼のような形相になる。
「こらーーーっっっ!!!私の事はお嬢様でしょーーーがーーーっっっ!!!」
お嬢は相手が幼女だろうと容赦しない。
「そうなんだ~。」
幼女はお嬢を相手にしてない。
「むむむむむむむ…!この子っっ!ちょっとお仕置きが必要ねっ!!!」
「いや、実は叔母で間違いではな…」
「何言ってるのよ!!!私はお嬢よ!!!お・じょ・うっ!!!楓ちゃんもお仕置き受けたいの!?」
「コイツはオレと高柳遥輝の娘のエマだ。つまりお嬢の姪っ子だ。」
「確かにそれは叔母…」
「なに!?晶ちゃん!?」
「ひ…!いえ…!!お嬢様はお嬢様ですね…!あは…あはは…。」
「私の事をちゃんとお嬢って呼ばない子は誰であろうとお仕置きよ!!」
「お嬢…もうどっちが子供かわからないぐらいムキになってますよ…。」
「黎も私の事おばさんだって言うの!?」
「そんなわけないじゃないですか。お嬢がずっと怒ってばかりいるからお嬢の事が心配なんですよ。怒ってばかりいると身体に良くないですから。まぁそんなお嬢も俺にとっては見ていてなんだか可愛らしいですが。さぁ、可愛らしいお嬢様はこっちに来てください。」
「むむむむむむむ……。」
お嬢が不服そうな顔で少し顔を赤くして黎のもとに行き、あぐらをかいた黎の膝の上に座る。
「なんだか嫌な予感がするんですよね。今まで隠し子だったような娘が突然家の玄関の前に現れ母親の前に姿を現したんです。しかもその父親はあの高柳遥輝で高柳グループには多賀結月と下田未来の世話係がいたんですよね。簡単に手放すとは思いません。おかしいと思いませんか?」
「確かにおかしいです~。タイミングが良すぎるというか~、そもそもエマちゃんはさっき萌美達がゲームの中で知った子ですもんね~。」
「楓も話せる範囲で良いので何か話して頂けませんか?お前は性格上子供をからだを張って守りたい立場なのでしょうし、もし子供に身の危険が迫るようなことがあれば南グループも協力したいと思うので。」
「………巻き込んでしまってすまないな…。」
「楓お姉様大丈夫、ボク達家族だから。」
「ありがとう、紅葉。」
次回 第百六十七話 仔羊
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