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第三十一章 催し物編
第百五十七話 瀕死
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「あ…あわわわ…こ…ここはどこですか!?同じ格好をした人が沢山いますね…。」
「晶ちゃん~♡その服可愛いね~♡」
菱沼は後ろから萌美の声が聞こえた。
「萌美ちゃ…ってあれ!?萌美ちゃんだけ格好が違…」
「萌美せんせー!!おはようございます!!」
「萌美せんせー!昨日転んで怪我をしたので今日保健室に行ってもいいですかー!?」
萌美の周りには男子の人だかりが沢山出来ていた。
「わーーーっ!?何事ですかこれは!?」
「萌美せんせー俺もー!!」
「萌美せんせーー俺もーー!!」
「萌美せんせーーー俺もーーー!!」
「ちょっと待って~♡順番順番~♡何かよくわからないけど~皆の天使としてお仕えするんだからほけんしつ?行ってもいいんじゃないの~?♡」
「俺萌美せんせーがいるからこの学校入りました!!」
「この学校は本物の『白衣の天使』がいるって話題でもちきりですよ!!」
「俺もこの学校に来てよかったーーー!!」
「す…すごい存在感…。っていうか…お嬢様と黎様はどこですか!?」
一方その頃…
「黎っ!黎っ!!目を開けてっ!!しっかりしてよっ!!!生き返るんじゃなかったのっ!?」
「………お…嬢…。」
「黎っ!!良かった!!すっごく心配したんだからっ!!」
お嬢が倒れていた黎を校庭のど真ん中で抱きしめていた。
「やっぱり…前回のダメージを負ったのが残ってるのね…。」
「………お嬢……多分…違います…。」
「いいのよ…何も言わなくて…。」
お嬢が黎をさらに強く抱きしめる。
「…紅葉は…次のゲームで…俺は全回復すると…言っていました…。これは…バグなのでしょうか…?それと…一つ気になるのですが………俺…自分で機械を装着した記憶と…その前の記憶があまりないんですけど………お嬢…何か知ってますか…?…この世界は…魔法が使えないので…お嬢の記憶が読み取れないんですよ…。なんで俺…知らないうちにゲームが始まって…しかもなんでもうすでに瀕死なんでしょうか…。」
「とにかく黎が…黎が無事でよかった…。」
「…なぜか…初手からこけてる気がするんです…。何か…何か思い出せそうで思い出せないです…。」
「取り敢えずまずは保健室に行きましょう!手当てしてもらえるはずよ!」
「あ…歩けないぐらいダメージ受けてます…。」
「…もう…仕方ないわね…。」
お嬢が黎をお姫様抱っこする。
「…お嬢…すみません…。」
「いいのよ。いつもは黎がしてくれるもんね。それにしても黎ってこんなに軽かったのね。あまり食べないからかしら?」
お嬢が歩きながら疑問に思う。
「…そ…そうかもしれないですね…。」
そしてお嬢は保健室に着く。
「あれ…待って…。」
「どうしたんですか?お嬢。」
「保健室の先生って萌美ちゃんよね?」
「そうでしたね。」
「………」
お嬢は真剣な表情を浮かべている。
「私が立ち会えば大丈夫…よね。」
「大丈夫だと思います。」
「服脱がされたり…しないわよね…?」
「全身が痛かったのでそれはなんとも…」
「やっぱり入るのはやめましょう。」
「え?」
「っていうか黎っ!私に抱っこしてもらって何で元気にならないのよ!?」
「いや、実はもう治りました。」
「え?」
「お嬢にここまで連れてきて頂いてる間にほぼ完治しました。」
「………」
「お嬢?」
「早く言いなさいよっ!黎のばかっ!!」
「バーーーーーンッッッ!!!」
黎は壁に投げつけられた。
「ガラガラガラ!」
壁が崩れ落ちた。
「あ…悪化しました…。」
「もう知らないわよっ!」
そんなやり取りをしていると廊下から人だかりがやってくる。
「あ~ここですね~皆さま案内して頂いてありがとうございます~♡萌美ど忘れしちゃって~♡ってあれ~?お嬢様と黎様じゃないですか~♡こんなところで何をされてるんですか~?♡」
「黎が…黎がね…私の事を…うっ…うっ…」
「わかりました~♡お嬢様お辛かったですね~♡お嬢様は恋の病を抱えていらっしゃるのです♡それではどうぞ中へお入りくださ~い♡」
「萌美せんせー!!先に俺の怪我を診てくださーい!」
「お前の怪我、大したことないですね。そんな事でお嬢の純情な心の傷より先に診てもらおうとは大した度胸です。」
崩れ落ちた壁の中から黎が現れる。
「あ!?何だお前!やんのか!?」
「いえ、もう終わってますけど。」
黎に絡んできた男子の首元に衝撃が走る。
「ドサッ!」
男子は意識を失って倒れた。
「こ…こいつらはあの最強カップルじゃねーか!?」
「萌美、お嬢が悲しんだのは俺のせいです。俺が責任を持って一緒にいます。」
「萌美もそれが一番いいと思います♡お嬢様、黎様は反省していらっしゃるみたいですので許してあげてはいかがでしょうか?♡」
「お嬢、すみません。お嬢とずっと一緒にいたい気持ちが強すぎてつい治ったと言うのが遅くなってしまいました。」
「黎…私こそごめんね…本当は黎と一緒にいたいのにあんなことしちゃって…。」
黎がお嬢を抱きしめる。
「お嬢の本気の愛が伝わって俺にはよかったとすら思ってます。お嬢は今のまま自信を持ってください。さぁ、教室に行きましょう?」
「…うん…いつもありがとう…。」
次回 第百五十八話 試験
「晶ちゃん~♡その服可愛いね~♡」
菱沼は後ろから萌美の声が聞こえた。
「萌美ちゃ…ってあれ!?萌美ちゃんだけ格好が違…」
「萌美せんせー!!おはようございます!!」
「萌美せんせー!昨日転んで怪我をしたので今日保健室に行ってもいいですかー!?」
萌美の周りには男子の人だかりが沢山出来ていた。
「わーーーっ!?何事ですかこれは!?」
「萌美せんせー俺もー!!」
「萌美せんせーー俺もーー!!」
「萌美せんせーーー俺もーーー!!」
「ちょっと待って~♡順番順番~♡何かよくわからないけど~皆の天使としてお仕えするんだからほけんしつ?行ってもいいんじゃないの~?♡」
「俺萌美せんせーがいるからこの学校入りました!!」
「この学校は本物の『白衣の天使』がいるって話題でもちきりですよ!!」
「俺もこの学校に来てよかったーーー!!」
「す…すごい存在感…。っていうか…お嬢様と黎様はどこですか!?」
一方その頃…
「黎っ!黎っ!!目を開けてっ!!しっかりしてよっ!!!生き返るんじゃなかったのっ!?」
「………お…嬢…。」
「黎っ!!良かった!!すっごく心配したんだからっ!!」
お嬢が倒れていた黎を校庭のど真ん中で抱きしめていた。
「やっぱり…前回のダメージを負ったのが残ってるのね…。」
「………お嬢……多分…違います…。」
「いいのよ…何も言わなくて…。」
お嬢が黎をさらに強く抱きしめる。
「…紅葉は…次のゲームで…俺は全回復すると…言っていました…。これは…バグなのでしょうか…?それと…一つ気になるのですが………俺…自分で機械を装着した記憶と…その前の記憶があまりないんですけど………お嬢…何か知ってますか…?…この世界は…魔法が使えないので…お嬢の記憶が読み取れないんですよ…。なんで俺…知らないうちにゲームが始まって…しかもなんでもうすでに瀕死なんでしょうか…。」
「とにかく黎が…黎が無事でよかった…。」
「…なぜか…初手からこけてる気がするんです…。何か…何か思い出せそうで思い出せないです…。」
「取り敢えずまずは保健室に行きましょう!手当てしてもらえるはずよ!」
「あ…歩けないぐらいダメージ受けてます…。」
「…もう…仕方ないわね…。」
お嬢が黎をお姫様抱っこする。
「…お嬢…すみません…。」
「いいのよ。いつもは黎がしてくれるもんね。それにしても黎ってこんなに軽かったのね。あまり食べないからかしら?」
お嬢が歩きながら疑問に思う。
「…そ…そうかもしれないですね…。」
そしてお嬢は保健室に着く。
「あれ…待って…。」
「どうしたんですか?お嬢。」
「保健室の先生って萌美ちゃんよね?」
「そうでしたね。」
「………」
お嬢は真剣な表情を浮かべている。
「私が立ち会えば大丈夫…よね。」
「大丈夫だと思います。」
「服脱がされたり…しないわよね…?」
「全身が痛かったのでそれはなんとも…」
「やっぱり入るのはやめましょう。」
「え?」
「っていうか黎っ!私に抱っこしてもらって何で元気にならないのよ!?」
「いや、実はもう治りました。」
「え?」
「お嬢にここまで連れてきて頂いてる間にほぼ完治しました。」
「………」
「お嬢?」
「早く言いなさいよっ!黎のばかっ!!」
「バーーーーーンッッッ!!!」
黎は壁に投げつけられた。
「ガラガラガラ!」
壁が崩れ落ちた。
「あ…悪化しました…。」
「もう知らないわよっ!」
そんなやり取りをしていると廊下から人だかりがやってくる。
「あ~ここですね~皆さま案内して頂いてありがとうございます~♡萌美ど忘れしちゃって~♡ってあれ~?お嬢様と黎様じゃないですか~♡こんなところで何をされてるんですか~?♡」
「黎が…黎がね…私の事を…うっ…うっ…」
「わかりました~♡お嬢様お辛かったですね~♡お嬢様は恋の病を抱えていらっしゃるのです♡それではどうぞ中へお入りくださ~い♡」
「萌美せんせー!!先に俺の怪我を診てくださーい!」
「お前の怪我、大したことないですね。そんな事でお嬢の純情な心の傷より先に診てもらおうとは大した度胸です。」
崩れ落ちた壁の中から黎が現れる。
「あ!?何だお前!やんのか!?」
「いえ、もう終わってますけど。」
黎に絡んできた男子の首元に衝撃が走る。
「ドサッ!」
男子は意識を失って倒れた。
「こ…こいつらはあの最強カップルじゃねーか!?」
「萌美、お嬢が悲しんだのは俺のせいです。俺が責任を持って一緒にいます。」
「萌美もそれが一番いいと思います♡お嬢様、黎様は反省していらっしゃるみたいですので許してあげてはいかがでしょうか?♡」
「お嬢、すみません。お嬢とずっと一緒にいたい気持ちが強すぎてつい治ったと言うのが遅くなってしまいました。」
「黎…私こそごめんね…本当は黎と一緒にいたいのにあんなことしちゃって…。」
黎がお嬢を抱きしめる。
「お嬢の本気の愛が伝わって俺にはよかったとすら思ってます。お嬢は今のまま自信を持ってください。さぁ、教室に行きましょう?」
「…うん…いつもありがとう…。」
次回 第百五十八話 試験
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