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第二十七章 三凶編

第百三十九話 逆説

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「…さっき人工衛星をハッキングして地軸を調べたらこの星がちょうど90度ぐらい元の軸から傾いていることがわかった。それと南グループを壊滅させることに何か関係あるの…?」

「さすがは紅葉様です。さぁ?どうでしょうねぇ?クックックッ…」

「ドカンッッッ!!!」

「ならお前らの好きなやり方で直接聞き出してやる!」

 ……………

「逆説睡眠はレム睡眠とも呼ばれ、その由来は脳が覚醒しているのにも関わらず寝ている状態を指すというものになります。パラドックスを日本語に訳すと逆説とも言いますが、パラドックスとは相反することが互いに成立し矛盾が生じてしまっていることですよね。S級舎弟のリソス様と江戸村様はこれからどうなってしまうのでしょうか。」

 ……………

「ハァ…ハァ…間違いねぇ…!この斬れ方は咲の斬撃だ…。あの時以来だが…今も忘れねぇ…。だが…どうなってやがる…?」

 ……………

「あなたがS級舎弟の大地の王リソス様ですのね?私もS級舎弟で江戸村咲ですの。この世に私に斬れないものはないんですのよ。あなたは相当ご自分の頑丈さに相当自信があるようですので、当然同じS級舎弟として私の斬撃を受ける覚悟もありますのよね?」

「あん!?何だテメェは!?南グループなのか!?俺様は南グループの女とガキに手をあげる趣味はねぇんだ!やりたきゃテメェで勝手にやりやがれ!!」

「チャキインッ!!」

「グハアアッッ!!」

「フンッ。所詮はこんなものでございますのね。」

「フ…フハハハハハ…!なんだ…!?虫にでも刺されたか!かいーな!!」

「な!?私の居合が虫刺されと同等ですの!?」

「あーあ!世界ってのはせめぇな!!」

「な…納得いきませんの!」

「あん?なんだ、まだいたのか?さっきも言ったが俺様は女とガキには…」

「チャキインッ!!」

「ギャアアアアアア!!」

「フ、フン!やっぱりただのやせ我慢でございましたのね。所詮は…」

「オオオオオオオオン!!!!」

「な!?これがあの竜化ですの!?ていうかさっき人間の身で受けてあの余裕の姿勢…」

「全ッ然痛くねーな!?やっぱ虫が飛んでただけみてぇだな!?」

「せ…正々堂々勝負ですのよ!」

「チャキインッ!!チャキインッ!!チャキインッ!!チャキインッ!!チャキインッ!!」

「フハ…フハハハハハ!!効かねー!効かねー!!」

「5発受けてその余裕ですの…!?って…ち…血だらけじゃないですの!?どうしてそこまで無理をするんですの!?反撃しないとやられますのよ!?」

「無理してねーよ!テメェが勝手にやってることだろーが!それとテメェS級舎弟のくせに南グループの十の掟覚えてねーのか!?」

「もちろん覚えてますのよ!一、人と交わした約束は絶対に守ること。二…ってちょっと待ってほしいんですの!あなたの交わした約束って…さっきの!?」

「俺様は十の掟に従って行動してるだけだ。わかったらとっとと失せろ。」

「す…」

「あ?」

「素敵ですのーーー♡♡♡♡♡!!!!!」

「な…なんだテメェ!?」

「私リソス様に一生ついて行きますの♡♡♡!!!それが私が十の掟其の一に誓って交わす約束ですのよーーー♡♡♡!!!」

「勝手に変な約束すんじゃねー!!ストーカーじゃねーか!!」

「リソス様ぁぁぁ♡♡♡!!!」

 ……………

「…ったく…あのバカ。…上等じゃねーか!何発でもかかってきやがれ!!」

 ……………

「…ああ…そうですの…。私の愛したリソス様は南グループの女子供には絶対に手を出さないと約束しているんですの…。ですからこのリソス様は…私のリソス様ではないんですの…。それに本当のリソス様は…私の知ってるリソス様は…」

 江戸村は立ち上がる。

「チャキッ…」

 江戸村は刀を構える。

「私の斬撃なんて…虫けら同然なんですのよっ!」

「チャキインッ!!」

「11、10、9、8、7、6、5、4、3、2…」

「チャキインッ!!チャキインッ!!チャキインッ!!チャキインッ!!チャキインッ!!チャキインッ!!チャキインッ!!チャキインッ!!チャキインッ!!チャキインッ!!」

「ズザアアアアアアッッッッッッ!!!!」

「…やっぱり…本物ではなかったんですのね。」

 ………………

「いってぇーーー!!!!さすがにいてぇ!!!!あいつ10発も連続でうってきやがって!!!!死ぬかと思ったじゃねーか!!!」

 ………………

 そして江戸村の目の前からリソスが姿を消す。

「眠りの女王ともあるこの私の眠りを利用し、私に夢の中で幻を見せている方は恐らくさぞかし度胸のある方なんですのね。」

「キッキッキッキッキ…そんなおっかねぇ言い方するなよなぁ?」

 黒髪のマッシュヘアの鎌を持った男が暗闇の中であぐらをかいた姿勢で宙に浮いている。

「あなたがこの眠りの世界の主ですのね。どちらが眠りに詳しいか決着を着けさせていただきますのよ。」

「お前の相手は俺じゃねぇ…このお方さぁ。」

「…!?あなたは…あの時の!?」

「俺にやられて以来目を覚ましてないんだね。S級舎弟の江戸村咲。」


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