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第二十六章 人魚姫編

第百三十四話 伝導

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「黎っ!!エッチするわよっ!!」

 そう言ってお嬢は黎の服を脱がし裸で抱きしめる。

 ……………

「ぶ…ぶっ飛んでるでありんす…!」

「本人は意識してるかわからんけど裸で抱き合って伝導熱を利用して黎様に体温を供給しようとしてるんやろねー。」

 ……………

「ほらっ!!いつもエッチしてる時って身体が熱くなるでしょ!?あの時を思い出すのよ!!…って…何よ♡こっちは元気じゃない♡っあんっ♡」

 ……………

「あたいの吹雪でお嬢もろとも凍え死ぬわよ!?」

「そないなことは考えられへん。お嬢は元々火属性。氷属性への耐性はある。」

「うちの雷効かんのも高い温度の熱が効かんからっちゅうことかいな。」

「それにしても…ず…ずるいでありんす…。噂には聞いていたけど…いつもお嬢ばかり…。これは表に出て直接…」

「止めといたほうがええて鯱池。どう足掻いてもあてらにお嬢に勝ち目はない。完敗や。」

「…全員で行けば…まだ勝機はあるかもしれないでありんす…。」

「諦めの悪い子達やの…。」

 ……………

「あんっ♡イっちゃう♡」

 お嬢は猛吹雪の中絶頂に達してしまった。

 するとお嬢のまたがっている黎の腰が動き始める。

「あんっ♡黎っ今イったばかり♡…って……起きたの…?♡…あんっ♡」

「すみません。俺としたことが少し眠っていたようです。それにしてもこの状況で性行為をしたがるなんて、お嬢はやっぱりいけないお嬢様ですね。お仕置きです。」

「あんっ♡そんなっ♡あんっ♡黎が寝てる間ずっと♡あんっ♡大変だったんだか…ら♡あんっ♡」

「確かにそうですね。おかげで俺も元気になったことですし。では、お仕置きではなくご褒美です。」

「あんっ♡そこだめっ♡お仕置きもご褒美も…♡やる事変えるつもりないくせに…♡あんっ…♡黎の意地悪っ…♡」

 お嬢が黎にキスをする。

「………んっ♡気持ちいい…♡またイっちゃう♡」

 お嬢が絶頂に達してしまった。

「男性は生命活動が危ぶまれると子孫を残したくなるっていう本能は果たして本当なのでしょうかね…。」

「ちょっと!あんた達!そこまでよ!」

「わっちも黎様に抱かれたいでありんす。」

「うちらの目の前でそないな光景見せられたら我慢できんにきまってるやろ。」

「あんたらこの状況で余裕かましよって、ようやってくれよったな。」

 お嬢は絶頂した状態から4人の女の声にすぐに反応する。

「っ!?あなた達!!」

 お嬢と黎の視界には宙に浮く球体の水中にいた4人の人魚で、髪と下半身の鱗が髪とそれぞれ同色で水色、青色、黄色、緑色である。

 白色は鮫白、青色は鯱池、黄色は鯵鋤、緑色は鮎卸だ。

「南グループB級舎弟の『人魚姫(マーメイド)四天王』ですね。やっぱりお前達の仕業でしたか。自然環境の中に遭難した自分達の気に入った男性を自然現象を人工的に操って襲う4人組。目的は男性を攫って子孫を繁栄すること。人魚は女性しかおらず人間の男性と性行為をしないと絶滅してしまいま…」

「あなた達なんて格好してるのよ!!一体下はどうなってるのよ!?そうやって黎を誘惑するつもりなのね!?ぜっっったいに許さないわよ!!」

「いくら相手がお嬢でも…」

「あたいら絶滅する訳には…」

「いかないんよね…」

「せやからお嬢があてらを許さんでも…」

「ぜっっったいに黎だけは許さないわ!!」

 お嬢が黎の方に振り向く。

「やっぱり俺ですか…。」

「当たり前でしょ!!こんな可愛いくて破廉恥な格好した女の子4人が今黎の事を寝取ろうとするなんて、黎はやっぱり他の女の子に目移りしちゃうのね!!」

「してないですよ…。さっきの俺の話聞いてま…」

「どうしてこの子たちが人魚『姫』なのよ!?黎にとっての姫様は私だけじゃないの!?」

「お嬢だけに決まってるじゃないですか。」

 黎はお嬢を抱きしめキスをする。

「そ…そんなことしても…キャッ!」

「さあ行きますよお姫様。」

 黎はお嬢をお姫様抱っこしてその場を後にしようとする。

「…黎…待ってよ…お姫様はまだご機嫌ななめだよ…?」

「そんなお嬢も可愛いです。ご機嫌ななめということは、これから機嫌がよくなってまたお嬢の笑顔が見られるということじゃないですか。そういうお嬢の怒ったところも笑ったところも全て含めて可愛くて、好きなんですよ。」

「…何よ…♡…もう…♡…いつも黎ったら…♡」

 お嬢は黎にキスをする。

「もう手段なんて選んでられないわ…。」

「こ…こうなったら強硬手段でありんす…。」

「うちもここまで見せつけられたら黙って見過ごせされんわ。」

「ほんに、ようやってくれよったな。」


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