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第二十六章 人魚姫編
第百三十二話 豪雨
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「ポツッ」
お嬢と黎が抱き合ってキスをしていると黎の頬に水滴が落ちたような感覚がした。
「ポツッポツポツポツポツポツポツポツザーーーッッッ!!!」
「いやっ!なにっ!?急に雨!?」
それだけではなかった。
「黎っ!?どこっ!?」
「お嬢の目の前ですよ。」
辺りが霧で立ち込めてお嬢と黎は視界を奪われていた。
「黎っ!!返事してよっ!!」
雨の音で黎の声がかき消されてお嬢には聞こえてなかったようだ。
「ここです!!っていうかお嬢!!今抱きしめてる相手が俺です!!」
「黎っ!!ちゃんといるのね!!全然見えな…」
「バーーーーーン!!!ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…」
「いやああああああああああッッッッ!!!」
突然辺りが眩しく光大きな轟をあげた。
雷が近くに落ちたのだ。
「怖いっっっ!!黎っ!!怖いよっっっ!!助けてっっ!!!」
お嬢は雷が大の苦手だった。
虫よりも苦手かもしれない。
高いところよりも苦手かもしれない。
雷恐怖症、昆虫恐怖症、高所恐怖症などお嬢には怖いと思うものが多い。
もちろん幽霊なども怖い。
しかし黎は疑問だった。
「ピシャーーーーーーン!!!!ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!!!」
「いやあああああッッッッ!!!やだっっ!!やだっっっっ!!!!」
お嬢は泣き叫んで黎に強くすがりつく。
濃霧と雷を起こす積乱雲が同時にこの辺りの自然現象として生ずるのは不自然だと。
霧は水滴。
雲も水滴。
雷は雲の中の氷晶が摩擦により生じる熱と光の発生現象。
「やはりおかしいですね…。」
「黎っ!!!」
黎はお嬢をお姫様抱っこして場所を移動する事にした。
「バーーーーーンッッッッ!!!ゴロゴロゴロゴロ!!!!」
「いやっっ!!いやっっ!!」
お嬢は目を強く瞑っていた。
「お嬢!!俺がずっとついてま…」
そうお嬢に言いかけた途端、黎は足場を踏み外した。
「キャーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!」
黎は視界が悪い中歩いていたら崖から落ちてしまったのだ。
お嬢も黎も落下するが黎はお嬢を決して離さない。
黎はお嬢を上向きにして自分の背中が下向きになるように空中で体勢を変える。
「バキバキバキバキバキッ!!!!」
落下してる最中に崖下の地面から何本も生えている木の枝に黎の背中が強く当たる。
「バタンッッッッ!!!」
黎は背中に地面に打ちつけられる。
お嬢は雨水を正面から浴びながら黎の上で仰向けになってゆっくり目を開ける。
辺りは霧で何も見えないが自分の下に黎の体の感触があるのがわかる。
「黎っっ!!黎っっ!!!しっかりしてっっ!!返事してっ!!!」
黎から返事が返ってこない。
「いやっっっ!!!死んじゃいやよっっっ!!!」
お嬢は黎に抱きつきながら激しい雨の中で叫び続ける。
次回 第百三十三話 吹雪
お嬢と黎が抱き合ってキスをしていると黎の頬に水滴が落ちたような感覚がした。
「ポツッポツポツポツポツポツポツポツザーーーッッッ!!!」
「いやっ!なにっ!?急に雨!?」
それだけではなかった。
「黎っ!?どこっ!?」
「お嬢の目の前ですよ。」
辺りが霧で立ち込めてお嬢と黎は視界を奪われていた。
「黎っ!!返事してよっ!!」
雨の音で黎の声がかき消されてお嬢には聞こえてなかったようだ。
「ここです!!っていうかお嬢!!今抱きしめてる相手が俺です!!」
「黎っ!!ちゃんといるのね!!全然見えな…」
「バーーーーーン!!!ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…」
「いやああああああああああッッッッ!!!」
突然辺りが眩しく光大きな轟をあげた。
雷が近くに落ちたのだ。
「怖いっっっ!!黎っ!!怖いよっっっ!!助けてっっ!!!」
お嬢は雷が大の苦手だった。
虫よりも苦手かもしれない。
高いところよりも苦手かもしれない。
雷恐怖症、昆虫恐怖症、高所恐怖症などお嬢には怖いと思うものが多い。
もちろん幽霊なども怖い。
しかし黎は疑問だった。
「ピシャーーーーーーン!!!!ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!!!」
「いやあああああッッッッ!!!やだっっ!!やだっっっっ!!!!」
お嬢は泣き叫んで黎に強くすがりつく。
濃霧と雷を起こす積乱雲が同時にこの辺りの自然現象として生ずるのは不自然だと。
霧は水滴。
雲も水滴。
雷は雲の中の氷晶が摩擦により生じる熱と光の発生現象。
「やはりおかしいですね…。」
「黎っ!!!」
黎はお嬢をお姫様抱っこして場所を移動する事にした。
「バーーーーーンッッッッ!!!ゴロゴロゴロゴロ!!!!」
「いやっっ!!いやっっ!!」
お嬢は目を強く瞑っていた。
「お嬢!!俺がずっとついてま…」
そうお嬢に言いかけた途端、黎は足場を踏み外した。
「キャーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!」
黎は視界が悪い中歩いていたら崖から落ちてしまったのだ。
お嬢も黎も落下するが黎はお嬢を決して離さない。
黎はお嬢を上向きにして自分の背中が下向きになるように空中で体勢を変える。
「バキバキバキバキバキッ!!!!」
落下してる最中に崖下の地面から何本も生えている木の枝に黎の背中が強く当たる。
「バタンッッッッ!!!」
黎は背中に地面に打ちつけられる。
お嬢は雨水を正面から浴びながら黎の上で仰向けになってゆっくり目を開ける。
辺りは霧で何も見えないが自分の下に黎の体の感触があるのがわかる。
「黎っっ!!黎っっ!!!しっかりしてっっ!!返事してっ!!!」
黎から返事が返ってこない。
「いやっっっ!!!死んじゃいやよっっっ!!!」
お嬢は黎に抱きつきながら激しい雨の中で叫び続ける。
次回 第百三十三話 吹雪
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