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第二十一章 依存症編
第百八話 返還
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「あなたたちね。」
「お、お前は…」
1人の男がそう言いかけた途端、
「パシンッッッ!!!」
とお嬢が平手打ちをした。
「パシンッッッ!!!」
もう一回平手打ちをする。
「パシンッッッ!!!」
もう一回平手打ちをする。
「晶ちゃんと萌美ちゃんを返してっ!!」
「パシンッッッ!!!」
「返してよっ!!」
お嬢が泣きながら平手打ちする。
「返してったら返してっ!!」
「パシンッッッ!!!」
男は既に気を失っている。
お嬢は泣き崩れる。
「何事だ!?…!?お…お嬢様…!?お嬢様!!大丈夫ですか!?」
「晶ちゃんと…萌美ちゃんを…返して…よ…。」
「お嬢!」
「…黎…?」
「黎様まで…!?…一体どうされたのですか…?」
「お嬢、そんなゴミみたいなやつらに平手打ちしてもお嬢の綺麗な手を汚してしまうだけです。それと、人の話はちゃんと最後まで聞かないといけませんよ?」
「…え…?」
……………
「黎がお嬢に話た内容、確かに間違っていないがそれで終わるのは書斎の書物の記録にあった世界線Ⅰでの話だな。」
「あの話にはまだ続きがある。魔法が存在するこの世界において、楓お姉様の回復魔法をもってすれば脳を元の状態に戻すことぐらい容易い。回復魔法とは本来あった姿に戻すことにほかならないからね。」
「…こ…ここは…楓さんと…紅葉さん?」
「ああ、目を覚ましたか、萌美。もう大丈夫だ。」
「萌美、一体どうしてあんなこと…。」
「もういいんだよ。これからはちゃんと明るいうちに安全な道で帰ってきなよ。」
「は…はい…ごめんなさい…。」
「萌美ちゃん!よかったっ!目を覚ましたんだね!?」
「晶ちゃん?晶ちゃんは無事だったの?」
「楓さんに治してもらって元気になったよ!」
「それにしても晶は麻薬の存在をしっていてどんな症状が出るか知っていたために摂取しながらも…」
「誰にも迷惑をかけないように興奮状態を自制していた…すごい…。」
……………
「そ…それじゃあ…晶ちゃんも…萌美ちゃんも…ちゃんと治ったの?」
「今頃元気になってると思いますよ。」
「よ…よかった…。」
お嬢は全身の力が抜けた。
「さぁお嬢、皆の帰る屋敷へ帰りますよ。」
黎はお嬢をお姫様抱っこして留置所を後にした。
そしてお嬢と黎が屋敷へついて玄関を開けると、そこには菱沼と萌美が立っていた。
「お嬢様…黎様…お帰りなさいませ…この度は…」
「晶ちゃんっ!!萌美ちゃんっ!!」
お嬢が菱沼と萌美に泣きながら抱きついた。
「よかった…本当に…。」
「お嬢、南グループに不可能なことなんてないんですよ。」
「黎………そうねっ!」
楓の部屋から楓と紅葉が出てくる。
「帰ったか。」
「遅かったね。」
「2人ともっ!!ありがとーーーっ!!」
お嬢が楓と紅葉に笑顔を見せてお礼を言う。
「お嬢様…萌美お嬢様の黎様に…」
「あっ!そう言えばそうね!!許さないわよっ!!」
「お嬢、流石に今回ばかりは…」
「だめよ。」
「お嬢…」
「今回あなただけは許さないわよ、黎。」
「…ですよね。」
お嬢が黎の腕を引っ張って部屋へ連れて行く。
「バタンッッッ!カチャッ!」
お嬢が黎をベッドに座らせる。
「それで、世界でも大人気のアイドル歌手に抱きしめられた感触はどうだったの?」
「…ちょっと質問の仕方がいつもより具体的で怖いですね…」
「どうだったのっ!?」
「…感想…ですか…?」
「他に何があるのよっ!?」
毎度のことだがお嬢が黎の耳元で叫ぶ声が黎の鼓膜を破りそうだった。
「そんなの決まってるじゃないですか。」
「…やっぱり…そんなによかっ…」
黎がお嬢にキスをする。
「この世にお嬢の感触を上回る女性がどれだけ世界的人気なアイドル歌手だろうと存在しないことが改めてわかりました。もっとも、あの神さえ敗るのですから分かりきっていたことでしたが。」
……………
「ワタクシは…ワタクシは黎様にとっての最善の容姿、肌感覚など兼ね備えたはずでございますのに…どうしてお嬢様に敵わないのでございますーーーーっっっっ!!!!?…うぅ…ワタクシは黎様にこんなにも夢中で…恋の病まで患ってしまい…まさしく黎様に依存してしまっております…。」
……………
「黎…♡やっぱり大好き♡………!?まって!今、花梨ちゃんの気配がしたわ!!」
「またですか?でもどうしてわか…」
「女の勘よ!!ここ最近、ずーーーーーっと黎のことばっかり見てる気がするのっ!!全く油断も隙もありはしないわっ!!絶対に黎は渡さないんだからっ!!」
こうしてお嬢の黎をめぐる恋の闘いはこれからも続くのであった。
第二十一章 依存編 ~完~
次回 第百九話 仮想
「お、お前は…」
1人の男がそう言いかけた途端、
「パシンッッッ!!!」
とお嬢が平手打ちをした。
「パシンッッッ!!!」
もう一回平手打ちをする。
「パシンッッッ!!!」
もう一回平手打ちをする。
「晶ちゃんと萌美ちゃんを返してっ!!」
「パシンッッッ!!!」
「返してよっ!!」
お嬢が泣きながら平手打ちする。
「返してったら返してっ!!」
「パシンッッッ!!!」
男は既に気を失っている。
お嬢は泣き崩れる。
「何事だ!?…!?お…お嬢様…!?お嬢様!!大丈夫ですか!?」
「晶ちゃんと…萌美ちゃんを…返して…よ…。」
「お嬢!」
「…黎…?」
「黎様まで…!?…一体どうされたのですか…?」
「お嬢、そんなゴミみたいなやつらに平手打ちしてもお嬢の綺麗な手を汚してしまうだけです。それと、人の話はちゃんと最後まで聞かないといけませんよ?」
「…え…?」
……………
「黎がお嬢に話た内容、確かに間違っていないがそれで終わるのは書斎の書物の記録にあった世界線Ⅰでの話だな。」
「あの話にはまだ続きがある。魔法が存在するこの世界において、楓お姉様の回復魔法をもってすれば脳を元の状態に戻すことぐらい容易い。回復魔法とは本来あった姿に戻すことにほかならないからね。」
「…こ…ここは…楓さんと…紅葉さん?」
「ああ、目を覚ましたか、萌美。もう大丈夫だ。」
「萌美、一体どうしてあんなこと…。」
「もういいんだよ。これからはちゃんと明るいうちに安全な道で帰ってきなよ。」
「は…はい…ごめんなさい…。」
「萌美ちゃん!よかったっ!目を覚ましたんだね!?」
「晶ちゃん?晶ちゃんは無事だったの?」
「楓さんに治してもらって元気になったよ!」
「それにしても晶は麻薬の存在をしっていてどんな症状が出るか知っていたために摂取しながらも…」
「誰にも迷惑をかけないように興奮状態を自制していた…すごい…。」
……………
「そ…それじゃあ…晶ちゃんも…萌美ちゃんも…ちゃんと治ったの?」
「今頃元気になってると思いますよ。」
「よ…よかった…。」
お嬢は全身の力が抜けた。
「さぁお嬢、皆の帰る屋敷へ帰りますよ。」
黎はお嬢をお姫様抱っこして留置所を後にした。
そしてお嬢と黎が屋敷へついて玄関を開けると、そこには菱沼と萌美が立っていた。
「お嬢様…黎様…お帰りなさいませ…この度は…」
「晶ちゃんっ!!萌美ちゃんっ!!」
お嬢が菱沼と萌美に泣きながら抱きついた。
「よかった…本当に…。」
「お嬢、南グループに不可能なことなんてないんですよ。」
「黎………そうねっ!」
楓の部屋から楓と紅葉が出てくる。
「帰ったか。」
「遅かったね。」
「2人ともっ!!ありがとーーーっ!!」
お嬢が楓と紅葉に笑顔を見せてお礼を言う。
「お嬢様…萌美お嬢様の黎様に…」
「あっ!そう言えばそうね!!許さないわよっ!!」
「お嬢、流石に今回ばかりは…」
「だめよ。」
「お嬢…」
「今回あなただけは許さないわよ、黎。」
「…ですよね。」
お嬢が黎の腕を引っ張って部屋へ連れて行く。
「バタンッッッ!カチャッ!」
お嬢が黎をベッドに座らせる。
「それで、世界でも大人気のアイドル歌手に抱きしめられた感触はどうだったの?」
「…ちょっと質問の仕方がいつもより具体的で怖いですね…」
「どうだったのっ!?」
「…感想…ですか…?」
「他に何があるのよっ!?」
毎度のことだがお嬢が黎の耳元で叫ぶ声が黎の鼓膜を破りそうだった。
「そんなの決まってるじゃないですか。」
「…やっぱり…そんなによかっ…」
黎がお嬢にキスをする。
「この世にお嬢の感触を上回る女性がどれだけ世界的人気なアイドル歌手だろうと存在しないことが改めてわかりました。もっとも、あの神さえ敗るのですから分かりきっていたことでしたが。」
……………
「ワタクシは…ワタクシは黎様にとっての最善の容姿、肌感覚など兼ね備えたはずでございますのに…どうしてお嬢様に敵わないのでございますーーーーっっっっ!!!!?…うぅ…ワタクシは黎様にこんなにも夢中で…恋の病まで患ってしまい…まさしく黎様に依存してしまっております…。」
……………
「黎…♡やっぱり大好き♡………!?まって!今、花梨ちゃんの気配がしたわ!!」
「またですか?でもどうしてわか…」
「女の勘よ!!ここ最近、ずーーーーーっと黎のことばっかり見てる気がするのっ!!全く油断も隙もありはしないわっ!!絶対に黎は渡さないんだからっ!!」
こうしてお嬢の黎をめぐる恋の闘いはこれからも続くのであった。
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