108 / 208
第二十一章 依存症編
第百七話 離脱
しおりを挟む
「も、萌美ちゃん!?」
「どうして…どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして!?」
「…お嬢、これが…」
「…くすり…くすりはどこ…?」
「萌美ちゃん!!」
「触らないでっ!!」
「キャッ!」
「ドンッ!」
お嬢が萌美に突き飛ばされる。
「水…水ちょうだい…くすり…くすりっ!!」
「相当錯乱しているな。」
「南病院に救急搬送の手配済みだよ。」
萌美はかなり興奮している。
「虫っ!?いやっ!!来ないでっ!!」
「萌美ちゃん!虫なんてどこにもいないわよ!」
「お嬢、萌美に幻虫が見えているようです。」
「いやっ!殺さないで…!やめてっっっ!!!」
萌美が耳を強く抑える。
「萌美…ちゃん…。」
「幻聴が聞こえるのでしょう。これも麻薬の離脱症状です。萌美はかなり効き目の強いものを使用されていたみたいですね。アイドル歌手でかなりの収入があることから多少高額な薬でも時期を早めたほうがもとが取れるとふんだのでしょう。」
萌美は興奮状態、菱沼は虚ろな表情で黙ったまましばらくお嬢達はその場で見守り、紅葉が呼んだ南病院からの救急搬送を待った。
やがて救急車が到着し、萌美は興奮状態で暴れながら救急スタッフにストレッチャーに拘束されて搬送された。
菱沼は終始虚ろな表情で別の救急車でほとんど動くことはなかったが念の為拘束された状態で搬送された。
お嬢と黎は萌美の乗る救急車に同乗していた。
萌美は病院に到着するまでも、した後も終始怒っては泣くことの繰り返しで常に興奮状態であった。
一方で楓と紅葉は菱沼の救急車に同乗し、菱沼は終始無言で大人しかったという。
そしてお嬢、黎、楓、紅葉は菱沼と萌美がしばらく入院することになった後、合流する。
「萌美ちゃん…あんな風になってしまうなんて…でも黎…いつかは…治るのよね…?」
「………。」
「………黎?」
「薬物依存症は完治しません。」
「…!?…そんな…それじゃあ…あの2人は…一生…」
お嬢が泣きながら膝から崩れ落ちる。
「脳が依存状態になった場合元の状態に戻ることはないので完治させるという考え方はしません。ただ、今の状態をどれだけ周囲の人が理解し、どれだけ本人が努力するかで、日常生活は送れるようになります。しかしそれは…」
「…っ!!」
突然お嬢が立ち上がってどこかへ行ってしまう。
「…お嬢!」
……………
お嬢が向かった先、それは…医療設備のある留置所であった。
「私よ。通しなさい。」
「お…お嬢様…どうしてこちらに…?」
「いいから通しなさい!!」
そしてお嬢は施設の中へ入っていった。
そして施設の菱沼と萌美を攫った5人の男のもとへゆく。
次回 第百八話 返還
「どうして…どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして!?」
「…お嬢、これが…」
「…くすり…くすりはどこ…?」
「萌美ちゃん!!」
「触らないでっ!!」
「キャッ!」
「ドンッ!」
お嬢が萌美に突き飛ばされる。
「水…水ちょうだい…くすり…くすりっ!!」
「相当錯乱しているな。」
「南病院に救急搬送の手配済みだよ。」
萌美はかなり興奮している。
「虫っ!?いやっ!!来ないでっ!!」
「萌美ちゃん!虫なんてどこにもいないわよ!」
「お嬢、萌美に幻虫が見えているようです。」
「いやっ!殺さないで…!やめてっっっ!!!」
萌美が耳を強く抑える。
「萌美…ちゃん…。」
「幻聴が聞こえるのでしょう。これも麻薬の離脱症状です。萌美はかなり効き目の強いものを使用されていたみたいですね。アイドル歌手でかなりの収入があることから多少高額な薬でも時期を早めたほうがもとが取れるとふんだのでしょう。」
萌美は興奮状態、菱沼は虚ろな表情で黙ったまましばらくお嬢達はその場で見守り、紅葉が呼んだ南病院からの救急搬送を待った。
やがて救急車が到着し、萌美は興奮状態で暴れながら救急スタッフにストレッチャーに拘束されて搬送された。
菱沼は終始虚ろな表情で別の救急車でほとんど動くことはなかったが念の為拘束された状態で搬送された。
お嬢と黎は萌美の乗る救急車に同乗していた。
萌美は病院に到着するまでも、した後も終始怒っては泣くことの繰り返しで常に興奮状態であった。
一方で楓と紅葉は菱沼の救急車に同乗し、菱沼は終始無言で大人しかったという。
そしてお嬢、黎、楓、紅葉は菱沼と萌美がしばらく入院することになった後、合流する。
「萌美ちゃん…あんな風になってしまうなんて…でも黎…いつかは…治るのよね…?」
「………。」
「………黎?」
「薬物依存症は完治しません。」
「…!?…そんな…それじゃあ…あの2人は…一生…」
お嬢が泣きながら膝から崩れ落ちる。
「脳が依存状態になった場合元の状態に戻ることはないので完治させるという考え方はしません。ただ、今の状態をどれだけ周囲の人が理解し、どれだけ本人が努力するかで、日常生活は送れるようになります。しかしそれは…」
「…っ!!」
突然お嬢が立ち上がってどこかへ行ってしまう。
「…お嬢!」
……………
お嬢が向かった先、それは…医療設備のある留置所であった。
「私よ。通しなさい。」
「お…お嬢様…どうしてこちらに…?」
「いいから通しなさい!!」
そしてお嬢は施設の中へ入っていった。
そして施設の菱沼と萌美を攫った5人の男のもとへゆく。
次回 第百八話 返還
10
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説


男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる