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第十七章 幻想編
第八十九話 舞
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お嬢と黎が次に足を運んだ場所、それは辺り一面色んな種類の花が咲いている所であった。
「…綺麗…。」
「お嬢が世界で一番綺麗ですけどね。お嬢は高嶺の花ですから。」
「…っもう♡いつもそうやってうまいこと言って…♡」
お嬢は顔を赤くする。
花の上では蝶が舞う。
「…虫は苦手だけど…辺り一面の花の中を舞う蝶は何だか趣があるわね。」
「お嬢が苦手な虫にもお嬢と俺のように個々の命があり、懸命に生きているんですよね。」
「…私達ってさ、何かを犠牲にしないと生きられない世界にいるわよね…。何かを食べることは他の生命活動を行うものから命を奪うことと変わらない…。…神様はどうしてそんな世界を作ったのかな…?」
「…お嬢…。」
「…もし…もし私が神様なら…そんな争いや競争を必要とする世界は作らないのにな…。」
「…俺もそんなお嬢が思い描く世界で生きてみたいです。」
「…私達…世界を創れないのかな…。…彼女みたいに…。」
「…俺はお嬢…いや、お嬢と俺ならいつか出来ると思うんです。南グループに不可能なことなんてありません。お嬢が思い描く世界を創りたいなら、俺はその夢を一緒に追いかけますよ。」
「…黎…私の思ってること変だって思わないの…?」
「誰がどんな夢を持つとか、どんな生き方をしたいとか、そういうのって人それぞれですよ。お嬢は自分の夢を自由に持って、ここにいる蝶のように一生懸命舞うのであれば、俺も一緒に舞います。それだけです。」
「やっぱり黎…大好き…。」
お嬢が黎を抱きしめ、黎はお嬢の背中に手を回す。
そして2人が抱き合った後、お嬢は黎の腕を組んで花畑の小道をしばらく歩く。
お嬢はずっと笑顔だった。
そんなお嬢の顔を黎はどれぐらいぶりに見ただろうか。
「…このまま時間が止まってしまえばいいのにな…なんて…♡」
次回 第九十話 快楽
「…綺麗…。」
「お嬢が世界で一番綺麗ですけどね。お嬢は高嶺の花ですから。」
「…っもう♡いつもそうやってうまいこと言って…♡」
お嬢は顔を赤くする。
花の上では蝶が舞う。
「…虫は苦手だけど…辺り一面の花の中を舞う蝶は何だか趣があるわね。」
「お嬢が苦手な虫にもお嬢と俺のように個々の命があり、懸命に生きているんですよね。」
「…私達ってさ、何かを犠牲にしないと生きられない世界にいるわよね…。何かを食べることは他の生命活動を行うものから命を奪うことと変わらない…。…神様はどうしてそんな世界を作ったのかな…?」
「…お嬢…。」
「…もし…もし私が神様なら…そんな争いや競争を必要とする世界は作らないのにな…。」
「…俺もそんなお嬢が思い描く世界で生きてみたいです。」
「…私達…世界を創れないのかな…。…彼女みたいに…。」
「…俺はお嬢…いや、お嬢と俺ならいつか出来ると思うんです。南グループに不可能なことなんてありません。お嬢が思い描く世界を創りたいなら、俺はその夢を一緒に追いかけますよ。」
「…黎…私の思ってること変だって思わないの…?」
「誰がどんな夢を持つとか、どんな生き方をしたいとか、そういうのって人それぞれですよ。お嬢は自分の夢を自由に持って、ここにいる蝶のように一生懸命舞うのであれば、俺も一緒に舞います。それだけです。」
「やっぱり黎…大好き…。」
お嬢が黎を抱きしめ、黎はお嬢の背中に手を回す。
そして2人が抱き合った後、お嬢は黎の腕を組んで花畑の小道をしばらく歩く。
お嬢はずっと笑顔だった。
そんなお嬢の顔を黎はどれぐらいぶりに見ただろうか。
「…このまま時間が止まってしまえばいいのにな…なんて…♡」
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