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第十六章 真髄編
第八十六話 目覚め
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そしてお嬢と黎はある者達のもとへ向かう。
「失礼するわよ。」
「ガラガラガラ。」
お嬢が病室の引き戸の扉を開ける。
「やはり全てお前らの仕業でしたか、陸斗、影山、土屋。」
「…俺ほとんどかんけーねーし…?…めんどくせー…。」
「お嬢に見せた夢の正体は『夢の死神』影山の術式ですね?」
「キッキッキッキッキ…。なかなか楽しませてもらったぜぇ?」
「そしてそれを提案したのが『化作の策士』土屋ですか。」
「クックックックック…。ボスにも久々に楽しんで頂けましたよ。」
「ですが夢の術式は術式をかけられた者が術者を認識すれば解除されてしまうのでお嬢はもう目を覚ました訳です。これが何を意味するか…」
お嬢が黎の腕をひいて急いで部屋を後にする。
「ドカーーーーーーーーーーーーーンッッッ!!!!!」
3人がいた部屋からは大爆発が起こった。
「黎っ!忘れたの!?あの土屋ってやつ、都合が悪くなるとすぐ爆発して逃げるのよ!!」
「すみません…お嬢…。」
「とりあえずこれで夢からは覚めたんだし、ありがとう、黎。」
お嬢が黎を抱きしめる。
「いえ、お嬢が夢とすぐに気づいて頂けたから解決できたんですよ。」
それから黎の病室に戻るが高柳遥輝がお嬢と黎のもとにやって来ることはなかった。
「そもそもお嬢はどのタイミングで術式にかけられたのかってご自覚ありますか?」
「…確かに分からないわね…。」
「俺が病室の廊下で倒れてお嬢が運んでくれた所までは実は現実なんです。」
「…え、あれって現実なの!?じゃあ黎骨折してるの!?」
「してますよ。」
「大変じゃないの!!」
「お嬢に抱きしめて頂いて痛みの調子がよくなったんです。」
「もうっ…♡黎ったら…♡」
お嬢が赤面しながら黎の隣に座る。
「しかしその後お嬢は俺を抱きしめたまま眠ってしまったんです。そしてしばらくして悪夢でうなされました。お嬢の眠りは初めから術式によって起こったものです。そして1回目の目覚めで現実にいる俺と出くわしますが術式が続いているので現実にいる俺と高柳遥輝が夢に巻き込まれるようになります。術式の対象者は初めは1人なのですがそこで出会う人物が次々と巻き込まれて術者の世界の中で彷徨うことになるのが恐ろしいところです。」
「…!ちょっと待って…そしたらあの男…高柳遥輝って初めは本当に記憶喪失だったの…?」
「そうです。高柳遥輝が記憶喪失になることは高柳グループの舎弟の3人も想定外だったようですがお嬢の夢に巻き込まれ、裕也と出会いノートを渡され、南グループの十の掟について知らされた時に記憶を取り戻し、俺を攫いに来ました。」
「…私やっぱり黎の側にいなきゃダメだったんだ…。」
「お嬢が自分を責める必要はありませんよ。夢に入る前にも、夢の中でも言いましたが、お嬢のお陰で皆助かったんですよ。」
「黎…いつもありがとう…大好きよ。」
お嬢が黎にキスした。
「いえ、こちらこそ、いつもありがとうございます。俺も大好きです。」
……………
「流石は南グループのお嬢様と黎様です。事の本質に気づくことができました。これは今後ともかなりの期待を持てそうです。しかし、夢で見た出来事は現実でも変わりません。黎様を含むS級舎弟の方では未だに高柳遥輝様に太刀打ちすることはできないでしょう。さて、これからどう動きますか?南グループの皆さま。」
第十六章 真髄編 ~完~
次回 第八十七話 日常
「失礼するわよ。」
「ガラガラガラ。」
お嬢が病室の引き戸の扉を開ける。
「やはり全てお前らの仕業でしたか、陸斗、影山、土屋。」
「…俺ほとんどかんけーねーし…?…めんどくせー…。」
「お嬢に見せた夢の正体は『夢の死神』影山の術式ですね?」
「キッキッキッキッキ…。なかなか楽しませてもらったぜぇ?」
「そしてそれを提案したのが『化作の策士』土屋ですか。」
「クックックックック…。ボスにも久々に楽しんで頂けましたよ。」
「ですが夢の術式は術式をかけられた者が術者を認識すれば解除されてしまうのでお嬢はもう目を覚ました訳です。これが何を意味するか…」
お嬢が黎の腕をひいて急いで部屋を後にする。
「ドカーーーーーーーーーーーーーンッッッ!!!!!」
3人がいた部屋からは大爆発が起こった。
「黎っ!忘れたの!?あの土屋ってやつ、都合が悪くなるとすぐ爆発して逃げるのよ!!」
「すみません…お嬢…。」
「とりあえずこれで夢からは覚めたんだし、ありがとう、黎。」
お嬢が黎を抱きしめる。
「いえ、お嬢が夢とすぐに気づいて頂けたから解決できたんですよ。」
それから黎の病室に戻るが高柳遥輝がお嬢と黎のもとにやって来ることはなかった。
「そもそもお嬢はどのタイミングで術式にかけられたのかってご自覚ありますか?」
「…確かに分からないわね…。」
「俺が病室の廊下で倒れてお嬢が運んでくれた所までは実は現実なんです。」
「…え、あれって現実なの!?じゃあ黎骨折してるの!?」
「してますよ。」
「大変じゃないの!!」
「お嬢に抱きしめて頂いて痛みの調子がよくなったんです。」
「もうっ…♡黎ったら…♡」
お嬢が赤面しながら黎の隣に座る。
「しかしその後お嬢は俺を抱きしめたまま眠ってしまったんです。そしてしばらくして悪夢でうなされました。お嬢の眠りは初めから術式によって起こったものです。そして1回目の目覚めで現実にいる俺と出くわしますが術式が続いているので現実にいる俺と高柳遥輝が夢に巻き込まれるようになります。術式の対象者は初めは1人なのですがそこで出会う人物が次々と巻き込まれて術者の世界の中で彷徨うことになるのが恐ろしいところです。」
「…!ちょっと待って…そしたらあの男…高柳遥輝って初めは本当に記憶喪失だったの…?」
「そうです。高柳遥輝が記憶喪失になることは高柳グループの舎弟の3人も想定外だったようですがお嬢の夢に巻き込まれ、裕也と出会いノートを渡され、南グループの十の掟について知らされた時に記憶を取り戻し、俺を攫いに来ました。」
「…私やっぱり黎の側にいなきゃダメだったんだ…。」
「お嬢が自分を責める必要はありませんよ。夢に入る前にも、夢の中でも言いましたが、お嬢のお陰で皆助かったんですよ。」
「黎…いつもありがとう…大好きよ。」
お嬢が黎にキスした。
「いえ、こちらこそ、いつもありがとうございます。俺も大好きです。」
……………
「流石は南グループのお嬢様と黎様です。事の本質に気づくことができました。これは今後ともかなりの期待を持てそうです。しかし、夢で見た出来事は現実でも変わりません。黎様を含むS級舎弟の方では未だに高柳遥輝様に太刀打ちすることはできないでしょう。さて、これからどう動きますか?南グループの皆さま。」
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次回 第八十七話 日常
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