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第十六章 真髄編
第八十四話 公開処刑
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「…ねぇあなた…どうして黎がこんなところにいるの…?」
「それよりもお嬢、いや、香歩、俺に何か言うことある?」
「…っ!?」
「さぁ、着いたよ。」
そこには両手を鎖で繋がれ磔にされ全身血まみれの黎の姿があった。
「黎っっっ!黎っっっ!!!」
お嬢が黎のもとへ駆け寄ろうとする。
「待って香歩、その前に俺に何か言うことない?」
遥輝が立ちふさがる。
「ご…ごめん…なさい…。」
「なんで謝るの?」
「私はどうなってもいいので…!黎を離して…!離してください…!!」
お嬢は泣きながら遥輝に懇願する。
「ダメだよ香歩。謝るのには理由があるんでしょ?ちゃんとそれを説明しないと。」
遥輝がポケットから手を出すと血で真っ赤に染まっている。
「ポキッ。」
遥輝が肩を鳴らす。
「あの…あなたの…ことを…だま…して…」
「何?ちゃんと言わないと聞こえないよ?」
「あなたのことを騙して…しまいました…ごめんなさい…。」
「よく言えたね。偉いよ香歩。」
遥輝が黎のもとに向かっていく。
「あの…!黎は…!黎は関係ないんです…!全部私が勝手にしたことなんです…!だから…」
「バコッッッ!!!」
「お願いですからやめてください…!」
「ドカッッッ!!!」
「香歩の彼氏が関係ないのは知ってるよ。」
「グシャッッッ!!!」
「ゲホッッッ…!!お…じょ…う…。」
「お願いです…!ほんとに…ほんとに死んじゃいます…!!」
「死なせるんだよ?香歩の前でね。」
「グシャッッッ!!!」
「いや…そんな…」
「お…じ…ょ…う…」
「グシャッッッ!!!」
「いま…まで…」
「グシャッッッ!!!」
「あ…り…がと…うござ…いまし…」
「いやあああああああああああああ!!!」
……………
「…じょ…う…。お嬢…。お嬢!」
「黎がっ…!黎が死んじゃうっ…!」
「お嬢!大丈夫です!生きてますよ!」
お嬢は黎の声が呼びかけるのが聞こえた。
「黎…?黎なの…!?」
お嬢が黎に触れて黎の存在を確かめる。
「俺です。大丈夫ですか?すごくうなされていましたよ。」
「…ここは…?」
「南病院の俺の病室ですよ。みんなお嬢のお陰で助かったんですよ。」
「…!?あの男は…!?高柳遥輝は…!?」
「あの男も病院に運ばれたようですよ。もちろん厳重に閉鎖された…」
「っ!黎…!逃げるわよ…!」
お嬢が黎の腕をひいてどこかへ連れていこうとする。
「お嬢!落ち着きましょう。記憶を共有しているのでわかります。俺があの男にお嬢の目の前で殺される夢を見たのでしょう?」
「…私は…黎のもとを離れちゃ行けなかった…。」
「お嬢…。」
「…また…来るかもしれない…。さっき見た夢みたいに…。来たらどうしよう…。」
黎は遥輝に勝てなかった。
圧倒的な力を目の前に手も足も出なかった。
しかし黎は言うしかなかった。
「俺がお嬢を絶対に守ります。」
黎がそう言った矢先に悲劇は起こる。
「ドカーーーーーンッッッ!!!」
黎の病室の扉が吹っ飛んだ。
「おはよう香歩。さっきぶりだね。」
「…あなた…!…なんで…!?」
「香歩の彼氏を攫いに来たんだよ?」
「だめっ!やめてっ!!!お願いっ!!!」
「お嬢!下がってください!」
黎と遥輝が見合う。
次回 第八十五話 明晰夢
「それよりもお嬢、いや、香歩、俺に何か言うことある?」
「…っ!?」
「さぁ、着いたよ。」
そこには両手を鎖で繋がれ磔にされ全身血まみれの黎の姿があった。
「黎っっっ!黎っっっ!!!」
お嬢が黎のもとへ駆け寄ろうとする。
「待って香歩、その前に俺に何か言うことない?」
遥輝が立ちふさがる。
「ご…ごめん…なさい…。」
「なんで謝るの?」
「私はどうなってもいいので…!黎を離して…!離してください…!!」
お嬢は泣きながら遥輝に懇願する。
「ダメだよ香歩。謝るのには理由があるんでしょ?ちゃんとそれを説明しないと。」
遥輝がポケットから手を出すと血で真っ赤に染まっている。
「ポキッ。」
遥輝が肩を鳴らす。
「あの…あなたの…ことを…だま…して…」
「何?ちゃんと言わないと聞こえないよ?」
「あなたのことを騙して…しまいました…ごめんなさい…。」
「よく言えたね。偉いよ香歩。」
遥輝が黎のもとに向かっていく。
「あの…!黎は…!黎は関係ないんです…!全部私が勝手にしたことなんです…!だから…」
「バコッッッ!!!」
「お願いですからやめてください…!」
「ドカッッッ!!!」
「香歩の彼氏が関係ないのは知ってるよ。」
「グシャッッッ!!!」
「ゲホッッッ…!!お…じょ…う…。」
「お願いです…!ほんとに…ほんとに死んじゃいます…!!」
「死なせるんだよ?香歩の前でね。」
「グシャッッッ!!!」
「いや…そんな…」
「お…じ…ょ…う…」
「グシャッッッ!!!」
「いま…まで…」
「グシャッッッ!!!」
「あ…り…がと…うござ…いまし…」
「いやあああああああああああああ!!!」
……………
「…じょ…う…。お嬢…。お嬢!」
「黎がっ…!黎が死んじゃうっ…!」
「お嬢!大丈夫です!生きてますよ!」
お嬢は黎の声が呼びかけるのが聞こえた。
「黎…?黎なの…!?」
お嬢が黎に触れて黎の存在を確かめる。
「俺です。大丈夫ですか?すごくうなされていましたよ。」
「…ここは…?」
「南病院の俺の病室ですよ。みんなお嬢のお陰で助かったんですよ。」
「…!?あの男は…!?高柳遥輝は…!?」
「あの男も病院に運ばれたようですよ。もちろん厳重に閉鎖された…」
「っ!黎…!逃げるわよ…!」
お嬢が黎の腕をひいてどこかへ連れていこうとする。
「お嬢!落ち着きましょう。記憶を共有しているのでわかります。俺があの男にお嬢の目の前で殺される夢を見たのでしょう?」
「…私は…黎のもとを離れちゃ行けなかった…。」
「お嬢…。」
「…また…来るかもしれない…。さっき見た夢みたいに…。来たらどうしよう…。」
黎は遥輝に勝てなかった。
圧倒的な力を目の前に手も足も出なかった。
しかし黎は言うしかなかった。
「俺がお嬢を絶対に守ります。」
黎がそう言った矢先に悲劇は起こる。
「ドカーーーーーンッッッ!!!」
黎の病室の扉が吹っ飛んだ。
「おはよう香歩。さっきぶりだね。」
「…あなた…!…なんで…!?」
「香歩の彼氏を攫いに来たんだよ?」
「だめっ!やめてっ!!!お願いっ!!!」
「お嬢!下がってください!」
黎と遥輝が見合う。
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