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第十五章 大会編
第八十話 全滅
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お嬢がマイクを握って力いっぱい叫んだ。
「お願いだからもう止めて。」
マイク越しにお嬢が続けて訴える。
遥輝がお嬢の元に歩み寄る。
「何言ってるの?香歩。まだ参加者に生き残りは沢山いるよ?まだまだこれからだよ?」
「止めてください…お願いです…お願いです…。」
お嬢が泣きながら遥輝に何度も頭を下げる。
菱沼も萌美を抱きしめながら涙を流している。
「ダメだよ香歩。ちょっとお仕置きが必要だね。ちょっと待っててね。」
遥輝はお嬢のもとを離れてすぐにお嬢のもとに戻ってきた。
遥輝の右手には髪を掴まれた黎の姿があった。
「黎っ!!!止めて…!お願いです…!!黎を返してください…!!!」
「ダメだってば。これ、香歩の大事な人なんでしょ?」
「…お嬢…逃げ…て…くだ…さ…」
「バコッッッ!!!」
「ケホッッッ…!!」
黎は遥輝に腹を殴られて吐血した。
「黎っっっ!!や…止めて…止めてください!人質は私が…私がなりますから…!」
お嬢が泣きながら懇願する。
「ダメ…です…お嬢…逃げ…」
「バコッッッ!!!」「バコッッッ!!!」「バコッッッ!!!」
「なかなかしぶといね。」
「イヤ…」
お嬢が泣き崩れる。
「イヤァァァァアアアア!!!!」
「そこまでだ、ボス。いや、高柳遥輝。」
「ボク達のお嬢様泣かせちゃだめだよ。」
「君たちも参加者だったんだね。」
黎は掴まれた髪を離された。
お嬢が遥輝に手放された黎のもとに駆け寄る。
「黎っっ…!!!しっかりして!!黎っ!!!目を開けて!!!」
お嬢が黎を泣きながら抱きかかえる。
「お嬢…すみま…せ…ん…」
「何も言っちゃだめよ!!ごめんね…!!ごめんねっ…!!!」
お嬢が黎を抱きしめる。
一方で、遥輝が楓と紅葉のもとに歩み寄る。
「バコッッッ!!!」
「くッ!」
楓が絶対防御魔法と盾で遥輝の拳を受け止める。
「ドカーーーーーンッッッ!!!」
遥輝に紅葉が巨斧を振りかざすがかわされる。
「バキューン!バキューン!バキューン!」
「イルックス、ウィズ、マイマスター、バトルスタート。」
「キュイイイイイン!!!」
「イストル、主殿と共に戦う、対象戦闘力、脅威。」
4体1。
遥輝は4人の攻撃を全てかわす。
遥輝はまるで本気を出していない。
「スクラップにするよ?」
「バコンッッッ!!!ガシャーン!!!」
「ドカッッッ!!ガシャーン!!!」
イルックスが殴られ、イストルが蹴られ一撃で機能停止に陥る。
「ボクの友達…お前許さない!」
「ヒュン…バババババババババババババン!!」
「それで終わり?」
「紅葉!」
紅葉が遥輝に背後をとられていた。
「ドカッッッ!!!バコーン!!」
「楓…お姉様…?」
蹴られてふっ飛ばされたのは楓だった。
「人の心配してる場合?」
「バコッッッ!!!ドカーーーーーンッッッ!!!」
紅葉が殴られてふっ飛ばされた。
楓も紅葉も気絶した。
そして遥輝はお嬢のもとに歩み寄る。
「さて、香歩。戦闘力に自慢のある舎弟達は全滅したよ。後は香歩…」
「黎…陸斗…影山…土屋…萌美ちゃん…咲…リソス…イルックス…イストル…楓ちゃん…紅葉ちゃん…」
「香歩?」
お嬢は抱きかかえている黎をそっと横たえて立ち上がる。
「南グループのお嬢の名において…あなたを…絶対に許さない!!!」
「その調子だよ。香…」
「パシンッッッッッッ!!!ドカーーーーーン!!!」
勝負は一瞬でついた。
「…お嬢…様…。」
「晶ちゃん、皆を病院に運ぶための救急要請をお願い。」
「…はい…!かしこまりました!」
会場には参加者というよりは野次馬のような者たちが残っていた。
お嬢がマイクを手にとる。
「皆さん。この度は大変なご迷惑をおかけしました。誠に残念ではございますが、本大会は今現在をもちまして中止とさせて頂きます。」
お嬢のそのアナウンスで大会は幕を閉じ、負傷者達は南病院に救急搬送された。
一方その頃、千佳、海斗、太陽は高柳遥輝が事件を起こすより前に既に会場を後にしており、ある準備を進めていた。
第十五章 大会編 ~完~
次回 第八十一話 喪失
「お願いだからもう止めて。」
マイク越しにお嬢が続けて訴える。
遥輝がお嬢の元に歩み寄る。
「何言ってるの?香歩。まだ参加者に生き残りは沢山いるよ?まだまだこれからだよ?」
「止めてください…お願いです…お願いです…。」
お嬢が泣きながら遥輝に何度も頭を下げる。
菱沼も萌美を抱きしめながら涙を流している。
「ダメだよ香歩。ちょっとお仕置きが必要だね。ちょっと待っててね。」
遥輝はお嬢のもとを離れてすぐにお嬢のもとに戻ってきた。
遥輝の右手には髪を掴まれた黎の姿があった。
「黎っ!!!止めて…!お願いです…!!黎を返してください…!!!」
「ダメだってば。これ、香歩の大事な人なんでしょ?」
「…お嬢…逃げ…て…くだ…さ…」
「バコッッッ!!!」
「ケホッッッ…!!」
黎は遥輝に腹を殴られて吐血した。
「黎っっっ!!や…止めて…止めてください!人質は私が…私がなりますから…!」
お嬢が泣きながら懇願する。
「ダメ…です…お嬢…逃げ…」
「バコッッッ!!!」「バコッッッ!!!」「バコッッッ!!!」
「なかなかしぶといね。」
「イヤ…」
お嬢が泣き崩れる。
「イヤァァァァアアアア!!!!」
「そこまでだ、ボス。いや、高柳遥輝。」
「ボク達のお嬢様泣かせちゃだめだよ。」
「君たちも参加者だったんだね。」
黎は掴まれた髪を離された。
お嬢が遥輝に手放された黎のもとに駆け寄る。
「黎っっ…!!!しっかりして!!黎っ!!!目を開けて!!!」
お嬢が黎を泣きながら抱きかかえる。
「お嬢…すみま…せ…ん…」
「何も言っちゃだめよ!!ごめんね…!!ごめんねっ…!!!」
お嬢が黎を抱きしめる。
一方で、遥輝が楓と紅葉のもとに歩み寄る。
「バコッッッ!!!」
「くッ!」
楓が絶対防御魔法と盾で遥輝の拳を受け止める。
「ドカーーーーーンッッッ!!!」
遥輝に紅葉が巨斧を振りかざすがかわされる。
「バキューン!バキューン!バキューン!」
「イルックス、ウィズ、マイマスター、バトルスタート。」
「キュイイイイイン!!!」
「イストル、主殿と共に戦う、対象戦闘力、脅威。」
4体1。
遥輝は4人の攻撃を全てかわす。
遥輝はまるで本気を出していない。
「スクラップにするよ?」
「バコンッッッ!!!ガシャーン!!!」
「ドカッッッ!!ガシャーン!!!」
イルックスが殴られ、イストルが蹴られ一撃で機能停止に陥る。
「ボクの友達…お前許さない!」
「ヒュン…バババババババババババババン!!」
「それで終わり?」
「紅葉!」
紅葉が遥輝に背後をとられていた。
「ドカッッッ!!!バコーン!!」
「楓…お姉様…?」
蹴られてふっ飛ばされたのは楓だった。
「人の心配してる場合?」
「バコッッッ!!!ドカーーーーーンッッッ!!!」
紅葉が殴られてふっ飛ばされた。
楓も紅葉も気絶した。
そして遥輝はお嬢のもとに歩み寄る。
「さて、香歩。戦闘力に自慢のある舎弟達は全滅したよ。後は香歩…」
「黎…陸斗…影山…土屋…萌美ちゃん…咲…リソス…イルックス…イストル…楓ちゃん…紅葉ちゃん…」
「香歩?」
お嬢は抱きかかえている黎をそっと横たえて立ち上がる。
「南グループのお嬢の名において…あなたを…絶対に許さない!!!」
「その調子だよ。香…」
「パシンッッッッッッ!!!ドカーーーーーン!!!」
勝負は一瞬でついた。
「…お嬢…様…。」
「晶ちゃん、皆を病院に運ぶための救急要請をお願い。」
「…はい…!かしこまりました!」
会場には参加者というよりは野次馬のような者たちが残っていた。
お嬢がマイクを手にとる。
「皆さん。この度は大変なご迷惑をおかけしました。誠に残念ではございますが、本大会は今現在をもちまして中止とさせて頂きます。」
お嬢のそのアナウンスで大会は幕を閉じ、負傷者達は南病院に救急搬送された。
一方その頃、千佳、海斗、太陽は高柳遥輝が事件を起こすより前に既に会場を後にしており、ある準備を進めていた。
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