上 下
57 / 157
第十一章 Bの掟編

第五十七話 戮力

しおりを挟む
「…お嬢…何してるんですか…?」

 黎が目を覚ますと、仰向けの黎にまたがっているお嬢の姿があった。

「何って…昨日のお返しに…決まってるじゃない…あんっ♡こんなに大きくして…♡それより黎…本当に…咲と3日間…なにしたのか…あんっ♡覚えてないのっ…?あんっ♡」

「…もうお昼ですよ?それに記憶を共有してるんですし覚えてないのはわかりきってるのではないですか?」

 黎がそう言って腰を動かし始める。

「あんっ♡そんなに動いちゃだめッ!♡またイッちゃうッ♡」

「俺が寝ている間にもイッてたんですか?」

「そ…それは…あ…あんっ♡あなたがいけないのよ…あんっ♡…咲と3日間も…あんっ♡よるをともにしたって…あんっ♡イクッッ♡!」

 お嬢は絶頂に達してしまった。

「昨日あれだけイッたのにまだ足りないんですね。」

 そう黎が言いながらお嬢の腰を抑えて黎は腰をふりつづける。

「待ってッ!今イッたばかりなのッ♡あッ♡だめッ♡んっ…♡」

 そう言うお嬢に黎が起き上がって唇にキスをしてお嬢の口を塞ぐ。

「お嬢、一旦夜までお預けにして、今回の事件についてもう少し調べてみましょう。」

「…んっ…♡…わかったわ…。また…夜…してよね…?」

「はい、菱沼と一旦合流しましょう。」

 そしてお嬢と黎は服を着て黎の病室を後にし、菱沼の病室へ向かった。

「晶ちゃんー、おはよー、ちょっといいかしらー?」

 お嬢が菱沼を病室の扉越しに尋ねる。

「お嬢様!おはようございます!どうぞお入りください!」

 扉の奥から菱沼の声が聞こえる。

 お嬢が扉を開けるとそこには菱沼と紅葉が隣り合ってベッドに座っていた。

 そしてさらに驚くことに、E6(イーシックス)とE7(イーセブン)も同じ病室内にいたのだ。

 しかしお嬢は状況を一瞬で理解したようで、

「流石は晶ちゃんね。」

 と言った。

「お嬢様!紅葉さんも南グループの活動にこれから協力してくれるんですって!」

「ボクは晶の友達にはなったけど、別にお前には…」

「そっか!これからよろしくね!紅葉ちゃん!」

 お嬢は紅葉に笑顔を見せた。

「………よろ…しく…お嬢…様…。」

「マイマスターのお嬢様、E6(イーシックス)、よろしくお願い致します。」

「主殿のお嬢様、E7(イーセブン)、よろしくお願い致します。」

 お嬢が紅葉の連れている2人にも笑顔を見せる。

「2人も協力してくれるのね!よろしくね!でも…ちょっと名前を変えてみてはどうかしら…。」

「それなら…ボクがもう名付けた…。姉のイルックスと、弟のイストル。」

「あら!いい名前じゃない!よろしくね!イルックスちゃん!イストル君!」

「イルックス、お願い致します。」

「イストル、お願い致します。」

 2人は改めてお嬢に名乗った。

 そう言っていると、お嬢と黎の背後から何者かの気配を感じた。

「随分と仲良くなったみたいだな。」

 楓だった。

「あら?あなたも混ざりたいのかしら?」

「楓お姉様…これは…その…」

「わかっている紅葉、お前に友達が出来てよかったな。それにお前の溺愛してたやつらも仲良くなれたみたいではないか。お前、菱沼晶と言ったか。なかなか大したやつだ。」

「私は…えっと…その…」

 菱沼は楓の言葉に戸惑っていた。

「よいのだ。お前のおかげで紅葉はこれから心の底から笑って生きていけるのかもしれない。感謝している。」

「い、いえ!そんな!とんでもございません!」

「そして礼と言ってはなんだが、オレにも協力させてくれ。南グループはなかなか興味深い。それに、花梨のこともあるしな。」

「あら、ありがとう。それじゃあよろしくね!楓ちゃん!」

「か、楓ちゃん…。」

 楓は呼ばれ慣れない呼び方に顔が少し赤くなった。

「それにしてもよいのですか?お2人は高柳グループの舎弟にも関わらず、独断でこのような決断をされてるんですよね?」

 楓は赤らめた表情から真剣な表情に戻る。

「高柳グループの舎弟は何をするのも自由だ。つまりその舎弟が他のグループに入ることも例外ではない。それに、高柳グループは南グループに完敗だった。オレ達がいくら足掻いても仕方ない。」

「そうなのね!流石は私の舎弟達だわ!」

 お嬢は自分であの高柳グループのボスである高柳遥輝を素手の一撃で仕留めたことにはまだ気づいていない。

「それじゃあ、晶ちゃんはまだ完治してないからここで安静にしてて、私と黎と楓ちゃんと紅葉ちゃんはお屋敷に行きましょう!イルックスちゃんとイストル君は晶ちゃんの傍にいてもらえるかしら?」

「わかりました!」

「え!?イルックスとイストル、ボクがいなくても平気!?」

「安心してくださいマイマスター。イルックス、イストルとマイフレンド晶の傍にいます。」

「イストル、お姉様と同様、友達の晶をお守りします。」

「心強いわね!」

「その2人がいれば晶も大丈夫であろう。」

「それでは向かいましょうか。」

 4人は屋敷へと向かうのであった。

 そして4人が屋敷に着いてから向かう場所、それは八代がいた書斎。

「ここが花梨の使っていた書斎か。アイツらしいな。」

 楓が八代の使っていた書物に手を取りパラパラとページを捲る。

「デスクトップパソコンに電子機器、色々あるけど改造の余地はまだまだありそうだね。」

 紅葉が八代の使っていたワーキングデスクに腰をかけパソコンに電源を入れる。

「世界線Ⅰ、かつて南グループのボスであった南源蔵がいた世界、こことは別世界ということか…。宇宙、銀河、星、地球、世界、日本、国、戦争、政治、歴史…」

 楓が書物を捲りながらブツブツと言っている。

「オウセンティケーションシステム(認証システム)か。この間花梨お姉様を誘拐した時にとった指紋とカメラに映った顔写真が確かボクのパソコンに…」

 そういって自前のパソコンを紅葉はリュックから取り出す。

 姉妹の動きを見ていたお嬢と黎は驚いていた。

「お嬢…この2人…」

「…ええ…す…凄い…!」


 次回 第五十八話 禁忌
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

【完結】令嬢が壁穴にハマったら、見習い騎士達に見つかっていいようにされてしまいました

雑煮
恋愛
おマヌケご令嬢が壁穴にハマったら、騎士たちにパンパンされました

[R18] 18禁ゲームの世界に御招待! 王子とヤらなきゃゲームが進まない。そんなのお断りします。

ピエール
恋愛
R18 がっつりエロです。ご注意下さい えーー!! 転生したら、いきなり推しと リアルセッ○スの真っ最中!!! ここって、もしかしたら??? 18禁PCゲーム ラブキャッスル[愛と欲望の宮廷]の世界 私って悪役令嬢のカトリーヌに転生しちゃってるの??? カトリーヌって•••、あの、淫乱の••• マズイ、非常にマズイ、貞操の危機だ!!! 私、確か、彼氏とドライブ中に事故に遭い•••• 異世界転生って事は、絶対彼氏も転生しているはず! だって[ラノベ]ではそれがお約束! 彼を探して、一緒に こんな世界から逃げ出してやる! カトリーヌの身体に、男達のイヤラシイ魔の手が伸びる。 果たして、主人公は、数々のエロイベントを乗り切る事が出来るのか? ゲームはエンディングを迎える事が出来るのか? そして、彼氏の行方は••• 攻略対象別 オムニバスエロです。 完結しておりますので最後までお楽しみいただけます。 (攻略対象に変態もいます。ご注意下さい)   

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

【R18】隣のデスクの歳下後輩君にオカズに使われているらしいので、望み通りにシてあげました。

雪村 里帆
恋愛
お陰様でHOT女性向け33位、人気ランキング146位達成※隣のデスクに座る陰キャの歳下後輩君から、ある日私の卑猥なアイコラ画像を誤送信されてしまい!?彼にオカズに使われていると知り満更でもない私は彼を部屋に招き入れてお望み通りの行為をする事に…。強気な先輩ちゃん×弱気な後輩くん。でもエッチな下着を身に付けて恥ずかしくなった私は、彼に攻められてすっかり形成逆転されてしまう。 ——全話ほぼ濡れ場で小難しいストーリーの設定などが無いのでストレス無く集中できます(はしがき・あとがきは含まない) ※完結直後のものです。

幼馴染による寝取り性感マッサージ

下菊みこと
恋愛
ヤンデレな幼馴染が迎えに来たお話。 今回はえっち多め、激しめのつもりです。 ムーンライトノベルズ様でも投稿しています。

処理中です...