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第九章 堕天使編
第四十六話 違和感
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夜明けとともにお嬢の部屋に差しこむ眩しい日差しで目を先に覚ましたのは黎の方だった。
「お嬢、結局昨日の出来事について何も追求してこなかったじゃないですか…。」
黎はお嬢の寝顔を見ながらそう呟いて服を着て帽子を被り広間へ出た。
広間には誰もいなかった。
あれから高柳グループはどうなったのだろうかと黎は考えていた。
すると八代が書斎から出てきた。
「おはようございます、黎様。」
「おはようございます、八代。気分の方はどうですか。」
「気分、ですか…」
八代が手を後ろに回したまま黎のもとへ歩み寄る。
「あと少し…と言ったところでしょうか…。」
「…?それはどういう…」
「ぷしゅッ!」
黎の顔に突然香りのある霧のようなものが吹きかかった。
「八代…。」
黎が八代を抱きしめる。
「…それでは参りましょうか…。黎様…。」
「ええ…。」
黎が八代をお姫様抱っこして八代の書斎に向かう。
そして黎が八代の書斎の鍵を内側から閉める。
そして黎は抱っこしていた八代をゆっくりとベッドに寝かせて八代の服を脱がせていく。
「八代、俺がずっと側にいます。」
「黎様。ワタクシも黎様のお側にいさせてください…。ッあッ!♡」
八代は以前のように声を抑えなかった。
「黎様ッ…とても…気持ちいいです…ッあんッ!♡」
「これからまだまだ気持ちよくなりますよ。楽しみにしていてください。」
一方その頃広間では菱沼が目を覚まして広間に出てきた。
そこには誰も居なかったが、八代の書斎のほうから女性の喘ぎ声のようなものが聞こえてくる。
「…!?一体お相手は誰でしょう!?でもこういうのは…そっとしておいたほうがいいですよね…?」
そう菱沼が独り言を言っているとお嬢の部屋から扉が開く。
「あ、晶ちゃんおはよー。黎知らなーい?」
「お嬢様!おはようございます!私も今朝はお見かけしておりません!一体どちらへ…」
するとお嬢の表情が一瞬で険しくなる。
「これは女の勘よ。」
そう言って八代の書斎の扉に一直線に向かって行った。
そこからは八代の喘ぎ声のようなものが聞こえてくる。
「黎ッ!ちょっと!?」
「ドンドンドンドンドンッ!」
お嬢が書斎の扉を叩く。
しかし黎からの反応はない。
「おかしいわね…。」
「あの…お嬢様…お相手が黎様でないという可能性もありますし…その…あまり八代さんのお邪魔をしてしまっては…」
「………確かにその通りね。私の声がして黎が反応しないなんておかしいもの。黎だったら絶対に反応…」
そうお嬢が言っていると扉の先の喘ぎ声が止んだ。
そしてお嬢と菱沼がしばらく顔を合わせていると扉の鍵が開く音がし、扉が開いた。
そしてお嬢の目の前には黎の胸元に顔をうずめている八代とそれを抱きしめいる黎の姿があった。
「黎ッ!?…嘘ッ…!?」
「お嬢、どうされましたか?」
「…え…?…黎…よね…?ちょっと…こっちに来なさいよ…。」
「すみませんが今取込み中でして、後にしてもらえますか?」
「ちょっ…待っ…!取込み中って…!?」
「バンッ。ガチャッ。」
「お嬢様…!これは…これは一体どういうことでしょう!?」
「違う…あれは…あれは黎だけど…黎じゃない…。私にはわかる…。」
「黎様…ではない…?」
第四十七話 絡繰
「お嬢、結局昨日の出来事について何も追求してこなかったじゃないですか…。」
黎はお嬢の寝顔を見ながらそう呟いて服を着て帽子を被り広間へ出た。
広間には誰もいなかった。
あれから高柳グループはどうなったのだろうかと黎は考えていた。
すると八代が書斎から出てきた。
「おはようございます、黎様。」
「おはようございます、八代。気分の方はどうですか。」
「気分、ですか…」
八代が手を後ろに回したまま黎のもとへ歩み寄る。
「あと少し…と言ったところでしょうか…。」
「…?それはどういう…」
「ぷしゅッ!」
黎の顔に突然香りのある霧のようなものが吹きかかった。
「八代…。」
黎が八代を抱きしめる。
「…それでは参りましょうか…。黎様…。」
「ええ…。」
黎が八代をお姫様抱っこして八代の書斎に向かう。
そして黎が八代の書斎の鍵を内側から閉める。
そして黎は抱っこしていた八代をゆっくりとベッドに寝かせて八代の服を脱がせていく。
「八代、俺がずっと側にいます。」
「黎様。ワタクシも黎様のお側にいさせてください…。ッあッ!♡」
八代は以前のように声を抑えなかった。
「黎様ッ…とても…気持ちいいです…ッあんッ!♡」
「これからまだまだ気持ちよくなりますよ。楽しみにしていてください。」
一方その頃広間では菱沼が目を覚まして広間に出てきた。
そこには誰も居なかったが、八代の書斎のほうから女性の喘ぎ声のようなものが聞こえてくる。
「…!?一体お相手は誰でしょう!?でもこういうのは…そっとしておいたほうがいいですよね…?」
そう菱沼が独り言を言っているとお嬢の部屋から扉が開く。
「あ、晶ちゃんおはよー。黎知らなーい?」
「お嬢様!おはようございます!私も今朝はお見かけしておりません!一体どちらへ…」
するとお嬢の表情が一瞬で険しくなる。
「これは女の勘よ。」
そう言って八代の書斎の扉に一直線に向かって行った。
そこからは八代の喘ぎ声のようなものが聞こえてくる。
「黎ッ!ちょっと!?」
「ドンドンドンドンドンッ!」
お嬢が書斎の扉を叩く。
しかし黎からの反応はない。
「おかしいわね…。」
「あの…お嬢様…お相手が黎様でないという可能性もありますし…その…あまり八代さんのお邪魔をしてしまっては…」
「………確かにその通りね。私の声がして黎が反応しないなんておかしいもの。黎だったら絶対に反応…」
そうお嬢が言っていると扉の先の喘ぎ声が止んだ。
そしてお嬢と菱沼がしばらく顔を合わせていると扉の鍵が開く音がし、扉が開いた。
そしてお嬢の目の前には黎の胸元に顔をうずめている八代とそれを抱きしめいる黎の姿があった。
「黎ッ!?…嘘ッ…!?」
「お嬢、どうされましたか?」
「…え…?…黎…よね…?ちょっと…こっちに来なさいよ…。」
「すみませんが今取込み中でして、後にしてもらえますか?」
「ちょっ…待っ…!取込み中って…!?」
「バンッ。ガチャッ。」
「お嬢様…!これは…これは一体どういうことでしょう!?」
「違う…あれは…あれは黎だけど…黎じゃない…。私にはわかる…。」
「黎様…ではない…?」
第四十七話 絡繰
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