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第八章 無双編
第四十四話 陰謀
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「ええ、お嬢が今仰った相手同士各々が対峙するように仕向け、そしてお嬢のその出来事にまつわる記憶を一度消去させて頂きました。」
「パチンッ!」
お嬢が左手で黎に平手打ちした。
「何勝手なことしてるのよ!?あの2人にもし何かあったらどうするのよ!?それに相手の2人は高柳グループとはいえ花梨ちゃんの姉妹なのよ!?」
「恐らくあの2人でしか太刀打ちできないと考えました。リソスは体力バカで頑丈ですし1対多数でも太刀打ちできるはずなので軍団を率いている紅葉の軍勢に負けず劣らずの戦力となるかと思われます。仮に紅葉が立ちはだかってもあいつには竜化があります。そして江戸村の刀は切れないものはこの世に存在せず、絶対防御魔法を貼っている楓に攻撃が通るのは彼女しかいないと考えました。それに楓は紅葉と違いサシで挑む戦い方を好むので江戸村は好敵手か或いはそれ以上だと考えました。それに…」
そう黎が話している途中で、
「黎…あなた…。」
お嬢が黎の顔の両側に手を添えてお嬢と黎が見つめ合う。
「…お嬢…?」
「………。」
「パチンッ!!!ドカーーーーン!!!」
お嬢が左手で黎に平手打ちをし、黎が吹っ飛んで壁にぶち当たった。
「お…お嬢…なぜ…ですか…。」
「あなた何勝手に人の舎弟を好き勝手動かしてるのよ!!それにこの私の記憶も勝手に利用して咲の行き先まで嘘ついて向かわせるなんて!!黎のバカ!!もう知らないわよ!!」
そう言ってお嬢が何処かに行ってしまった。
「お…お嬢…!待ってください…!」
「あーあ、黎兄ちゃんお嬢のこと怒らせちゃったね。でもお嬢はどこ行っちゃうんだろー?」
「お嬢…そちらへ行っては…いけません…。」
黎には分かっていた。お嬢が行く先が。
お嬢と記憶を共有しているから。
……………
「ドカーーーン!!!」
「ギャアオオオオオオオオオオオオン!!!」
紅葉はリソスの背中に乗って巨斧を振り下ろしていた。
リソスの鱗にヒビが入る。
「テメェこの俺様に傷をつけるなんてなかなかやるじゃねぇか!だが!まだ足りねぇよ!ゴルァ!」
「ドカンッ!ガリガリガリガリガリガリガリッ!」
リソスが地面に背中を向けて背中を叩きつけ、そのまま背中で地面を滑走して擦りつける。
紅葉がボロボロになってリソスの背中から落ち地面に這いつくばる。
「まだ…だ…。」
「シュン…バババババババババババババン!!」
「グアアアアアアアアッッッ!!」
紅葉の斧の先端の中心から光線が放たれ、光線の軌跡から連続的な爆発が起こり、それがリソスの体に命中する。
「どうだ…ボクの…」
「頑張ったようだがまだ足りねぇな?」
「…ッ!?」
「バコンッ!!!」
リソスの前足蹴りで紅葉は吹っ飛んだ。
そして紅葉は気を失った。
そして竜化したリソスは人間の姿に戻り、
「俺様の愛しの妻のお願いでテメェを生かしてやったんだ。感謝しやがれ。」
と言って何処かへ去って行った。
……………
「………うーん…私…眠ってしまいましたの?なんだか体がやけに軽いような気がしますの…。って…カウントダウンの途中でしたの?いまいくつですの?」
「ハァ…ハァ…お前…本当に眠っていたのか…?」
楓は眠っている相手に攻撃を当てることを躊躇いながら初めはそっと起こそうとしたのだが、その時のあまりの動きの速さに全力で攻撃を当てることに集中したが一発も当たらなかったのだ。
「あら、あなた、私がいくつまで数えたかわかりますの?」
「…6だ…。」
「正直に教えて頂けるなんて珍しい方ですの。ほとんどの方は私が寝ている間に既にいなくなっているか、嘘をつくんですのよ。では…その敬意にお応えしまして…」
江戸村が居合の体勢に入る。
「…来るっ!」
「5。」
「バリィン!」
「ぐはッ!!」
楓は出血する。
「4。」
「バリィィン!!」
「ぐああッ!!」
楓は膝を地面につく。
「3。」
「バリィィィィン!!!」
「うぐッ…!!………ハァ…ハァ…ま…まだだ…」
間髪入れず、
「2。」
「バリイイイイイイン!!!!!」
楓の絶対防御魔法が完全に砕けた。
「ぐあああはあああああああああ!!!」
楓は槍を手から離して両手を地面についてしまう。
「1…」
「これを…生身で…受けたら…」
「ドスッ!!」
楓は気絶した。
「最後の1枚はリソス様の前でしか見せられませんのーーー♡♡♡リソス様ぁーーーどこにいらっしゃいますのーーー???♡♡♡」
江戸村の真剣な表情は一気に恋する乙女の表情へと一変した。
そして思い出したかのように、倒れた楓に振り返り、
「あ、最後の一撃は峰打ちですの。リソス様のご厚意であなたを生かしておいたんですのよ。」
と言って江戸村は姿を消した。
次回 第四十五話 兄妹
「パチンッ!」
お嬢が左手で黎に平手打ちした。
「何勝手なことしてるのよ!?あの2人にもし何かあったらどうするのよ!?それに相手の2人は高柳グループとはいえ花梨ちゃんの姉妹なのよ!?」
「恐らくあの2人でしか太刀打ちできないと考えました。リソスは体力バカで頑丈ですし1対多数でも太刀打ちできるはずなので軍団を率いている紅葉の軍勢に負けず劣らずの戦力となるかと思われます。仮に紅葉が立ちはだかってもあいつには竜化があります。そして江戸村の刀は切れないものはこの世に存在せず、絶対防御魔法を貼っている楓に攻撃が通るのは彼女しかいないと考えました。それに楓は紅葉と違いサシで挑む戦い方を好むので江戸村は好敵手か或いはそれ以上だと考えました。それに…」
そう黎が話している途中で、
「黎…あなた…。」
お嬢が黎の顔の両側に手を添えてお嬢と黎が見つめ合う。
「…お嬢…?」
「………。」
「パチンッ!!!ドカーーーーン!!!」
お嬢が左手で黎に平手打ちをし、黎が吹っ飛んで壁にぶち当たった。
「お…お嬢…なぜ…ですか…。」
「あなた何勝手に人の舎弟を好き勝手動かしてるのよ!!それにこの私の記憶も勝手に利用して咲の行き先まで嘘ついて向かわせるなんて!!黎のバカ!!もう知らないわよ!!」
そう言ってお嬢が何処かに行ってしまった。
「お…お嬢…!待ってください…!」
「あーあ、黎兄ちゃんお嬢のこと怒らせちゃったね。でもお嬢はどこ行っちゃうんだろー?」
「お嬢…そちらへ行っては…いけません…。」
黎には分かっていた。お嬢が行く先が。
お嬢と記憶を共有しているから。
……………
「ドカーーーン!!!」
「ギャアオオオオオオオオオオオオン!!!」
紅葉はリソスの背中に乗って巨斧を振り下ろしていた。
リソスの鱗にヒビが入る。
「テメェこの俺様に傷をつけるなんてなかなかやるじゃねぇか!だが!まだ足りねぇよ!ゴルァ!」
「ドカンッ!ガリガリガリガリガリガリガリッ!」
リソスが地面に背中を向けて背中を叩きつけ、そのまま背中で地面を滑走して擦りつける。
紅葉がボロボロになってリソスの背中から落ち地面に這いつくばる。
「まだ…だ…。」
「シュン…バババババババババババババン!!」
「グアアアアアアアアッッッ!!」
紅葉の斧の先端の中心から光線が放たれ、光線の軌跡から連続的な爆発が起こり、それがリソスの体に命中する。
「どうだ…ボクの…」
「頑張ったようだがまだ足りねぇな?」
「…ッ!?」
「バコンッ!!!」
リソスの前足蹴りで紅葉は吹っ飛んだ。
そして紅葉は気を失った。
そして竜化したリソスは人間の姿に戻り、
「俺様の愛しの妻のお願いでテメェを生かしてやったんだ。感謝しやがれ。」
と言って何処かへ去って行った。
……………
「………うーん…私…眠ってしまいましたの?なんだか体がやけに軽いような気がしますの…。って…カウントダウンの途中でしたの?いまいくつですの?」
「ハァ…ハァ…お前…本当に眠っていたのか…?」
楓は眠っている相手に攻撃を当てることを躊躇いながら初めはそっと起こそうとしたのだが、その時のあまりの動きの速さに全力で攻撃を当てることに集中したが一発も当たらなかったのだ。
「あら、あなた、私がいくつまで数えたかわかりますの?」
「…6だ…。」
「正直に教えて頂けるなんて珍しい方ですの。ほとんどの方は私が寝ている間に既にいなくなっているか、嘘をつくんですのよ。では…その敬意にお応えしまして…」
江戸村が居合の体勢に入る。
「…来るっ!」
「5。」
「バリィン!」
「ぐはッ!!」
楓は出血する。
「4。」
「バリィィン!!」
「ぐああッ!!」
楓は膝を地面につく。
「3。」
「バリィィィィン!!!」
「うぐッ…!!………ハァ…ハァ…ま…まだだ…」
間髪入れず、
「2。」
「バリイイイイイイン!!!!!」
楓の絶対防御魔法が完全に砕けた。
「ぐあああはあああああああああ!!!」
楓は槍を手から離して両手を地面についてしまう。
「1…」
「これを…生身で…受けたら…」
「ドスッ!!」
楓は気絶した。
「最後の1枚はリソス様の前でしか見せられませんのーーー♡♡♡リソス様ぁーーーどこにいらっしゃいますのーーー???♡♡♡」
江戸村の真剣な表情は一気に恋する乙女の表情へと一変した。
そして思い出したかのように、倒れた楓に振り返り、
「あ、最後の一撃は峰打ちですの。リソス様のご厚意であなたを生かしておいたんですのよ。」
と言って江戸村は姿を消した。
次回 第四十五話 兄妹
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