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第八章 無双編
第四十二話 罠
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「黎…また…行っちゃった…私も…行かなきゃ…。」
お嬢が泣き崩れる。
「お嬢様…黎様にきっと何か考えがあるのだと思います。信じて戻ってくるのを待ちましょう?」
菱沼がお嬢をなだめる。
「お嬢様泣かせるなんてサイテーじゃな~い?」
「言えてる~普通自分の女の子置いてどっか行く~?」
「2人共、黎様のことを悪く言うのはやめなさい。」
桃香と市香の発言を二階堂が指摘する。
「あれでも黎様はお嬢様のことを一番に理解されているのです。私は黎様の事を信じてお嬢様はこの塔で待つべきだと思います。」
「…レナちゃん…。」
……………
「ザシュッッッッ!!!!」
「カハッッッ!!」
リソスが紅葉に体を切りつけられ吐血する。
「まだまだこれからだよ?ほら、顔をあげなよ。」
「…テメェ…テメェも俺様を本気で怒らせちまったみてぇだな…!!ブルアアアアアアアアア!!!!」
リソスの体が光り始め巨大化し、その姿は竜の形へ変わってゆく。
「ギャアアアアアアアアアアアオオオオオオオン!!!!」
抹茶色の竜の雄叫びが轟く。
「ゴルァ!小娘ガァ!勝負はこれからだゴルァ!!」」
「大地の王リソス、遂に本気を出してくれるみたいだね。それぐらい張り合いがないとつまらないよね!」
紅葉がリソスに巨斧を振りかざして飛びかかる。
……………
「それで、香歩の彼氏が1人で来て一体何の用?」
「単刀直入に言います。俺とサシで勝負してください。」
「君、俺とやり合うの?」
遥輝が玉座から立ち上がり黎のもとへ歩み寄る。
「ええ、あなたがいるとお嬢がいつまで経っても泣き止まないので。」
黎は一歩も引かない。
「いいよ。じゃあ始めよっか。」
両脇に整列している高柳グループの舎弟達の視線が黎と遥輝に集まる。
「待て。」
入口の扉の方から女の声がした。
「お前、ボスの元へたった1人で乗り込むとは良い度胸だ。先日花梨が人質に取られた時といい、貴様、闇属性を纏っていながらなかなかの覚悟を持っているではないか。気に入った。ボスと一戦交える前にオレがサシで戦いたい。」
「………俺はかまいませんよ。」
「俺も別にいいよ。」
「では、邪魔が入らぬ場所へ移動するとしよう。」
「わかりました。」
そして、黎と遥輝がやり取りをしていた最中に間に入った八代楓と黎は、人気のない場所へと向かった。
「…掛かりました…。」
黎はそう呟いて不気味な笑みを浮かべた。
次回 第四十三話 矛盾
お嬢が泣き崩れる。
「お嬢様…黎様にきっと何か考えがあるのだと思います。信じて戻ってくるのを待ちましょう?」
菱沼がお嬢をなだめる。
「お嬢様泣かせるなんてサイテーじゃな~い?」
「言えてる~普通自分の女の子置いてどっか行く~?」
「2人共、黎様のことを悪く言うのはやめなさい。」
桃香と市香の発言を二階堂が指摘する。
「あれでも黎様はお嬢様のことを一番に理解されているのです。私は黎様の事を信じてお嬢様はこの塔で待つべきだと思います。」
「…レナちゃん…。」
……………
「ザシュッッッッ!!!!」
「カハッッッ!!」
リソスが紅葉に体を切りつけられ吐血する。
「まだまだこれからだよ?ほら、顔をあげなよ。」
「…テメェ…テメェも俺様を本気で怒らせちまったみてぇだな…!!ブルアアアアアアアアア!!!!」
リソスの体が光り始め巨大化し、その姿は竜の形へ変わってゆく。
「ギャアアアアアアアアアアアオオオオオオオン!!!!」
抹茶色の竜の雄叫びが轟く。
「ゴルァ!小娘ガァ!勝負はこれからだゴルァ!!」」
「大地の王リソス、遂に本気を出してくれるみたいだね。それぐらい張り合いがないとつまらないよね!」
紅葉がリソスに巨斧を振りかざして飛びかかる。
……………
「それで、香歩の彼氏が1人で来て一体何の用?」
「単刀直入に言います。俺とサシで勝負してください。」
「君、俺とやり合うの?」
遥輝が玉座から立ち上がり黎のもとへ歩み寄る。
「ええ、あなたがいるとお嬢がいつまで経っても泣き止まないので。」
黎は一歩も引かない。
「いいよ。じゃあ始めよっか。」
両脇に整列している高柳グループの舎弟達の視線が黎と遥輝に集まる。
「待て。」
入口の扉の方から女の声がした。
「お前、ボスの元へたった1人で乗り込むとは良い度胸だ。先日花梨が人質に取られた時といい、貴様、闇属性を纏っていながらなかなかの覚悟を持っているではないか。気に入った。ボスと一戦交える前にオレがサシで戦いたい。」
「………俺はかまいませんよ。」
「俺も別にいいよ。」
「では、邪魔が入らぬ場所へ移動するとしよう。」
「わかりました。」
そして、黎と遥輝がやり取りをしていた最中に間に入った八代楓と黎は、人気のない場所へと向かった。
「…掛かりました…。」
黎はそう呟いて不気味な笑みを浮かべた。
次回 第四十三話 矛盾
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