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第八章 無双編
第四十一話 戦姫
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お嬢と黎は屍の塔2号の頂上に着いた。
「お嬢様!黎様!おかえりなさいませ!」
菱沼が出迎えてくれた。
「みんな無事だった!?」
お嬢が黎に下ろしてもらいながら尋ねる。
「僕たちは大丈夫だよー!お嬢と黎兄ちゃんも無事みたいだね!」
「ええ。ところで八代、屋敷で話していた内容の続きを聞きたいのですが、E6(イーシックス)とE7(イーセブン)については戦った感じでなんとなく分かったので割愛して大丈夫ですので、姉の八代楓について今度は分かる範囲で聞かせて頂いてもよろしいですか?」
黎が八代に問いかける。
「はい。ワタクシのお姉様にあたる八代楓ですが常に強さを追い求めるといった精神の持ち主で、正々堂々とした1対1の真っ向勝負を挑むような人で、その性格は南グループで言うなら太陽様に近いものがあるかもしれません。しかし、なぜその様な性格を持っていながら目的の為なら手段を選ばない高柳グループに所属し、ワタクシを人質にとって彼らの肩を持つ様なことをしたのかワタクシにもわかりかねます…。」
「…それは確かに引っかかりますね…。彼女の目的は一体何なんでしょうか…。」
黎は深く考える。
「また、常に単独で行動している上に敵に対して不意打ちなどの卑怯な戦法はとらず、曲がったことが嫌いな人です。そしてそれなりに彼女は自身の強さに自信があり、彼女は盾を持っていますがあの盾には光属性の絶対防御魔法が付与されており、四方八方からのどんな攻撃も受け付けません。また、自身の素早い動きと無駄のない槍捌きから、『ヴァルキリー』と呼ばれています。」
「どんな攻撃も効かないなんて…」
お嬢が驚いて声をあげると、
「まさに『矛盾』、ですね。」
と黎が呟く。
「…え…?」
お嬢はこの時まだ黎の考えている事の意図が理解できなかった。
黎に記憶をコントロールされていたようだ。
「さて、そのような正々堂々強さを求めて戦いを求め続ける方は何処にいらっしゃるのでしょうかね。太陽のように人気のないところに1人どこかで立ちつくしているのでしょうか。」
「黎!?彼女を探し出してどうするつもり!?まさかこっちから仕掛けるつもりじゃ…!?」
「大丈夫ですよお嬢。」
黎は心配そうなお嬢を自身の体へ抱き寄せる。
「ワタクシにも、お姉様の居場所まではわかりかねます…。」
「1対1…1人…光属性…。」
「…黎…?」
「お嬢、すぐ戻ってきます。ここで待っててください。」
「だめッ!!黎ッ!!」
黎はお嬢を置いて屍の塔2号を後にしていった。
「黎ッ!!黎ーーーーーーッ!!!!」
お嬢の叫び声が空高く響き渡る。
次回 第四十二話 罠
「お嬢様!黎様!おかえりなさいませ!」
菱沼が出迎えてくれた。
「みんな無事だった!?」
お嬢が黎に下ろしてもらいながら尋ねる。
「僕たちは大丈夫だよー!お嬢と黎兄ちゃんも無事みたいだね!」
「ええ。ところで八代、屋敷で話していた内容の続きを聞きたいのですが、E6(イーシックス)とE7(イーセブン)については戦った感じでなんとなく分かったので割愛して大丈夫ですので、姉の八代楓について今度は分かる範囲で聞かせて頂いてもよろしいですか?」
黎が八代に問いかける。
「はい。ワタクシのお姉様にあたる八代楓ですが常に強さを追い求めるといった精神の持ち主で、正々堂々とした1対1の真っ向勝負を挑むような人で、その性格は南グループで言うなら太陽様に近いものがあるかもしれません。しかし、なぜその様な性格を持っていながら目的の為なら手段を選ばない高柳グループに所属し、ワタクシを人質にとって彼らの肩を持つ様なことをしたのかワタクシにもわかりかねます…。」
「…それは確かに引っかかりますね…。彼女の目的は一体何なんでしょうか…。」
黎は深く考える。
「また、常に単独で行動している上に敵に対して不意打ちなどの卑怯な戦法はとらず、曲がったことが嫌いな人です。そしてそれなりに彼女は自身の強さに自信があり、彼女は盾を持っていますがあの盾には光属性の絶対防御魔法が付与されており、四方八方からのどんな攻撃も受け付けません。また、自身の素早い動きと無駄のない槍捌きから、『ヴァルキリー』と呼ばれています。」
「どんな攻撃も効かないなんて…」
お嬢が驚いて声をあげると、
「まさに『矛盾』、ですね。」
と黎が呟く。
「…え…?」
お嬢はこの時まだ黎の考えている事の意図が理解できなかった。
黎に記憶をコントロールされていたようだ。
「さて、そのような正々堂々強さを求めて戦いを求め続ける方は何処にいらっしゃるのでしょうかね。太陽のように人気のないところに1人どこかで立ちつくしているのでしょうか。」
「黎!?彼女を探し出してどうするつもり!?まさかこっちから仕掛けるつもりじゃ…!?」
「大丈夫ですよお嬢。」
黎は心配そうなお嬢を自身の体へ抱き寄せる。
「ワタクシにも、お姉様の居場所まではわかりかねます…。」
「1対1…1人…光属性…。」
「…黎…?」
「お嬢、すぐ戻ってきます。ここで待っててください。」
「だめッ!!黎ッ!!」
黎はお嬢を置いて屍の塔2号を後にしていった。
「黎ッ!!黎ーーーーーーッ!!!!」
お嬢の叫び声が空高く響き渡る。
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