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第五章 血縁編
第二十九話 乱闘
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南グループの戦闘員はお嬢と黎の2人だけ、敵は先の機械兵士と天宮を含めて6人…それに八代の前にいる2人は一体…。
「これだけの人数相手にどうするつもりなんですか?お嬢様?」
「花梨ちゃんを解法しなさい!」
「キッキッキッキッキ!そんな事するわけねぇよなぁ?なんてったってコイツは南グループの情報を…」
「人質は…私が代わりになるわ…。」
「お嬢!それはいけません!」
黎はわかる。お嬢は怯えている。
「なるほど…これがお前の仕える南グループのトップか。なかなか良い覚悟ではないか。」
八代の前にいる槍と盾を持った女が言う。
「この女に絆されて花梨お姉様は南グループに仕えてるってことか。それにしてもボクの機械兵士たちをまいてここまで乗り込むなんてなかなかやるねこの2人。」
同じく八代の前にいる巨斧を担いだ女が言う。
「花梨お姉様…?八代と血縁関係なのですか…?」
「いかにも。オレは長女の八代楓、コイツは三女の八代紅葉だ。そして八代花梨は次女だ。」
お嬢と黎は驚く。まさか高柳グループに八代の血縁関係の者がいるとは思っていなかったからだ。八代のフォルダの名簿にもなかったことから恐らく八代も把握していなかったのかもしれない。八代は非戦闘員だがこの長女と三女は明らかに戦闘員だ。それにこの三女があの2体の機械兵士を作ったのかと疑問に思う。
「…とにかく…彼女を…花梨ちゃんを解放して…。お願い…。私はどうなってもいいから…。」
黎はお嬢の泣きそうなその一言に居てもたってもいられなかった。
この状況を打破する方法がないわけではない…。
しかしそれはお嬢にとっては…。
お嬢が黎の手をとり、
「黎…それはダメよ…。」
お嬢が黎を真剣に見つめる。
「しかしお嬢…。」
「なかなか泣かせて頂けるではありませんか。しかし南グループのトップであるお嬢様の首を差し出して頂けるのであれば南グループの崩壊は時間の問題ですね~…クックックックック…」
そう土屋が言った矢先に動いたのは、
「風を自然から逸脱させたもの…斬り捨て御免…!」
「チャキィンッ!!」
「ザシュッッ!!」
「グアッ!!」
「天宮…!?あなた…!」
お嬢は天宮が土屋に放った居合に驚いた。
「風に自然に身を委ねてこそ趣あれ…。そなたの生み出した竜巻は人為的なものであって自然的な物ではない…。」
「おぉ?おもしれぇ事になってきたなぁ。陸斗ぉ。このキャップを被った男が黎ってやつだよなぁ?こいつはものすげぇ闇を感じるなぁ?」
「こいつは俺が沈める…」
そう陸斗が言いかけた時、
「ドーーーーーーンッッッ」
陸斗の立ってる床から突然柱の様なものが天井を貫き陸斗は空中に打ち上げられ、浜辺の方へ放り出された。
「これは…千佳ちゃん!?」
海沿いに放り出された陸斗は、
「これは…あの時沈めたはずのアイツ…」
「千佳はあなたなんかにはやられませんよ。全くあなたは美しくない。」
「…!この声は!お前!海斗…!ムカつく…!」
陸斗が海斗に殴りかかる。
「海沿いへ飛び込んできたのはお前でしょう?そっちがその気ならいきますよ、海竜(シードラゴン)!」
「お前はそのまま海底へ沈める!」
陸斗が海竜に向かって殴りかかりに行く。
「お前が海が嫌いな理由…それは…。」
「バコーーーーーーンッッッ!!!」
海竜に陸斗の打撃が入る。
しかし陸斗はそのまま海へと落ちてゆく。
「バシャーン!」
「お前はいつも後先考えず真っ先に突っ込み、かつて海にも飛び込んだが水と馴染むことができなかったんですよね。」
陸斗が海中へ沈んでゆき呼吸ができなくなる。
そんな陸斗を海斗が抱きかかえて砂浜に運び出す。
陸斗は気を失っていた。
「全く…世話の焼ける愚弟です…。美しくない…。」
……………
そして黎は黒髪マッシュヘアの男と対峙していた。
しかし黎は八代を助けることを優先したかった。
しかし八代の姉妹2人がかなりの戦闘力がありそうであることに加えて、先の機械兵士の処理もまだ終わっていない。
黎と対峙していた男は杭のようなものを黎に向けて戦闘体勢に入った。
黎には勿論分かっていた。相手は黎と同じ闇属性で天宮を除く3人の中では最も強いのだろう。だか黎は、
「すみませんがあなたとは早急にケリをつけなければ…」
と言いかけた時だった。
「ドカーーーン!!!」
倉庫の壁が破壊される音と共に赤い鎧と兜を身にまとい大剣壁をを担いだ男が現れた。
「黎、お前ともあろう者が何だこの有り様は?」
「太陽…!なぜここに!?」
黎が驚いて尋ねると、
「菱沼という舎弟から連絡があった。GPSが反応している場所に向かってほしいとな。」
と答える。
「おぉ?また新しいやつがきたなぁ?さすがこの世界最大の組織のだなぁ?少しは楽しませてくれるんだろうなぁ?キッキッキッキッキ。」
「悪いが俺は死なん。お前に勝ち目はない。」
太陽が男に大剣を振り下ろし男がバックステップでそれをかわし男が空中へ飛び天井を突き破る。
太陽も炎の羽で空中を飛んで天井を大剣で突き破って日の下で空中戦が始まる。
男が両手から黒い弾を乱射する。
太陽は宙を舞いながらかわして男との距離を詰め、大剣で薙ぎ払う。
男はそれを杭で受け止めると、太陽の大剣の色が赤から黒に変化する。
そして大剣は太陽の手から離れ、太陽に襲いかかる。
「武器を洗脳する魔法か…。」
太陽は自分に襲いかかる大剣と、男の放つ黒い弾丸を避けながら敵に接近する。
そして太陽は男の手の届く距離まで到達し、男の両肩を抑えつける。
「フレア!」
太陽を中心に球体の熱源が発生し、光を放つ。
「おもしれぇやつだなぁ…」
男はそう呟いて消滅した。
次回 第三十話 粛清
「これだけの人数相手にどうするつもりなんですか?お嬢様?」
「花梨ちゃんを解法しなさい!」
「キッキッキッキッキ!そんな事するわけねぇよなぁ?なんてったってコイツは南グループの情報を…」
「人質は…私が代わりになるわ…。」
「お嬢!それはいけません!」
黎はわかる。お嬢は怯えている。
「なるほど…これがお前の仕える南グループのトップか。なかなか良い覚悟ではないか。」
八代の前にいる槍と盾を持った女が言う。
「この女に絆されて花梨お姉様は南グループに仕えてるってことか。それにしてもボクの機械兵士たちをまいてここまで乗り込むなんてなかなかやるねこの2人。」
同じく八代の前にいる巨斧を担いだ女が言う。
「花梨お姉様…?八代と血縁関係なのですか…?」
「いかにも。オレは長女の八代楓、コイツは三女の八代紅葉だ。そして八代花梨は次女だ。」
お嬢と黎は驚く。まさか高柳グループに八代の血縁関係の者がいるとは思っていなかったからだ。八代のフォルダの名簿にもなかったことから恐らく八代も把握していなかったのかもしれない。八代は非戦闘員だがこの長女と三女は明らかに戦闘員だ。それにこの三女があの2体の機械兵士を作ったのかと疑問に思う。
「…とにかく…彼女を…花梨ちゃんを解放して…。お願い…。私はどうなってもいいから…。」
黎はお嬢の泣きそうなその一言に居てもたってもいられなかった。
この状況を打破する方法がないわけではない…。
しかしそれはお嬢にとっては…。
お嬢が黎の手をとり、
「黎…それはダメよ…。」
お嬢が黎を真剣に見つめる。
「しかしお嬢…。」
「なかなか泣かせて頂けるではありませんか。しかし南グループのトップであるお嬢様の首を差し出して頂けるのであれば南グループの崩壊は時間の問題ですね~…クックックックック…」
そう土屋が言った矢先に動いたのは、
「風を自然から逸脱させたもの…斬り捨て御免…!」
「チャキィンッ!!」
「ザシュッッ!!」
「グアッ!!」
「天宮…!?あなた…!」
お嬢は天宮が土屋に放った居合に驚いた。
「風に自然に身を委ねてこそ趣あれ…。そなたの生み出した竜巻は人為的なものであって自然的な物ではない…。」
「おぉ?おもしれぇ事になってきたなぁ。陸斗ぉ。このキャップを被った男が黎ってやつだよなぁ?こいつはものすげぇ闇を感じるなぁ?」
「こいつは俺が沈める…」
そう陸斗が言いかけた時、
「ドーーーーーーンッッッ」
陸斗の立ってる床から突然柱の様なものが天井を貫き陸斗は空中に打ち上げられ、浜辺の方へ放り出された。
「これは…千佳ちゃん!?」
海沿いに放り出された陸斗は、
「これは…あの時沈めたはずのアイツ…」
「千佳はあなたなんかにはやられませんよ。全くあなたは美しくない。」
「…!この声は!お前!海斗…!ムカつく…!」
陸斗が海斗に殴りかかる。
「海沿いへ飛び込んできたのはお前でしょう?そっちがその気ならいきますよ、海竜(シードラゴン)!」
「お前はそのまま海底へ沈める!」
陸斗が海竜に向かって殴りかかりに行く。
「お前が海が嫌いな理由…それは…。」
「バコーーーーーーンッッッ!!!」
海竜に陸斗の打撃が入る。
しかし陸斗はそのまま海へと落ちてゆく。
「バシャーン!」
「お前はいつも後先考えず真っ先に突っ込み、かつて海にも飛び込んだが水と馴染むことができなかったんですよね。」
陸斗が海中へ沈んでゆき呼吸ができなくなる。
そんな陸斗を海斗が抱きかかえて砂浜に運び出す。
陸斗は気を失っていた。
「全く…世話の焼ける愚弟です…。美しくない…。」
……………
そして黎は黒髪マッシュヘアの男と対峙していた。
しかし黎は八代を助けることを優先したかった。
しかし八代の姉妹2人がかなりの戦闘力がありそうであることに加えて、先の機械兵士の処理もまだ終わっていない。
黎と対峙していた男は杭のようなものを黎に向けて戦闘体勢に入った。
黎には勿論分かっていた。相手は黎と同じ闇属性で天宮を除く3人の中では最も強いのだろう。だか黎は、
「すみませんがあなたとは早急にケリをつけなければ…」
と言いかけた時だった。
「ドカーーーン!!!」
倉庫の壁が破壊される音と共に赤い鎧と兜を身にまとい大剣壁をを担いだ男が現れた。
「黎、お前ともあろう者が何だこの有り様は?」
「太陽…!なぜここに!?」
黎が驚いて尋ねると、
「菱沼という舎弟から連絡があった。GPSが反応している場所に向かってほしいとな。」
と答える。
「おぉ?また新しいやつがきたなぁ?さすがこの世界最大の組織のだなぁ?少しは楽しませてくれるんだろうなぁ?キッキッキッキッキ。」
「悪いが俺は死なん。お前に勝ち目はない。」
太陽が男に大剣を振り下ろし男がバックステップでそれをかわし男が空中へ飛び天井を突き破る。
太陽も炎の羽で空中を飛んで天井を大剣で突き破って日の下で空中戦が始まる。
男が両手から黒い弾を乱射する。
太陽は宙を舞いながらかわして男との距離を詰め、大剣で薙ぎ払う。
男はそれを杭で受け止めると、太陽の大剣の色が赤から黒に変化する。
そして大剣は太陽の手から離れ、太陽に襲いかかる。
「武器を洗脳する魔法か…。」
太陽は自分に襲いかかる大剣と、男の放つ黒い弾丸を避けながら敵に接近する。
そして太陽は男の手の届く距離まで到達し、男の両肩を抑えつける。
「フレア!」
太陽を中心に球体の熱源が発生し、光を放つ。
「おもしれぇやつだなぁ…」
男はそう呟いて消滅した。
次回 第三十話 粛清
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