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第三章 修羅編
第十八話 尋問
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八代は南グループのD級舎弟だがその天才的頭脳を買われてB級舎弟への飛び級の昇格試験を推薦で受けることができた。しかし本人の、『位が高いと目立ってしまい、ワタクシの存在意義は薄れる可能性が高いと思われます。ランクが低く戦闘力が無い事こそがまさに外部にとっての油断を生み出すための手段であり、それはワタクシの役目の一つかと思われます。』という意向により辞退したのだ。
「お嬢様と顔をお合わせするのはもう少々時間を置いた方がよいかもしれませんね…。」
「そうですよね…。何故か凄く怒ってたというか…悲しそうだったというか…。ところで八代に暴行を加えた者の首謀者の目処は立っているのですか?確かに南グループ全体の問題として取り上げるのは重要ですが、目の前の八代がいじめを受けているのを止められないようでは、この問題は根本的に解決しないような気がします。」
「…」
「…八代?」
……………
「あんた達、この八代花梨って子、D級舎弟なんだけど『裏の頭』だとか、天才的頭脳だとかって言われててお嬢様や黎様達からチヤホヤされてて私ずーっと気に食わなかったのよね。この子は非戦闘員で戦闘員のあんた達はどうせ平和な今暇でしょうがないんだから、この子のこと好きにしちゃっていいわよ。勿論、成果を上げた者達にはご褒美をあげるわよ。あ、お嬢様にはくれぐれもバレすぎないようにほどほどにね。」
「………これ、あなたの声よね。晶ちゃん?」
お嬢は録画された音声を流して菱沼に問い詰めた。
「っな!何でそれを!?」
「いい?私は南グループのトップなの。私は舎弟のことなら何でも把握しているの。」
「お嬢様ッ!これには訳が…」
「あなたは人当たりが良く人脈がすごく広くてそれはあのイカれた殺し屋の市香と桃香と仲良く出来るほどのものだった。いいえ、あなたの本当の顔は人を手懐ける天才と言ったところかしら。非戦闘員でありながら戦闘員を扇動しありとあらゆる自分よりも立場の高そうな非戦闘員を次々といじめに追いやったいじめの首謀者。それがあなたよ。あなたの扇動は本当に天才的でその証拠は一歩間違えば戦闘員の反感を買って自らが危険な目に遭う可能性さえあるのにあなたの肌にはあざも傷も一つもないことよ。」
「ッ…!」
「南グループ十の掟その五、人としてダサいことはしないこと。あなたの才能は活かし方によっては素晴らしいけれど、こんな不純な動機であなたの仲間であり私の大好きな舎弟を傷つけることは十分ダサいわよ。」
その瞬間菱沼が逃げ出そうとするがお嬢に馬乗りにされ取り抑えられる。
「わああああああああ!!!!」
菱沼の叫び声が広間まで聞こえてきた。
そしてお嬢が菱沼を見下ろして遂に告げる。
「あなた、十の掟を破ったことに加えて、私の舎弟を傷つけた罰として破門…」
そう言いかけた時、
「お嬢様ッ!」
駆けつけてきたのは八代だった。
「お嬢様!!菱沼様を!菱沼様をどうかお許しください!!お願いしますッ!!」
八代が深々と頭を下げた。
そして黎も後からやってきて、
「お嬢、下級舎弟の落ち度は、上級舎弟の責任でもあります。俺からもお願いです。」
黎も頭を下げた。
お嬢は八代と黎を見て、
「あなた達、私の部屋にノックもせずに入ってくるなんて礼節ってものを忘れたのかしら?」
と言い2人のもとへ歩み寄る。
「申し訳…ございません…。」
八代が震えた声で謝る。
「すみません…お嬢。」
黎も続いて謝る。
菱沼、八代、黎は気づいていた。
今南グループで最も怒らせてはいけないお方を本気で怒らせてしまったことを。そしてそれを止められる者は1人もいないことを3人はわかっていた…。
「お嬢様と顔をお合わせするのはもう少々時間を置いた方がよいかもしれませんね…。」
「そうですよね…。何故か凄く怒ってたというか…悲しそうだったというか…。ところで八代に暴行を加えた者の首謀者の目処は立っているのですか?確かに南グループ全体の問題として取り上げるのは重要ですが、目の前の八代がいじめを受けているのを止められないようでは、この問題は根本的に解決しないような気がします。」
「…」
「…八代?」
……………
「あんた達、この八代花梨って子、D級舎弟なんだけど『裏の頭』だとか、天才的頭脳だとかって言われててお嬢様や黎様達からチヤホヤされてて私ずーっと気に食わなかったのよね。この子は非戦闘員で戦闘員のあんた達はどうせ平和な今暇でしょうがないんだから、この子のこと好きにしちゃっていいわよ。勿論、成果を上げた者達にはご褒美をあげるわよ。あ、お嬢様にはくれぐれもバレすぎないようにほどほどにね。」
「………これ、あなたの声よね。晶ちゃん?」
お嬢は録画された音声を流して菱沼に問い詰めた。
「っな!何でそれを!?」
「いい?私は南グループのトップなの。私は舎弟のことなら何でも把握しているの。」
「お嬢様ッ!これには訳が…」
「あなたは人当たりが良く人脈がすごく広くてそれはあのイカれた殺し屋の市香と桃香と仲良く出来るほどのものだった。いいえ、あなたの本当の顔は人を手懐ける天才と言ったところかしら。非戦闘員でありながら戦闘員を扇動しありとあらゆる自分よりも立場の高そうな非戦闘員を次々といじめに追いやったいじめの首謀者。それがあなたよ。あなたの扇動は本当に天才的でその証拠は一歩間違えば戦闘員の反感を買って自らが危険な目に遭う可能性さえあるのにあなたの肌にはあざも傷も一つもないことよ。」
「ッ…!」
「南グループ十の掟その五、人としてダサいことはしないこと。あなたの才能は活かし方によっては素晴らしいけれど、こんな不純な動機であなたの仲間であり私の大好きな舎弟を傷つけることは十分ダサいわよ。」
その瞬間菱沼が逃げ出そうとするがお嬢に馬乗りにされ取り抑えられる。
「わああああああああ!!!!」
菱沼の叫び声が広間まで聞こえてきた。
そしてお嬢が菱沼を見下ろして遂に告げる。
「あなた、十の掟を破ったことに加えて、私の舎弟を傷つけた罰として破門…」
そう言いかけた時、
「お嬢様ッ!」
駆けつけてきたのは八代だった。
「お嬢様!!菱沼様を!菱沼様をどうかお許しください!!お願いしますッ!!」
八代が深々と頭を下げた。
そして黎も後からやってきて、
「お嬢、下級舎弟の落ち度は、上級舎弟の責任でもあります。俺からもお願いです。」
黎も頭を下げた。
お嬢は八代と黎を見て、
「あなた達、私の部屋にノックもせずに入ってくるなんて礼節ってものを忘れたのかしら?」
と言い2人のもとへ歩み寄る。
「申し訳…ございません…。」
八代が震えた声で謝る。
「すみません…お嬢。」
黎も続いて謝る。
菱沼、八代、黎は気づいていた。
今南グループで最も怒らせてはいけないお方を本気で怒らせてしまったことを。そしてそれを止められる者は1人もいないことを3人はわかっていた…。
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